- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122071056
作品紹介・あらすじ
貧しいスコットランド移民の子から全米の鉄鋼王となり、後半生はその莫大な資産で公共事業や世界平和の実現に尽くしたカーネギー。その圧倒的な楽観主義に裏付けられた成功哲学と社会福祉への思いが綴られた感動の自伝。カーネギーを敬慕した渋沢栄一による本邦初訳版の序文などを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島茂
感想・レビュー・書評
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•前半は貧しい幼少期から鉄道会社に勤め、鉄の製造会社を立ち上げて成功する話、後半は莫大な富をどう配分していくか、会社での抗争をどう解決するかの話
•少し読みにくい部分もあるが、鉄鋼王と呼ばれるカーネギーが幼少期から新たな知識や新しいやり方を貪欲に吸収する姿勢を持つことや家族やお世話になった人を大事にする人格者であったことがうかがい知れた
•成功者にとっての富は自分だけではなく社会から得たもの、なので社会に再配分するという考え方に共感できた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自伝ながら富の再分配が大きなテーマになっている。大金持ちとなった著者は、様々な形を通してそれを社会に還元しており、実際鉄鋼王としてより、その名を冠された財団の方が、今は人口に膾炙しているかもしれない。得た財を世に投じ、世を豊かにする行為は、国家の一機能をその名において肩代わりしており、活きた投資に他ならない。億万長者の”責任”は、格差が広がっているとされる昨今、改めて問われて良いかもしれない。本著では能力を誇示せず、人と仕事に対し真摯に向き合ってきた描写が多く見られる。19世紀の話なのに古さをまったく感じさせないのは、そこに真理がある証拠。今と変わらぬ資本主義の世界が、日本の幕末の頃すでに展開されていた様には、欧米勢が先頭を切って走る世界情勢が如実だし、リンカーンなど著者が実際に接した歴史的人物たちの生の姿も興味深い。第一次大戦の勃発に際し、急に自伝が打ち切られたラストには、得も言われぬリアルさがあった。
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重工業が発展する20世紀初めの鉄鋼王カーネギーの自伝。巻末の渋沢栄一の顔の広さにも驚きです。
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移民の子から鉄鋼王へ、その成功哲学の原点をたどる感動の自伝。カーネギーを敬した渋沢栄一による本邦初訳版序文ほかを新たに収録。〈解説〉亀井俊介/鹿島茂