カーネギー自伝-新版 (中公文庫 カ 5-2)

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122071056

作品紹介・あらすじ

貧しいスコットランド移民の子から全米の鉄鋼王となり、後半生はその莫大な資産で公共事業や世界平和の実現に尽くしたカーネギー。その圧倒的な楽観主義に裏付けられた成功哲学と社会福祉への思いが綴られた感動の自伝。カーネギーを敬慕した渋沢栄一による本邦初訳版の序文などを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島茂

感想・レビュー・書評

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  • •前半は貧しい幼少期から鉄道会社に勤め、鉄の製造会社を立ち上げて成功する話、後半は莫大な富をどう配分していくか、会社での抗争をどう解決するかの話
    •少し読みにくい部分もあるが、鉄鋼王と呼ばれるカーネギーが幼少期から新たな知識や新しいやり方を貪欲に吸収する姿勢を持つことや家族やお世話になった人を大事にする人格者であったことがうかがい知れた
    •成功者にとっての富は自分だけではなく社会から得たもの、なので社会に再配分するという考え方に共感できた

  • 1800年代後半に鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーの自伝で、亡くなる5年前の第一次世界大戦の開始に失望して書かなくなるまでの内容が網羅されています。
    スコットランドの貧しい織物職人からアメリカに移民し、その後のしあがった典型的なアメリカン・ヒーローなのですが、カーネギーが賞賛されるのは、実業界から退き、「富は神より委託されたもの」との信念に基づいて、教育施設や平和機関の設立など福祉事業にもてる資産を投じ、慈善事業家として第二の人生を送ったことがあげられます。
    現代の富豪であるビル・ゲイツやバフェットが慈善活動に積極的に取り組む源流といっていいでしょうし、労働者への還元もあの時代にしては相当配慮している経営者でESGあたりの考えにも通じるところはあるでしょう。

  • 自伝ながら富の再分配が大きなテーマになっている。大金持ちとなった著者は、様々な形を通してそれを社会に還元しており、実際鉄鋼王としてより、その名を冠された財団の方が、今は人口に膾炙しているかもしれない。得た財を世に投じ、世を豊かにする行為は、国家の一機能をその名において肩代わりしており、活きた投資に他ならない。億万長者の”責任”は、格差が広がっているとされる昨今、改めて問われて良いかもしれない。本著では能力を誇示せず、人と仕事に対し真摯に向き合ってきた描写が多く見られる。19世紀の話なのに古さをまったく感じさせないのは、そこに真理がある証拠。今と変わらぬ資本主義の世界が、日本の幕末の頃すでに展開されていた様には、欧米勢が先頭を切って走る世界情勢が如実だし、リンカーンなど著者が実際に接した歴史的人物たちの生の姿も興味深い。第一次大戦の勃発に際し、急に自伝が打ち切られたラストには、得も言われぬリアルさがあった。

  • 重工業が発展する20世紀初めの鉄鋼王カーネギーの自伝。巻末の渋沢栄一の顔の広さにも驚きです。

  • 移民の子から鉄鋼王へ、その成功哲学の原点をたどる感動の自伝。カーネギーを敬した渋沢栄一による本邦初訳版序文ほかを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島茂

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著者プロフィール

一八三五年、スコットランドの貧しい織物職人の子として生まれる。一八四八年、一家とともに渡米。木綿工場の糸巻き手、電信技手、ペンシルヴァニア鉄道監督などを経て、製鉄業に進出、鉄鋼王にまでのしあがった典型的なアメリカン・ヒーロー。しかしすぐ実業界から退き、「富は神より委託されたもの」との信念に基づいて、教育施設や平和機関の設立など福祉事業にもてる資産を投じ、慈善事業家として第二の人生を送った。一九一九年没。

「2021年 『カーネギー自伝 新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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