熊を放つ 上(村上春樹翻訳ライブラリー i- 1)

著者 : ジョン・アーヴィング 村上春樹

• 中央公論新社 (2008年5月25日発売)

作品紹介・あらすじ

既成の文学観の埒外とも言うべき、アーヴィングのマッシブな小説世界はここから始まった-骨太、大胆、エキサイティングで予測不能。傲慢なまでの若々しさと、青春小説の特別な輝きに満ちたデビュー作。

感想・レビュー・書評

[和坂林太郎さんの感想 · 2023年11月10日]

舞台は1960年代後半のオーストリアのウィーンで、大学に通うハネス・グラウは、ウィーンの市庁舎（ラートハウス）公園である人物と出会う。
その人物はいつも、ベンチに座り、紙袋に入ったラディッシュに塩を入れて食べている。塩壜も
いくつも持っているし、彼の傍にはノートブック
が置いてて、何かを書いている。そう、ジギーとの出会いだった。二人のバイクの旅が始まる。

青春小説の始まり方だなと、最初感じたのですが、まぁびっくり、一章の最後に衝撃でした。
アメリカ文学というか、村上節がとても効いているのか、とにかく会話がオシャレですね。　
第二章はジギーのノートブックに刻まれた物語です。動物園に潜入した、ジギーの目的とは、同時進行で動くのは、ジギーの両親の過去のお話、第二次世界大戦のユーゴスラビアを舞台に繰り広げられる戦いの話に注目です。　
下巻に続く

[miuさんの感想 · 2019年9月2日]

あまりに目まぐるしい展開に息もつけない。
文の粗ささえ洗練されて見え、青光る稲妻が閃くマッシブな文体のはずが妙に冷静な語り口に見えるのは、村上春樹のなせるワザ？
彼の翻訳だからこそ、こんなイカツい作品でもすんなり読めているのかもしれない。

[人生≒本×Snow Manさんの感想 · 2022年6月25日]

初めての作品にして、すでに彼の持ち味であるドライブ感、奇想天外に物事が展開していくドタバタ感がある。ウィーンとナチス、政治性と非政治性はここにもあった。

[nobutakuさんの感想 · 2012年7月16日]

この小説は僕の最も好きな小説の一つです。世界観や読者を誘い込んで行く手法、そして強烈な流れが息もつかせないストーリーを生んでいます。

[ykikuchiさんの感想 · 2022年12月16日]

若者の自暴自棄な 衝動を描いた小説だと思った。私の心には特段響くものはなかったようだ。下巻に進む。

[金沢大学附属図書館 Kanazawa University Libraryさんの感想 · 2022年9月7日]

金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18479

▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA86131968

[hacoさんの感想 · 2020年12月5日]

入り込めなかった。今はこの本を読むタイミングではなかったと、一旦上巻までとする。

[oggaさんの感想 · 2014年11月25日]

だいすきな村上さんの訳。
がレンとジギーとグラフ。

バスタブの外で世界は動く。

動物園偵察は続く。

ぶっ飛んでてついていけない。

[motoさんの感想 · 2014年11月13日]

紹介のところにあるマッシヴな文体ってなんだよ、って思ったが読んでみるとわかる。こらマッシヴや。

[2012-0903さんの感想 · 2009年11月26日]

悲しく厳しくもユーモラスな話。下巻も読みました。ノートの章が軽やかに描かれながらもずっしりきます。