夫の墓には入りません (中公文庫 か 86-2)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 2183
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122066878

作品紹介・あらすじ

ある晩、夫が急死。これで嫁を卒業できると思いきや、舅姑や謎の女が思惑を抱えて次々押し寄せる。〝愛人〟への送金、墓問題、介護の重圧……がんじがらめな夏葉子の日々を変えたのは、意外な人物と姻族関係終了届!? 婚姻の枷に苦しむすべての人に贈る、人生逆転小説。『嫁をやめる日』を改題。〈解説・角田龍平〉

感想・レビュー・書評

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  • しかし垣谷美雨先生の本の序盤から中盤までは基本胸糞悪いなw いや、描写が上手だし話を作るためにもちろん必要なんだけどさ。大体夫がクソ。まともな夫っていないのかねw これもよくあるパターンだけど本人もちょっとどうなんっていう。奥さんのほうね。気が弱いんだか、目が節穴なんだか、遠慮しすぎなんだか。色々むかつく。本人も十二分に悪い。

    実際読んでみたら夫はクソではあるにせよ、思っていたようなクソではなかったようで。しかしなんか今回のはそこまでスッキリしなかったです。結局理不尽に理由を付けたみたいな。もうちょっと改心があってもよかった感が残ります。

  • 子供のいない40代夫婦、夫がある日突然急逝してしまう。

    ーーーお線香を上げさせてください。
    その優しそうな一言が、まるで他人の家に自由に出入りできるチケットてあるかのようだった。
    葬儀が終わって一週間ほど経った頃から、様々な人が家に出入りするようになった。

    まるで嫁はその家の従属物であるかのような接し方をしてくる舅姑。
    このままでは義両親を始め、引きこもりの義姉の面倒まで見させられるのでは…と思い悩んだ主人公が選んだのは、姻族関係終了届。

    そして新たに生まれた人と人との関係。
    配偶者の姻族で悩んでる人はすごく参考になるかも。

  • 面白く、一気に読み終えた。
    妻として、嫁として、女として。いつまでやるのか、どこまでやるのか。
    男の自分が何を考え言ったところで、所詮他人事でしょ?と思われそうだけど、妻に寄り添える人間になりたいと思った。
    父親がとてつもなく頼り甲斐のある男だった。カッコいい。理想だ。
    ただ、工藤。俺は最初からお前の事信用してなかったからな。

  • 夫を脳溢血でなくした妻が主役の物語。下町で育ち、品のない親に育てられた夏葉子。名家に嫁ぐも、夫ともそんなに仲がよいわけでもなく、そんな折、40代で旦那を亡くしてしまう。義理の父や母は、自分の親と比べると立派で尊敬していたが、夫の死後も嫁として、将来自分達やひきこもりの義理の姉の面倒を見るように期待される。
    夫の浮気相手が出現したり、新たな恋人ができるが、ろくでなしだったりと様々なことが続く。 
    そんなこともあり、嫌になるが、自分の家は気に入っているから、ここは離れたくはない。そんな時に助けてくれたのは、実家の父だった。また、姻戚関係終了届なるものが、役所で提出すれば姻戚関係をリセットできることを知る。
    この作者は、身近で起こりそうな事をリアルに書き、最後には一番いい選択肢を選ぶ主人公が多いと思います。とても面白く、小気味よいです。

  • なんとなく、そうだよね、そんな単純じゃないよねというところ

  • 読んでて痛々しさを感じた。自分には舅姑はいないから、本当の意味では分かっていないのだろうけど。

    「夫の急死=自分の自由」ではなかった。死後自分の知らなかった夫の姿があらわになり、本当の意味で自由になるために奔走する夏葉子。姻族関係終了届を出してもご縁があった人だから。
    嫌いにならないうちに距離を置くという考え方は嫌いではない。何より、敬遠していた実家の父が活躍していたのはよかった。

  • 単に夫が嫌いなのかと思ったら、残された嫁や周りの人達にはいろいろあるって気付かさせる。垣谷美雨さんは、読みやすくて知らない現実を教えてくれるので、お気に入りです。

  • 昭和?の常識を覆し続けてくれる垣谷美雨さん。さすがです。
    旧家に嫁いでしまった方、ご近所の方という監視カメラに縛られている方、是非読んでください。

  • これを読めば次から次へと、柿谷美雨さんの作品が読みたくなる作品です。

  • 読みやすい。どの本も家族のいやな部分を再現しててイライラします笑
    お父さんが頼りになるのが主人公にとってとても良かった。
    私も経験があるが、どんな良い関係で亡くなると本当に揉める。
    主人公のお義母さんは本当に良い人だったからこそこれからもご縁が続けていける流れになれたのだと思う。
    義姉も一歩進もうとしてるのが良かった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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