- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122051966
作品紹介・あらすじ
毎日新聞夕刊紙上で、月に一回掲載された日本一小さな新聞、その名も「毎月新聞」。その月々に感じたことを独自のまなざしと分析で記した、佐藤雅彦的世の中考察。人気の3コマまんが「ケロパキ」に加え、文庫オリジナルの書き下ろしも収録。
感想・レビュー・書評
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「〜じゃないですか」ということで、その発言に「常識」を介入させ自分自身の価値観を排除することができてしまう。「無意識に私達が大切にしなくてはいけないことを損なっているとしたら、それはとても危険なことである。」
「義務」という言葉がついた途端に魅力がなくなる。
「自分を含めた私達皆が幸せになるためには、共同体はどうあるべきなのか」を追求する学問がエコノミクスで、これが経済学の始まり。
私達がクリエイティブになれる、丁度いい制約がある。
ネーミングの功罪 ネーミングによって本来の姿を曇らせ、市民権を与えてしまう可能性がある。認知バイアスでも似たようなことが書いてある。
自分という密室 「自分の本当の声を知らなかったのは自分だけであったのだ」 自己の他者化が起こっている。
デジタルとアナログ
情報の力関係 表現要素、情報訴求力
ネット 「なんだか、自分が正面きって臨んでいない気がする」 単一性は大事? ネットを使うことで、他社と自己の境界線が曖昧になるとも感じた。
これを、〜とする 一度認めてみることはやっぱり大切だよな。
目の前にあるのに 自分の肉眼で見ている目の前のことよりも、求めているイメージの方が勝ってしまう。
6月37日 歴史性、根拠のあるウソを作ることで、より信憑性のあるウソを作れる、ということかなあ。
人類史上最大の嘘は宗教よな。
記号のイコン化 コップに「〜の水」と書くだけで美味しくなったり飲みにくくなったりする。紙に鳥居の絵を描くのと同じだな。
す、も×8、のうち これがコンピュータの圧縮の考え方
取り返しがつかない 「Sが当然どこかで生きていることを前提として、僕自身が生きていたことである。」身勝手?取り返しがつかないな。
エトランゼ、びろう詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「木曜日は本曜日」で、鈴木おさむさんが紹介しているのを見て購入。普段何気なく通り過ぎているものでも、自分なりにいろいろ考察してみると面白い。
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着眼点とかすごく面白いけど、やっぱり月に1つとか、せいぜい1日に1つ読むもので、一気に読むものではないかな。
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左を見よ
右を見ちゃいますよね!
図、記号、文字の強弱の考察が面白かった。
文字より図が強いのではなくて、分かり易い方が強い。
正9角形の図の下に「正11角形」と書いてあると、上の→と異なり文字の方が情報伝達手段として強くなる。
理由はわからないが、なぜか矢印は強い情報伝達の記号みたいです。
「おじゃんにできない」の話題も、ありがちな思考・行動パターンのいい例だ。
急いで出かけなければならない時に、靴を履き終わってから財布などの忘れ物に気づく。
テーブルの上にチョコンとのっているのが見える。
家には自分しかいない。
さて、どうするか?
はいはいで進む。靴の外側のエッジ部分で歩く。片足だけ脱いでケンケンで行く。など、
"靴を脱いで取りに行く" という回答が少ない。
特に紐を結んで履く靴だとなおさらだ。
一度始めてしまったことは途中でやめにくいのは人の常。
企業の大きなプロジェクトなど、途中で意味がなさそうだと気づいてもやめる決断がしにくい。
コストをかけて今までやってきたことを(おじゃんにして)スパッと辞めるのは難しい。
毎月新聞は毎日新聞に月一回掲載された学級新聞みたいなもの。
「毎週新聞」でも「毎年新聞」でもない「毎月新聞」が名前も掲載の間隔もピッタリだったらしい。
いろんなことを気づかせてくれるトピックスが満載だ。
堅苦しくなくて気楽に読める。
この本を読んでいる時に、ふと指を動かしたときに感じる表紙のザラザラ感。
そう、表紙にしわがあるのだ。狙いは何なのだろうと考えるも答えが浮かばない。
本がずれ落ちにくいようにするための工夫?
佐藤雅彦さんの本なので、何か狙いがあってのことなのだろう。 -
本書は、1998.10〜2002.9の毎日新聞夕刊紙上に月一回掲載された「毎月新聞」を書籍化したものです。
著者の佐藤雅彦さんは、社会現象を巻き起こした「だんご3兄弟」やNHK「ピタゴラスイッチ」などの企画の他、広告、デザインなどを多く手がけてこられた方です。クリエイティブ・ディレクター、映像作家、大学教授など肩書も多く、著作も多岐にわたっていますが、今回初読みでした。
感想を一言で言うと、〝古くて新しい〟でしょうか? 題材は多様、視点も多岐、分析も明確で、読んでいて楽しくもためになり、古さを感じさせません。今の時代に通ずる、忘れかけていた大事なことなど、新たな視点さえ得られる、とても価値あるコラム集と言えると思います。
いつでも、どこでも、どこからでも読めます。超多忙な人にもおすすめできます。
ここからは余談です‥‥
文庫の表紙にもなっている、創刊準備号「じゃないですか禁止令」‥。えっ! 「〜じゃないですか」は四半世紀前から使われてたの?
今なんか、テレビでもオンパレードじゃないですか!(ん、お前も感化されてるじゃないですか!)
著者の、この言い回しに対する憤りが全く的を射ており、時の流れとともに益々酷くなっている現状に愕然とします。
ちょっと偉そうですが、民放TVのMCやコメンテーターも、少し勉強してはどうかと、余計な提案をしたくなりました。
言葉の遣い方は難しいものだと改めて感じますが、だからこそ言葉を大事に扱う必要がある気がします。 -
本書を手にしたきっかけは、東京書店が取り組んでいる企画『木曜日は本曜日』で、鈴木おさむさんが紹介していた一冊で、興味を持ったためだ。
(木曜日は本曜日:https://honyoubi.com/015/)
最初の「創刊準備号じゃないですか禁止令」を読み、強く共感したので購入しました。全てのエッセイにユニークな視点が散りばめられておりとても面白く読み終わった。お気に入りは「真夏の葬儀」。この号は目頭が熱くなった。その時の情景が迫力を持って想起され、思わず心が震えた。
「勝手な約束」も好きな一編だ。佐藤さんの他の書籍も手にしたいと思った。 -
ブックトーク「経験を意識化する」で紹介した本。
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自分の生まれた年の、半年前から2歳くらいまでの毎月新聞(1998-2001)連載コラム
時代は違っても共通する社会問題、人の心の中の話、面白かった
当時はテレビやSNSが普及し始めた時代で、その警鐘は今のYouTubeやTikTokによる問題にも通ずるなあと
ケロパキ可愛かった。
私たちは、質問(=問題)ができた時に初めて答えに向かって進むことができる。極端な言い方をすれば、素晴らしい質問ができた時、その先に素晴らしい答えが用意されていると言ってもいいほどである。ここ数年、自分の活動も「新しい考え方」を模索しつづけているが、いまだに「質問ができない」状態のままである。
「丁度いい制約」→知性の翼
そもそも社会に出たら、課題は与えられるだけではなく、自分が何をやるべきなのか、何をやりたいのかを、自分で決めなくてはならないのだ。
イコン化
文化の芋粥状態 -
ケロパキが可愛くて大好きです。
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まだスマホやSNSもない頃の2000年前後のメディア論などのエッセイ集で、「プーチン就任」などのニュースを見たりすると確かに過去だなと思う一方で、今も変わらないハッとさせられる感覚が詰まってておすすめです。