海賊の世界史 上 (中公文庫 コ 6-1)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122053588

作品紹介・あらすじ

海賊は実在した男たちである。冒険小説に出てくるロマンティックなアウトローのイメージが強いが、一方で国家権力さえ手をやく戦慄すべきやからであった。その興亡と歴史的背景を明快に綴った名著。上巻は十六、七世紀に活躍したバルバリアの海賊やヴァイキングの流れをくんだイギリスの海賊たちを描く。

感想・レビュー・書評

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  • ヨーロッパの歴史のなかで、「海賊」という存在がどのように活躍暗躍したのか、国家や権力者がどのように苦慮し、逆に利用しようとしたのかがわかる一冊。
    「海賊」というけれど、戦争となれば海軍の一戦力になったり、敵国の通商破壊の役目を担ったり、平和な時期には仕事にあぶれた者の行き場になり、同じ海賊による被害が起きればその対抗手段になり、地方では地元を経済的に潤してくれる存在になる一方、略奪の限りをつくす脅威にもなる…。
    権力側反権力側・恩恵脅威と目まぐるしく変わっていく。
    自由を旗印にしてる宇宙海賊や海賊王を目指しているゴム人間少年などのイメージが日本人には強いけど、現実にはこういう役割があったのか!と勉強になる。

    こういう概説以外にも、個々の魅力的?な海賊たちの所業も紹介している。
    特に面白かったのは、バッカーニア。
    トリニダード号の大冒険はある種イメージ通りの海賊冒険活劇といったところ。
    医者や博物学者やその後の大聖職者、残虐なことをするわりに変に信仰心が強い海賊や、自分の体験を出版する筆まめ?さんなど、新天地アメリカ沿岸の、既存権力の薄い海域のせいか自由な雰囲気の海賊がたくさん。
    海賊といっても、地域や周辺の国家、外交関係によっていろいろ変わっていくものなんだな~。

  • 新書文庫

  • 下巻参照

  • 地域ごとに分けて、その地域における海賊の歴史を追っていく編年記風構成だけど、無味乾燥な事実の羅列ではなくって、資料に残る海賊をひとりひとり取り上げた列伝として読むことも。
    あんなことも、こんな人もと盛りだくさん過ぎて、続けて読むと情報過多で頭がパンパンになってしまうけど、拾い読みだけでもけっこう楽しめます。
    上巻ではバルバリア海賊の歴史の、中でもハイルッディン(本によってはハイレディンと称されることも)に一章を割いたのは当然として、バルバリア海賊にキリスト教徒の船(帆船)の造船技術と操法を伝えたのがオランダ出身の海賊だったとか、アルジェ総督に任じられた海賊の首領はイスラム教に改宗したヨーロッパ人がほとんどだったとか、なるほど~なトリビアがいっぱいでした。
    個人的には、やっぱり女海賊の話が好き。有名なアン・ボニー、メアリー・リードの話はもちろんですが、私が一番気に入ったのはナントの騎士オリヴィエ・ド・クリッソンの未亡人ジャンヌ・ド・ベルヴィユ。夫が反逆罪で殺されたのを恨んで、居城の調度品も装身具も売り払って三隻の船を買い入れて武装し、フランス沿岸を荒らしまくったんですって!
    歴史とはいえドラマチックな人々が多く登場する海賊列伝、とても面白かったです。

  • 日本語がプアで読んでてついらいので1章だけ読んでやめた。

    でも当時の海賊の実情を知るには十分。
    横文字の名前しか登場しないので日本時にはおぼえづらい・・・。

  • 古今東西、海賊たちの悪行三昧エピソードが盛り沢山で、読んでみたところで何の役にも立ちません。だからこそ素晴らしい。海賊マニアである著者のノリノリの筆運びに乗せられて、一気に読めます。下巻には日本の海賊や鄭成功も登場します。

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