- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122053182
作品紹介・あらすじ
中世から第二次世界大戦に至るまでのヨーロッパで起こった戦争を、テクニックだけではなく、社会・経済・技術等の発展との相関関係においても概観した名著。二〇〇九年に改訂された新版の本邦初訳。
感想・レビュー・書評
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戦争という観点からヨーロッパの歴史を紐解くというのは興味深く、また実際にヨーロッパに行ったことのある人が観光地を周るたびに「これはいつの戦争の史跡?」と疑問を持つように、ヨーロッパの歴史は戦争の歴史でもある。
本書は歴史と戦争を対比して説明する点で面白く、第二次世界大戦で米露アジアの台頭により、ヨーロッパは世界の中心ではなくなり、戦争する必要も無くなったと閉めるのは非常にスッキリするのだが、原本をほぼ直訳しており非常に読みづらい。その点が残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
軍事を軸にして中世以降のヨーロッパ史を概観する一冊。約1000年間について、単なる戦争史としてではなく、社会の変化と関連付けながら記述している。
著者がイギリス人だからなのか、ナポレオンやプロイセンを俯瞰して見ていたり、海軍力についての記述に一定の割合を割いているのが効いているように思う。大英帝国の盛衰についても(ややアイロニカルに)距離を置いているように見える。
これを文庫版230ページ強に収めた力業がすごい。逆に、このくらいに収めないと散漫になる気もする。
とはいえ、そのために前提知識を必要とする面はある。私は中世ヨーロッパに関する記述で特にそれを感じた。まあ仕方ない。
前提知識なのかわからないが、文中で2回、ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』の内容が引かれているのでびっくりした。脚注もなく、さも知ってて当然のように登場するのだが、イギリス人にとってはそれほどの常識なわけ?
いや、『ボートの3人男』が古典化するような国だし、「モンティ・パイソン」の国なんだからあり得る話だとは思うけど、にわかには信じがたい。
日本でいえば、こういう研究書(?)の中で『吾輩は猫である』の逸話が混じってくるようなことですよ。まじかよ。 -
構成は非常に興味深く、各時代の戦争の形態を中心的な戦闘員から論じ、ヨーロッパでの戦争の変化を時系列順に追うことができるようになっている。が、何か読みづらい。原著がそうなのかもしれないが、非常に表現が回りくどく感じる。文体に慣れないと、要点をつかみづらい気がした。
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戦争と社会の相関の歴史。
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狭義の軍事史というよりも、軍事・戦争という観点から見たヨーロッパ史というべき本。構成は章ごとのタイトルからわかるように(封建騎士の戦争、傭兵の戦争、商人の戦争、専門家の戦争、革命の戦争、民族の戦争、技術者の戦争)、それぞれの時代の戦争において決定的な役割を果たしたアクターごとにそれぞれの時代の戦争の特徴を摘示するようになっている。兵器の技術的発展、軍制の変化、それに伴う政治システムや社会の風潮の変化が全体のなかでバランスよく記述されており、単なる軍事史ではなく国制史とも言えるほど、ヨーロッパ史の多くのトピックに重なるところが多いと思う。
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中世~近現代くらいまでの戦争の歴史本
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2022/11/02 二度目の観測
2017/08/20 初観測 -
いや、面白かった。
ヨーロッパにおける軍事と政治、経済との関連や相互に与える影響など興味深い内容だった。
特に印象に残っているのはヨーロッパにおける近代海軍の発祥に関してだな。当初は純軍事的な目的ではなく、交易路を護り、奪うためであった事は目から鱗が落ちたような感じがした。
少なくとも明治維新以降の日本が設立した海軍は交易路を護り、奪う事よりも日本という国家を守るために諸外国の軍隊に相対するものだったと思うしね。
この辺りが太平洋戦争時の補給軽視に繋がっていると思うと面白い。
後は訳が独特で慣れるまでが大変だったよ。 -
ヨーロッパ史における戦争≠戦争の歴史であることに注意。あと、字が小さいとは言え文庫だから概論。で、時間をかけて読んでいたので、その間にいろいろ読んでたモノを結びつける役には立った。そして最後、『そして欧州は世界の中心では無くなりました。』で終わり。
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中世から世界大戦までのヨーロッパにおける戦争のその担い手や武器、戦い方を述べながらそれを構成する社会構成について説明している。