- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122061248
感想・レビュー・書評
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普通に書店と出版社、そして取り次ぎの関係を細かく描かれていて、頭がこんがらがりはしましたがまさかの瓜生さんの行動に最後驚きました。いやはや、そういうことだったのね・・・と(笑)。途中から何かおかしいような気はしていたのですが、尽くすタイプだったのですね。
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微妙に感じるところも少なくなかったけど、読みやすいしテーマが興味深いしで楽しく読み進められました。
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出版業界とか書店員とかの本は他にも何冊か読んだけど、似たようだと思いつつも、個性的な登場人物(主人公以外)に惹かれながら読んだ感じ。
主人公に共感する部分は殆どなかったものの、本屋さんの話はやっぱり面白い。
多少強引かもしれないけど、展開が早いので楽しく読めた。 -
失恋と失業。二十歳の女性・沙智は、不幸のどん底に。そこでアパレルで働いた知識を活かし、ファッション誌の編集者になろうと一念発起し、出版社に就職することに。
配属されたのは販売促進部。本に興味のない沙智は、上司や他部署のスタッフ、また書店員達からあまりの無知に呆れられるが、書店での研修や、無名の作家の作品を売るための販促プロジェクト等を通して、徐々に仕事に熱を感じるように。
本、書店、編集、流通、出版界を巡る様々な知識が網羅されている。著者の取材能力の高さを感じた。
(印税に関しても知識がついた。印税は大体10%らしい。1000円だとしたら100円。そして芥川賞にノミネートされたとしても、初版は5千部とか、そんなに多くないらしい。作者の今までの経歴や作品の系統にとって部数は決まるのだとか。事前重版って言葉も初めて知った。)
しかし沙智が1年目にしては、中盤に先輩に知識を披露し、「間違っている」と生意気な口を利いたりするとこには少しイラっとした。また途中、合コンで知り合った男性と性交してしまうシーンとかも余計な気がしたが。
終盤でしでかす彼女の大きなミスには、こっちも思わず手に汗握った。皆、一体となって解決に臨むのだが、そこも気持ちが良かった。多くの本が読まれることなく死んでいく倉庫の様子も、頭の中で想像が出来た。同じ本好きとしても悲しい絵だよな…。
やっぱり本って良いな。うん。どんなに技術が進歩して電子化が進んでも、私はこの紙をめくる感覚がたまらなく好きだ。
彼氏にはフラれ、アパレルショップはクビになった沙智。心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ転職するが、配属されたのは、書店営業を行う販売促進部だった。しかも、初版1万部にも満たない無名作家の小説を『ミリオンセラーにせよ』との特命まで課せられた!営業、編集、取次、そして書店員をも巻き込んで、沙智は次第に火をつけていくが…。
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何もかもうまくいかずに落ち込んでいる正岡沙智が、心機一転出版社に転職し、憧れの編集部ではなく、不本意な販売促進部に配属されてやる気をなくすが、そこから這い上がって周りの人たちにも助けられて成長するというお仕事サクセス物語である。沙智の職場は出版社だが、書店の事情や、配本の仕組みなど、本が流通する仕組みの解説書のような趣もあり、その大変さはよくわかるものの、その辺りにやや説明じみた印象を受けなくもない。登場人物は、出版社の社長をはじ -
アパレル業界からファッション雑誌の編集に転職を希望するも、業界の知識ゼロなのに販売促進部に配属された女の子の話
業界の知識がゼロなので、同じく何も知らない読者層にもわかりやすい
書店や編集視点の作品はあるけど、販売促進や流通システムの視点で描く作品は珍しいかな
書店研修の部分では書店あるあるも紹介されてるし、出版業界全体を網羅している
(「暴れん坊本屋さんでもあったネタだなぁ」とか思ってたら、参考資料で暴本が載ってて「あ~、やっぱり」と思った)
ちなみに、似たような名前の出版社が多いというところで、うちの会社の名前があって、ちょっと笑える
うちも一応出版社なんだよなぁ(笑)
あと、作中の書店名・作品名は実名ではなく改変してるのに、出版社は実名なのね
あ、でも江國香織とかフェアで紹介されてた本と作家さんは実名
実名の基準は何だ?
ちなみにストーリーに全く関係ないけど、マンガでは恐らく「第七女子会彷徨」がプッシュされてるけど、「それでも町は廻っている」の下位互換と個人的には思う
書店のと店長さんの結末がリアルで好感が持てる
現実、そんなに甘くはないっすよね
さて、物語の根幹のミリオンセラーを仕掛ける部分だけど、単行本は僕の読書傾向にまったくかぶらないからなぁ
単行本で質の高い作品をだして文庫化という理屈もわからないでもないけど
文庫の方が安いし、解説もついていてお得だし、コンパクトで持ち運びやすくて読みやすいので
「待っていれば2年くらいで文庫化するし~」と思って、好きな作家さんでも文庫まで待っちゃうんだよね
どうせ世の中には読みたい本が捨てるほど出版されてるわけだしね
以前、京極夏彦が単行本、文庫本、電子書籍を同時に出版するという事をやって、「それでも単行本を買う人はいる」って事を証明してたけど、その後はどうなったのかね?
賞の対象になるのは大抵単行本だし、単行本を読む人達って、「とっても少数な本好き」+「売れてるものを読む」という馬鹿なので、どうしても世間の感覚とはずれちゃうよね
出版方法や流通から販売まで広く描いている作品なだけに、今後の出版業界がとても心配になってしまった
どうにかしなきゃいけないんだろうけど、これといった打開策はないよなぁ
と、ちょっと暗くはなってしまったけど、良い作品でした -
アパレルショップをリストラされた沙智は心機一転、ファッション誌の編集者を目指して出版社へ入社するが、配属されたのは販売促進部…どこそれ?なにする部署?…とお話が進んでいく。個性豊かな周りの人物に囲まれ、無名作家の小説をミリオンセラーにせよ、と命令され必死に奮闘する沙智。
本当に登場人物が個性豊かに描かれていて、文章も少しコメディが混じっていて思わずクスッと笑えます。以下、気に入った文章。
沙智も理子も酒が好きだ。専門学校時代も、同級生たちから、その飲みっぷりを「おやじみたい」とよくからかわれた。不本意だ。そんじょそこらのおやじには負ける気がしない。
どうしてだろう。ぴかぴかの新車としてこの部屋に入ってきて、スクラップになって送り返されるような気分がするのは。
有森は沙智を見つめる。自分の言葉を浸透させるかのように。 -
こんな上司が欲しかった!
書店員さんに勧められて読んだ本。
起承転結がはっきりしてて、先の展開もなんとなくわかっちゃうんだけど、でも、読まずにはいられなくって、通勤電車で一気読みだった。
エンタメ小説みたいなものはあんまり好みじゃないのに、思わず目頭が熱くなって困った。 -
話の展開がベタすぎるっっ!
このベタな展開は、嫌いじゃない!
けど、なんか中途半端感がありました。
主人公がトラウマ克服するのが簡単すぎるし、そんな簡単に克服するんならもっと早くしろよ、とかとか。 -
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