箱館売ります(上) - 土方歳三 蝦夷血風録 (中公文庫 と 26-20)
- 中央公論新社 (2013年4月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122057791
作品紹介・あらすじ
土方歳三らの旧幕府軍は、新政府軍から箱館を奪還した。その混乱に乗じて、広大な土地を手に入れようと目論むプロシア人兄弟は、蝦夷政府の幹部たちに近づく。財政難にあえぐ旧幕府軍は、租借料を目当てに契約の締結を進めるのだが、プロシア人兄弟の背後には、領土を広げようと企むロシアの策謀が見え隠れしていた-。
感想・レビュー・書評
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箱館戦争中の徳川脱走軍とガルトネル兄弟との土地九十九年間租借契約をもとにした、活劇エンターテイメント。
安定の、出来る男・土方歳三…!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
土方歳三さんの話が読みたくて購入。上巻はあまり活躍しないけど下巻はアクションたっぷりで満足です。五稜郭の面々が皆個性的で良い。
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他の本では北海道入ってからの土方歳三はあっけないので、フィクションでも楽しめた。土方が榎本武揚や大鳥圭介といったエリートと一緒に動いているのが新鮮。
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明治維新時に榎本武揚率いる旧幕府軍が函館を統治したときの物語。どこまで史実かを知らないが、ロシアが北海道の植民地化しようと画策している。しかし、蝦夷共和国はその企みをまだ知らず、土地300万坪を99年間貸す契約を結ぼうとしている。下巻でその契約を潰せるか、どんな手を使っていくのか楽しみである。
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私は、土方歳三が魅力的であれば問題ないです!的な軟派読者なんだけど、さて。
土方歳三と中島三郎助の会話が好きだ。
特にp.317~324は、美しい。
私は「散り方」について考える。
信念とか意地は、究極の自意識かもしれない。
生命の真理とは相反する、人間だから発生する、ただ一人自分だけの、個人の目的。
「生き長らえること、次に繋ぐこと、確実に殖えること。」そういうことと全く関係ない、個人の目的。
それは多分、瞬間的な平和を呼ばない。
でも捨てられない最後の1つって何だ?
無知だからではない。無鉄砲だからでもない。知識と経験を積み上げて、それでも譲れない個人の意地を、貫く強さって何だ?
私にそこまでできるか?
そう思うとやっぱり、私にとって土方歳三はいつまでもロマンなのかもしれないね。
文章自体は、大河ドラマの登場人物のセリフとナレーションと音声解説(?)と歴史的解説場面がごっちゃになって並んでいる感じで、全く好みじゃない。
頭の中でテレビ的に場面構築できれば良いのかもしれないけど、テレビ嫌いだからちょっとイラ。
登場人物のキャラクターが「作者がこういうキャラにしたいんだろうなぁ」って想像つくところも好みとはちがうけど。
ロシア「第三部」のユーリイとか、とても単純におそロシアで笑える感じはある。
続きが気になるところで上巻終わり。 -
土方歳三 蝦夷血風録と銘打ったシリーズだけあって、やはり土方歳三がかっこいいです。
いや、もっと言うと土方歳三のみがかっこいいですね。
この小説では、彼の前では、榎本武揚はじめ、他の蝦夷政府の要人もバカにしか見えないです。
陸軍奉行の大鳥圭介など最たるものです。
そこが☆一つ減じた理由ですかね。
下巻で土方歳三にスッキリさせてほしいです。 -
旧幕府軍と新政府軍の戦が間近に迫りつつある函館。
その混乱に乗じて蝦夷の広大な土地を手に入れようとするプロシア人兄弟と背後にいるロシア・・・
北の大地を舞台に様々な思惑が交差する。
土方の出番は少なめ。 -
帯の「これを読んだら土方に惚れる」に惹かれて買ったが、まだかっこいい土方さんは登場していない。
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蝦夷に落ちて新政府を樹立した幕府軍に対して、土地を剥奪したいプロシア/ロシアとの駆け引きを描くも土方歳三の出番少なく、後編に期待。