ナ・バ・テア (中公文庫 も 25-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122046092

感想・レビュー・書評

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  • 早く精確で、そして洗練された流れを僕は夢見ている。僕は、ただ、空へ上がって目の前の敵に向かっていくだけだ。【中央館3F-西 913.6/MO】

  • 相変わらず不毛な会話が続く話だったが終わりは朝日が似合うような終わり方で良かった。
    ぶっちゃけ手慣れたティーチャの女好きからしてこどもは一人二人でないと思う。
    なんというか時系列が読み出しちんぷんかんぷんだったのでちゃんと調べた方が良かった気がする。中間くらいで草薙が主人公て気づいたし。
    一作目で草薙もいなくなったしどう続くのか期待。

  • 落ちていくときは重い方がいい。
    どれだけ効率的に敵機を落とせるか。それは人それぞれ考え方が違う。この言葉もその一つ。

    堕ちて死んだのではない。
    これは誇りなのか。空で死ねることがキルドレの本望なのか。

    地上に降りた時、もう一度強く思うのは、もう一度飛びたいということです。
    あなたのような生き方をもっと広める必要があるかもね。
    仕事への対価は仕事と言われる。高い給料でも、権力でもない。ただただ、もう一度飛ばせてもらえること。

    問いについて、全て嘘で答えた。
    冷静さとは、こういったことなのだろう。あらゆる問いを自問自答しておき、相手にとって最適な答えをする。

    人間が生きていくこと自体が汚れている。
    いつの間にか忘れちゃう、忘れようとしていること。豚や牛、魚を殺して、ヒトは生きている。ヒトを殺しあう戦争だけじゃない。

  • スカイ・クロラシリーズ、第二作。まずシンプルな装丁に目を惹き、読み始めてすぐ「嗚呼、(装丁は)これしかないよなぁ」と思うに至る。この視覚的効果のおかげで、情景描写が何倍にも鮮やかに目の前に拡がった!内容は前作『スカイ・クロラ』よりも前のお話。やはり飛行機を操縦中の情景がイマイチ頭に思い描けなくて、私の頭がホント残念。でもストーリィはとても良かった^^

  • スカイクロラの一番最初の話しにあたるらしいです。スカイクロラで司令官だった草薙水素が主人公で、まだパイロットだったときの物語でした。本格推理の人かと思いきやこんな航空空想小説を書かれると幅が広いです。
    作られた生命の話しなのにそれが完全に社会システムに組み入れられていて、それに対してのアンチではない所が面白いです。凡百の作家さんだとその社会システムと戦い始めてしまうところですが、あくまで誰かの規定した枠内で動く事しかできない知的生命体の愛おしさみたいなものを感じます。好きな本です。

  • 再読。
    やっぱり二回目は印象が全然違う。
    時系列順に読めばよかったなあと少し後悔。


    クサナギがこれからどう変わっていくのか、みもの。このときのクサナギはすごく前向きなのにな。
    そしてティーチャ、罪な男や。

  • ブクログにまだ登録されていないことに驚いた。再読です。
    たぶん初読の時だったら、5つ星にしたのだろう。やはりこのシリーズには、時が経って変わる思いもあれば、変わらない思いもあるようだ。
    この本に対する思いが変わったこと自体、「大人」になったように思えるが、未だに時々悲しくて仕方が無い時に、必ず浮かんでくる一文を。
    『可哀想じゃない!誰も、可哀想なものか!みんな、立派だ。 みんな、立派に生きている。誰も、死にたくはないし、誰も、可哀想になんか、なりたくない、そうならないように、一所懸命生きているのに。』(P.283)
    これが、映画でも有名(?)な「可哀想じゃない!」という台詞の元。原作が分からないと、この一言の中に隠されている辛さと葛藤を、なかなか感じ取れないだろう。

    文庫ならではの解説で、よしもとばななさんの実に的を射る文章にただただ感激した。美しくさえある孤独。わたしにとっては、真夏の深夜に読みたい本だ。
    ここでも森先生の巧みな言葉のチョイスに惚れ惚れ。「捨てるべき増槽もない」とかがたぶん一生忘れることのない文章のひとつ。
    スカイ・クロラでも広がっていた生と死の談義を、ここではティーチャとクサナギが行うことになる。言葉がやや直球ではあるけれど、どこかに生きづらさを感じている人であれば、胸を突かれたような気分にさせられるだろう。

    この本の始まりと、終わりも、おそらく全シリーズにおいて一番美しいのではないかと思う。個人的にとても心に沁みる一文で終わりとしよう。
    「愛するために生まれてきたのではない。愛されるために生まれてきたのでもない。ただ、軽く……、飛ぶために、生まれてきたのだ。」(P.325)

    きっと、あげられなかったひとつの星は、自分が変わってしまったに対する追悼だと思う。

  • 解説のよしもとばなな氏の××の部分を予想しちゃいます。
    やっぱりオレンジの表紙いいですね。スカイ・クロラの青い表紙の方も買っちゃいました。

  • 大好きな1冊を再読。
    前回読んだときより胸を打たれたのは、自分が臨月だからだろうか。
    とりあえずティーチャかっこいい~

  • スカイクロラシリーズ二作目。時系列が前作よりも前のようで、僕と名乗る人物が前作と違います。この小説的なトリックに最初戸惑いました。前作と変わらず戦争を扱っているのに読み口が爽やかです。また、「僕」の考える人間像が極端であると感じるのに共感が持ててしまいます。戦争に向かう子供であるキルドレについても少し情報がでて来ました、次作でもっとその辺りの設定を詳しく知りたいです。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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