死香探偵-連なる死たちは狂おしく香る (中公文庫 き 40-10)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122066939

作品紹介・あらすじ

人気作家のサイン本に1冊だけ付いた甘いチョコレートの死香。慰安旅行先の旅館で遭遇したセロリの香りと消えた死体。死香を「食べ物」の匂いに変換する潤平と、分析学のエキスパート・風間は不審な事件を次々と〈嗅ぎ解く〉が、バナナの甘い香り漂う殺人現場で風間に異変が。容疑者の謎の美女に過剰反応し、潤平を初めて現場から遠ざけて? 文庫書き下ろし

感想・レビュー・書評

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  • 死臭を食べ物の香りとして感じ取る、それも極めて鋭敏な臭覚を持つ潤平。その代わりにその食べ物が悪臭と感じるようになってしまう。今回も、どんどん食べられるものが無くなっていく。かわいそうとしか言いようがない。しかし、人が亡くなることを悲しみ、それ以上の死者を増やすまいと思い悩み、奮闘する。死臭を死香と呼び、その研究に邁進する風間も潤平に影響されていく。そして、潤平の心と体を気遣うのだ。二人の心の交流がこのシリーズの要だろうが、BL風にはなってもらいたくないものだ。
    最後の第4話で強敵が現れ、これからの脅威になっていきそうである。次回も期待しよう。
    1話ごとの頭にある風間のカットが最高だね。

  • 死香探偵二冊目。少しずつ謎の准教授 風間由人の姿が明らかになる。ワンパターンのような気もするが、3冊目を読まないと何とも中途半端なので、次を読んで見ようかと思う。

  • 死香探偵、第二弾、4編。
    死香(死者が放つ香り)を『食べ物』の匂いに変換する潤平と、香りの分析学のエキスパート・風間准教授。2人が嗅ぎ解く新たな謎は?

    人気作家のサイン本に付いた甘いチョコレートの死香、そして、慰安旅行先の旅館で出会ったセロリの香り、などなど。

    今回は、第3話で、謎の美女が登場。何故か風間准教授は、この事件から手を引くという、なぜ?
    この美女は、まさかの...

    そして、第4話では、潤平と同じ能力を持つ人物が登場。しかし、彼は、食材ではなく、花の香りを感じるという。その香りを嗅ぐために、なんと...

    ますます面白くなりますね。

  • 喜多さんの作品大好きです。
    前作だけで終わりかと思っていたので、続きがあることが嬉しいです。登場人物も増えてますます楽しみです。

  • シリーズ第2弾。

    特殊清掃の仕事のせいで、死臭を食べ物の香りに、
    逆に、その食べ物を悪臭と感じてしまう厄介な体質に
    なった潤平と、実は大企業の御曹司で、分析フェチの
    イケメン准教授:風間由人が死香を頼りに殺人事件の
    捜査に協力していくというお話。

    ・歪んだ愛が招く死は、ほろ苦い香り
    ・湯煙に霞む死は、青葉の香り
    ・鮮やかな香り、自由の彼方の死より来たる
    ・安らかな死は蠱惑的な香り

    以上、4編を収録。
    やはり読みやすい。テンポがいい上に、死香に関わる
    状況が色々あって興味深い。
    ニオイという目に見えないもので犯人を特定していく
    過程が楽しくてしょうがない

  • シリーズ第二弾
    二人の信頼関係が深くなっていいコンビになっていくのが嬉しくなる。
    キャラクターも推理する思考もドラマ向きではないかなー。潤平くんは西畑大吾くんにしか思えなくなってる!
    短編構成で持ち歩きする一冊におすすめです。

  • 一話完結なので相変わらず読みやすい。
    BLっぽさも相変わらずで個人的にはもっとやってほしい!!笑
    新しい月森というキャラが出てきたことによって、「死香」というものが苦痛だけを生むものでなく反対の快楽にさえなりうるという可能性が示されたのが面白い。
    潤平と風間の関係も徐々に心の距離が近づいたような…。
    潤平から風間へは信頼と人間性に惹かれてるけど、風間の潤平へは研究材料から人間としての興味になっていってる雰囲気がうっすら出始めてるような気がする。

  • 死香探偵第二弾。

    前作同様、風間と潤平のコンビが死香を頼りに殺人事件を解決していく話が集まった短編集です。

    死香を花の香りに感じる敵が登場し、今後の展開を期待させる終わり方でありましたが、少しBL要素が強くなってきているのが残念でした。

  • 二巻目から読んでしまったけど連作短編なので何とかなりました。
    死香という珍しい感覚を扱っていて面白かったです。
    謎解きという感じではないのですが、キャラもたっていてなんだか期待を持たせる二人の関係もあって楽しい。食べ物を徐々に食べれなくなってしまうという副作用が大きすぎるので、早めに何とかしてあげて欲しい。

  • 前作読了済み。
    相変わらず文章も内容も読みやすいです。
    設定も他にあまりない感じで目新しい。

    事件が起きる→死香の能力で犯人がわかる→根拠を探す
    というのが基本の流れなので、ファンタジー要素の強いミステリー。

    (以下、セリフネタバレもあります)
    ただ、基本路線とはまったく関係なく、このシリーズはBL耐性がないとキツイかもしれない…。
    前作はまだBLっぽいところ狙ってるなあという感じだったけれど、今回はそういう表現がさらに増えてる印象。

    壁ドンだの一緒に入浴だのそっちを狙ったの?と勘繰りたくなるシーンが一話に一回は入るのはさておき(普通に女に間違われる25歳の男性主人公という設定もさておき)、主人公が周りに対してそういう関係を否定するわりに、新キャラたちにやきもち妬いたり、風間の机を撫でてみたり、秘湯(?)っぽい温泉につれてきた風間に「またここに来たいですね…ふたりで」ってわざわざふたりを強調したり、そのあたりで主人公が苦手になってきました(BL自体は平気なほうです。否定してるくせに、というのが嫌なポイントなのかも)

    新キャラもふたりでてきて、まだまだシリーズは続いていきそうだけど…うーん。メインで出てくるキャラがわりと美形(主人公含めて)で、性格?能力?含め、次から次へと完璧なのも個人的にはちょっとなーと。次を読むかは正直ちょっと迷うかな…。

    そういうのどんとこい!むしろ好き!という人には文章読みやすいし、おすすめできるような気がします。

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著者プロフィール

喜多喜久

一九七九年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。大手製薬会社の元研究員。第九回『このミステリーがすごい!』大賞にて優秀賞を受賞、二〇一一年受賞作を加筆した『ラブ・ケミストリー』でデビュー。主な著書に『青矢先輩と私の探偵部活動』(集英社)、『桐島教授の研究報告書 テロメアと吸血鬼の謎』、「化学探偵Mr.キュリー」シリーズ、「死香探偵」シリーズ(中央公論新社)がある。

「2022年 『死香探偵 真心は捧げられた死と香る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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