深重の橋(下) (中公文庫 さ 28-41)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (541ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122057579

作品紹介・あらすじ

その才を見込まれ武具屋に引き取られた牛。激化する守護大名家の勢力争い、度重なる凶作と飢饉、頻発する土一揆。そして日本の文化を誕生させたといっても過言ではない足利義政の為政-。やがて牛は応仁・文明の大乱の渦中へ身を投じるが、そこには悲劇の邂逅が待ち受けていた…。

感想・レビュー・書評

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  • 主に室町8代将軍時代の京都が舞台。
    飢饉が続き餓死者が町の至る所に転がっている状況で、人買いに売り渡され湯屋でただ働きさせられることになった15歳の少年の一生を描く。実在の人物がモデル。
    6代将軍が殺害され7代も夭折、そして8代の世の中になり応仁の乱へと続いていく。そのような激動の世を主人公は多くの人に支えられながら力強く生きていく。

    室町時代はひどい時代だ。ほとんどの人が餓死するか殺されるか。主人公は本当に強運を持っている。でも強運だけではダメで、それをどのように活かすか、そしてなにより生きることに希望を持ち生かされている自分に何ができるかを探すことが大事かと。
    物語の途中で、世相とか出来事の説明が入るのだが、それが若干の邪魔。あったほうがより背景の理解が進むのだろうが、読み飛ばしても差し支えないので、ない方が良い。

  • 日本史明るくないので、細かい部分で相関関係がわからなくなったりしたが、足利幕府の時代の雰囲気とか風俗は、普段江戸時代の小説ばかり読んでる身としては新鮮で面白かった

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著者プロフィール

1946年愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現・愛知県立大学)文学部卒。75年「石女」で第24回小説現代新人賞、82年『陸奥甲冑記』『寂野』で第3回吉川英治文学新人賞を受賞。古代から近世を舞台に、資料を駆使した独自の視点による歴史小説を執筆。

「2017年 『似非遍路 高瀬川女船歌九』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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