- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122047594
感想・レビュー・書評
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作者の川上さんが高校の先輩ということで読んでみました。この本の好きなところは、最後の意外な展開です。この手の青春小説的なものは、主人公が小さな(本人にとっては大きな)出来事を通して精神的に成長していって、また新たな気持ちでいつもの生活に踏み出していく、というのがお決まりパターンかなと思っていました。が、この小説はいつもの生活に戻らないところがいいです。それから個人的にたぶん大鳥さんが実際に周りにいたら好きになってしまうだろうなと思います。笑
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わたしもあんな風に感じて、あんな風に感じさせていたのだろうと思う。
でもやっぱり男の子のことはわからなくって、さみしい気持ちが残るから、しばらくは読まない。
平山水絵のさみしさも、翠のつたえられなさもわからなさも。 -
青春だね。夏休みのような文章。気持ちが高揚し、どこか夢みたいに楽しくて悲しいお話。
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家族・・・
これで感想文書いたんですけど、失敗でした(●´・△・`) -
タイトルがステキ。
おもしろく読めたけれど、翠が大人びて物事に達観してるため、入り込みづらい。
もっともっと足掻いても良くて、それができない子どもであるのは少し悲しい。 -
不思議な不思議な「僕」の物語。
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曖昧で慎重な考え方の翠くん。勇気が出せず、今も互いに脚踏みし合っているような関係の愛子さんと大鳥さん。かっこいいおばあちゃん。謎のキタガー先生。プチEDの花田。みんな大好きだけど、良くも悪くも一番鮮烈だったのは、翠の彼女・平山水絵だ。
勇気があり、行動力があり、頭がいい。でもほんの少し想像力がありすぎるために、ハタから見ていても「めんどくせぇなぁ」と思わせる女である。「私のことどれくらい好き?」という質問に満足のいく答えを返せる男性が、この世にいるんだろうか。
ただ、どうしてそうなっちゃうのかなぁ、若いって大変だなぁと思う一方で、彼女の言い分が痛いほど分かったりもするのだ。自分でもどうしようもない流れによって、「めんどくせぇ女」に成り下がるしかない瞬間が、確かにある。そういう流れに正面からしっかりと向きあえる平山水絵は、やっぱり勇気があって、かっこいい。
川上弘美が、高校生の男の子を主人公にしたお話を書いているとは知らなかった。いつも生活力のない女性の話ばかりを読んでいたので。川上版『ぼくは勉強ができない』といったところか。新鮮だった。 -
僕は勉強が出来ない、とは、
いやはやどうして、
しかしどうしたって、
重ねてしまう気持ちにはなりますが、
時に感じる、
主人公の名前が特殊だとどうにもこうにも、
なんだかなー・・・
となってしまう病が発病した。
フィクションがリアリティを持つには、
地に足が着いていないとなと思う。 -
レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/115473477.html -
若干途中でダレた。
けど高校生の時の万物への違和感をそれとなく取り上げていて楽しかった。
これを読むと、生きることへの違和感を自分なりに解釈することはやはり重要。
教育でそれが扱われて欲しいし、扱わせる。
悪者がいないっていうのが川上弘美の良いところ。
リアリティがあるのも良い。
会話の中でツッコミが入ったり、いきなり話が転々としてしまったり。
日常で何かを見たときや聞いたときにふと感じる既視感から思い出話に移行するっていうのも意識の中でよくある。
「でも、やっぱり折に触れて僕は思ってしまう。うろうろ生きて、で、それで?」
「完全な相槌ではなく、かといって無論否定でもない。びみょうな間を置くのがとてもうまい」
「確かなことを言おうとすればするほど、確かなことがいえなくなる」
「結局のところ、人は説明された程度のことしかわからない。一番本当のところは本人にしかわからなしし、それどころか、本人にだってわからないかもしれない」
「パンドラの箱ー出ていたのはあらゆる悪ではなく、さまざまな祝福だった」
「なんかへんよ。で、へんだけど、結局そうなっちゃったことだから。起こってしまったことは変えようがないの」