- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122074132
作品紹介・あらすじ
十年前、高校を卒業した元クラスメイトたちに、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同窓会開催の案内が届いた。SNSで高校生活の思い出に花を咲かす彼ら。だが、いじめが原因で転校した生徒の名前が書き込まれ……。近づく同窓会。はたして、タイムカプセルの中には何が!? モモコグミカンパニーとの対談を収録。〈解説〉一穂ミチ
感想・レビュー・書評
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学校という狭い世界での暗黙のカースト制度が生々しく描かれていて、クラスで浮いていた者としては見事に心抉られるものがあった。
そしてカーストエラーと評されていた三井ちゃんみたい子、実際にいたなあと細い目しちゃった。個人的にカースト上位にいる子よりも彼女みたいに分け隔てなく接せれる人間に憧れを抱いていたのも思い出したのと同時に、いい歳こいた大人になった今でも憧れてる部分は大いにあるなって。それに対して今の私は彼女みたいになれてるかといったら全くもってそうじゃなくて。そんでもってやはり10代の時に感じるヒエラルキーならぬカースト制度って辛い思いをしていた人間の心にはどす黒くその後に残っちゃうものなんだなって。再度痛感させられました。そんな私は岸本ちゃんに脱帽。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
スクールカーストと言われる、学生間の権威主義によるいじめを描いた作品。若さゆえの無知によるルッキズムやエイジズムがしつこかった。読み出しから藤宮先生がいじめられていた張本人であることはすぐに推察されるけど、主要な生徒の数だけ視点を変えて語られることでミステリーっぽい構成になっている。なってはいるが別段ラストがスカッとするわけでもなく、長いわりにはスクールカーストを盲信する若者達の語りばっかりであんまり面白くなかった。卒業して10年経っても反省してない人たちが一堂に会するだけで突然過去の過ちを認めようとしておりその都合のよさに違和感。加害度合いの強い者ほど逃げる傾向にあるけどいじめられた本人は一生忘れない傷を負うんだよっていう当たり前のメッセージは読み取れるが、それ以上でも以下でもなく…という感じ。
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読み出しから岸本と藤宮が同一人物だということはわかっていた。最後に毎日自分の準備室に来ていた生徒が友達ができて、離れていく、安堵と寂しさ、いや裏切りにも似た寂しさが滲み出ていて、この誰もが抱くであろう気持ちが凄く分かる気持ちがした。
いろんな出演者による作風は楽しかった。コロナ、SNS現代の言葉から戦争中の都市伝説まで楽しかった。(楽しいと言うのはおかしいが。)
岸本の相手、藤宮さんがどのような人なのか。非常に興味がある。 -
肩透かしの復讐劇。
短い一つの言葉が、人の思念を支配したりされたりする。 -
スクールカーストという言葉を自分の学生時代には考えたことがなかった。(大昔だからかな)
自分の子どもたちが学校に通っていることで、少し重ねて読んでしまいました。
カースト上位のグループ、その次、おたく、同人誌、その他諸々…コロナなんかもなるほど。
恐らく、今はこんな教室あるんだろうなと感じることができました。
視点が変わって進んでいく感じですが、少しずつ接点があったりするのも面白かったのと、最後もドロドロせず、私の中では現実でもあり得る日常というか。
感想としてはおかしいかも知れないですが、もう一度学生生活を過ごしてみたいとも思いました。
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長々としてるけどラストがスカッとする感じ、割といいかも。
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登場人物に自分の高校時代のクラスメイトを重ねて考えた。当時もカーストが辛かったし、思い返せば自分もカーストに支配されてて、下に見ていたクラスメイトに酷い接し方をしていたと猛省した。
自分にとっては些細なことでも相手にとっては何年も記憶に残ることもあるから、軽率な考え行動は許されないし、謝りたい気持ちでいっぱいになった。
でもそれと同時に、今謝られても困るだろうなと思った。なので、これから先自分と関わる全ての人に誠実に向き合いたい。