- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122040960
作品紹介・あらすじ
太古の呪術や生活の姿を伝える、漢字の世界。厖大な資料考証によって、文字の原始の姿を確かめ、原義を鮮やかに浮かび上がらせる。「白川静の世界」入門に絶好の、刺激的な書。
感想・レビュー・書評
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著者自身の立場から、さまざまな漢字の成り立ちについて解説するとともに、著者の漢字研究の基本的な考えかたを論じている本です。
本書はもともと中公新書の一冊として刊行された本で、著者の本のなかでは一般の読者にも比較的読みやすいものとなっています。ただし、おなじく新書で刊行されている『漢字―生い立ちとその背景』(1970年、岩波新書)が、漢字の成り立ちについて多くの具体例をあげてわかりやすく解説されているのにくらべると、本書ではもうすこし深い内容にまで立ち入って、著者の漢字研究の大きな枠組みを説明しているように感じられます。
また、著者とは異なる観点から、漢字の成り立ちについての研究をおこなっている藤堂明保の立場に対する批判が述べられていることも注目されます。著者は、章炳麟の語源説が、音韻の変化についての根拠のあいまいな解釈にもとづいていることを批判し、藤堂の『漢字語源辞典』(1965年、学燈社)の解釈にもおなじ問題が引き継がれていると述べています。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18347
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA58773457 -
面白いが読みにくかった。
金文を基に漢字の成り立ちを説いた前半は、初めて知ることも多く非常に興味深く感じた。(代表例は漢字の一部を形成する口はくちの意ではなく、祭事に使う器を示すことが大半であることなど)
ただその説明が筆者の熱を帯びているせいか、初学者に説いて聞かせるようなものではなく、思うがままに書いているようで、すぐに文意の掴めない点が多かった。。読み進めるのに苦労して、途中流し読みせざるを得なかったのが残念。
後半の漢字の形式化や漢字表の制限に関する苦言は今なお有効に思う。 -
面白い、んだけど、これ読んでると宮城谷昌光はまだ平易な言葉で書いてるんだなぁとしみじみ思う
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途中で挫折した。
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見知った文字の意外な意味づけに惹かれて購入。旅の空に倒れて息絶えるが永遠の「真」実なのか。
日常で接する、あたりまえの活字の裏っ側にある怨念だったり祈りだったり、ヒトの蠢きを感じる謎解きが愉快。
通勤途中にちまちま読むのに適当だけど、ちょっと硬いかなぁ。