- Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122074163
作品紹介・あらすじ
藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
感想・レビュー・書評
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大河ドラマの副読本として読み始める。上巻では紫式部の少女時代から二十代後半までの人生が描かれる。
「源氏物語」をそもそも読んでないし紫式部についてはなんの予備知識もなく、勝手に煌びやかで華やかな王朝での公家の一員としての生活をイメージしていたので、思ったより地味な生き方(実際は分からないが)に少々驚いた。
そもそも藤原一族の名前や関係性を頭に入れるのが大変な上、小市(紫式部)の様々なエピソードが散りばめられているので、作品としてはなんとなく散漫な印象も残る。
下巻では小市の人生もいよいよ大きく動いてきそうなので楽しみにしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
サブタイトルにあるとおり、紫式部の物語。上巻568ページ、下巻498ページという長編。
紫式部の名前は、この作品では小市。姉は大市、弟は薬師麿(元服後は惟規)。
7歳の小市が、5歳の弟とともに、乳母と17歳の叔母の周防に連れられて、墓参りに行くところから始まる。
そして、27歳になった小市が、越前守に任ぜられた父為時について越前へと旅立とうとしている、ここまでが上巻。
はじめのうちは、父為時の世代を中心に、おじやおばを通してさまざまな人間関係が描かれており、小市の生活環境や立場などがよくわかる。もちろん、天皇やその周囲、兼家をはじめとする中ノ関白家なども描かれつつ、小市の成長につれて小市の思いなども語られるようになっていく。
おもしろい。私は好き。古典でおなじみの作品や著者が登場し、目の前で息づいているのがうれしい。周防や大市の恋が切なく、清少納言がかっこいい。
登場人物が多く、そのほとんどが藤原姓なので、新しい名前が出てくるたびにメモするようにしている。読み進めるのに時間はかかるけど、じっくり楽しんでいる。
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紫式部に加えて、清少納言、和泉式部、藤原道綱母、時代を同じくする女流作家の繋がりが描いかれていて、ぐっと身近に感じられるようになった気がしています。
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藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市。人々の浮き沈みを見つめ、自らの生きる道を模索していく。紫式部の生の軌跡をたどる歴史大作。