ミリオンセラーガール (中公文庫 さ 69-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122061248

感想・レビュー・書評

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  • +++
    彼氏にはフラれ、アパレルショップはクビになった沙智。心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ転職するが、配属されたのは、書店営業を行う販売促進部だった。しかも、初版1万部にも満たない無名作家の小説を『ミリオンセラーにせよ』との特命まで課せられた!営業、編集、取次、そして書店員をも巻き込んで、沙智は次第に火をつけていくが…。
    +++

    何もかもうまくいかずに落ち込んでいる正岡沙智が、心機一転出版社に転職し、憧れの編集部ではなく、不本意な販売促進部に配属されてやる気をなくすが、そこから這い上がって周りの人たちにも助けられて成長するというお仕事サクセス物語である。沙智の職場は出版社だが、書店の事情や、配本の仕組みなど、本が流通する仕組みの解説書のような趣もあり、その大変さはよくわかるものの、その辺りにやや説明じみた印象を受けなくもない。登場人物は、出版社の社長をはじめとして個性派ぞろいで、この人たちと円満に付き合っていくのはさぞ苦労するだろうと思わされるが、ひとたび目的意識が一致したときのパワーはものすごいものがある。物語の展開は定番的で、完全に予想の範囲内ではあるが、それがまたいいところかもしれない。沙智の奮闘記、ライバル出版社の有森さんとの絡みなど、続きが読みたい一冊である。

  • 出だしと、書店営業への理解が深まる点は面白かったけれど、ちょっと設定を生かしきれていないように思えた。
    主人公が成長する過程も少し飛躍気味だし、他のキャラクターとの絡みが薄いというかおおざっぱな印象。もう少しざっくりした人間関係でなくてそれぞれの内面に触れるシーンがあってもよかったような。

  • 2014/7/18宝塚book 1stで購入。
    なんだか、「書店ガール」に似ているような気がします。書籍の流通が分かって興味深い。

  • 出版社の営業側から描いた出版業界モノ。
    業界の常識を順序立て解説するために、新人営業を使うのはいいが、あまりにも現実味がない。そういう常識はある程度研修してから外に出さないだろうか。
    ま、それでも安易なサクセスストーリーだけでないのは好感が持てる。業界の現実がある程度描かれているのではないか。

  • 最近行った本屋さんで、一番わくわくしたのは、新都心の紀伊國屋だったな。

    というようなことを考えながら読みましたですよ。

    そういう意味ではショッピングモールの本屋さんは、度にいは放っといてもお客さんが来てくれるからか、うちの近所はイマイチなお店が多く。
    あ、でも某イオンモールのお店は頑張ってるから好きよ。

    本のことをほとんど何も知らない主人公が、ショップ店長をリストラされて、なぜか出版社に受かり、販売促進部でがんばって、とある作家の本を売る──

    わくわくしながら読みました。
    面白かった!

    しかし、最初の面接シーン、あれよくないよね。
    主人公のあの受け答え、あれ絶対やったらアカンやつやん(志望動機を訊かれて、「前の会社をリストラされて」とマイナス要因を語るとこ。そこは「本当に好きな本の仕事がしたくて」って言わなきゃダメなとこでしょ。嘘でも)。社会人経験があるならなおさら。

  • 百万部の仕掛け人、ここにあり! ファッション誌の編集者に憧れて出版社に転職した沙智の配属先は、販売促進部――通称“ハンソク”。営業女子の奮闘が始まる!

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著者プロフィール

1969年、東京都生まれ。早稲田大学を卒業後、編集プロダクションに所属し、ライターとして映画、テレビドラマのノベライズを数多く執筆。2004年『獣のごとくひそやかに』で小説家デビュー。『彼女の知らない彼女』(新潮社)で第20回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。

「2017年 『小説L DK 柊聖’S ROOM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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