- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122041301
作品紹介・あらすじ
古代人の豊かで鮮烈な精神を伝える、中国最古の詩歌集。儒教の聖典として長く特殊な解釈にさらされ失われてきたこの躍動的な歌謡の世界を、成立基盤の類似した『万葉集』との比較の観点から、見事に復活させた。
感想・レビュー・書評
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いつもは読み終わってからレビューを書いているが、今回は読みながら書きついで行くことにする。
きっと読み終わるまでにはたくさん時間がかかりそうだし、その間には忘れてしまいそうだからだ。
白川静の本を読むのは、これで三冊目。
そして、現在は第二章まで読み進めたところ。
本書は、『詩経』の詩を、何かの風刺や寓意として読むのではなく、古代の祭祀や儀礼に関わらせて解釈するという立場をとっている。
中国の古代社会については、本当に知識がなく、正直本書を読みこなす素養にまだまだ欠けていると痛感する。
が、多くの詩経の詩の解説中に、多くの万葉歌が引かれ、古代日本とも共通する基盤があることが見えてくるのがとても面白い。
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どうにか読み終わった。
もしこの本をこれから読まれるなら、第六章から読むことをお奨めしたい気がする。
白川さんの立場や、なぜその立場を取るに至ったかが書かれているから。
興味深かったのは、第四章。
社会との関わりに焦点が当たっている。
苛政から逃げ出して流浪する民の歌、夫の元を飛びだした女性、寡婦となった女性の暮らしなど、当時の人々の暮らしが透けて見える気がした。
恥ずかしながら山上憶良の「貧窮問答歌」が、漢籍の直訳的なものであることをここで知った。
この本が書かれたのは昭和40年代だから・・・それはもう定説となっているのだろうか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
詩経、最初に手を出そうと思いつつまだ買ってない。今の詩経を読み終えたら次はこれ。