覆面作家の愛の歌 (C・Novels BIBLIOTHEQUE 63-3)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784125007823

作品紹介・あらすじ

姓は「覆面」、名は「作家」。推理小説界に颯爽とデビューした新人作家の正体は、天国的な美貌を持つ大富豪令嬢。そして現実の難事件をも鮮やかに解明する名探偵だった-。有能な後継者を得た途端、山篭もりに入ったケーキ屋の主。梅雨の晴れ間、子供に手紙を託す中年男。新春のシェークスピア劇に主演した直後に殺された若手女優…。三つの季節の三つの謎に挑む、好評「覆面作家」シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • ★他の皆な(みんな)は、世界の中にいるらしい。(p.276)
    【覆面作家のお茶の会】左近去る/「パティスリー・スズミ」の「サンマルク」という人気菓子/天才が作った菓子にこれまた天才の義父が寺に籠ってしまった。

    【覆面作家と溶ける男】児童誘拐殺害事件。

    【覆面作家の愛の歌】劇団「南条劇場」でこれから看板女優になりそうだった河合由季が殺された/演出家である南条弘高がこの事件を演出したのだろう。

    ================================

    ■覆面作家についての簡単なメモ

    【第一巻 一行目】新妻千秋。ペンネームだとしたら、時代がかった、今時流行らない名前だ。
    【第二巻 一行目】会社の年末年始といえば、学校同様――というより、学校がそうだから、三月四月になる。

    【新妻千秋/にいづま・ちあき】世田谷の豪邸に住む御令嬢にして作家。世にも珍しい、内弁慶ならぬ外弁慶。いろいろ天才的。いきなりピアノが弾きたくなったので買ってきて三ヶ月で人の心を打てるようになるし、格闘技の心得もあるようだ。一を聞いて十を知るタイプで推理力もすごい。ペンネームの姓は「覆面」、名は「作家」。編集部では「フクちゃん」と呼ばれている。
    【岡部良介/おかべ・りょうすけ】編集者。千秋さんの担当となる。双子の兄の優介は警視庁の刑事。

    【赤沼/あかぬま】新妻家の執事。どちらかといえばボクサー崩れという感じのいかつい男。
    【安達行彦/あだち・ゆきひこ】ミステリ界の貴公子。
    【碇】部長。
    【大島】同僚。編集部の部屋で大ケガをする。
    【岡部優介/おかべ・ゆうすけ】警視庁の刑事。捜査内容を弟に漏らしまくる。
    【左近雪絵/さこん・ゆきえ】先輩編集者。いい作品を見分ける嗅覚がすごい。嫌な仕事を他者に振り分けるのも上手い。姉は雪絵、娘に花絵という名前をつけ「雪月花」を完成させた。
    【サンマルク】「パティスリー・スズミ」の菓子。上はカラメルのマーブル模様、サイドは白とココア色、白はほんのり柑橘系のクリームでココア色はチョコレートクリーム、下はスポンジ。パテシェは鈴見明美、静の高校時代からの友人で鈴見の二代目と結婚した。しばらくしてフランスで「小さな大職人」と呼ばれていた義父のすすめで作ったオリジナルケーキが「サンマルク」だがそれを食べた義父は修行し直すと言って禅寺にこもった。明美もまた天才で食べたらレシピを再現できるし完成イメージができればそのレシピも完璧に作れるタイプ。技量の不足は夫の藤一(とういち)がカバーしている。
    【静美奈子】洋々出版の雑誌『小説わるつ』の編集者。元気そうなメガネ女子。末松と大学の同期。ハードボイルドの大家である山根先生によると、近来まれに見る、歌って踊れる編集者なんだとか。
    【女子高】岡部家のお隣さん。全寮制のお嬢さま学校として独自カリキュラムで高品質の教育を行っており評価は高い。単位的にカバーできない部分があるので正式な高校ではないが全員に大検の資格を取らせており進学率も高い。三十人のクラスが各学年四つある。全校生徒数三百六十人ということか。学費高そう。両家の娘ばかりのようだ。制服もセンスがいいらしい。
    【推理世界】新妻千秋が応募してきた雑誌。
    【末松/すえまつ】左近雪絵去りし後、『推理世界』編集部に異同してきた後輩。自称「青い炎」らしい。
    【世界社】千秋さんの本を出している出版社。
    【田代】新妻家の運転手。
    【月絵】左近雪絵の姉。ガードウーマン。
    【南条弘高/なんじょう・ひろたか】劇団「南条劇場」演出家。斬新な舞台作りで、覆面先生と静さんが観た「ハムレット」や岡部もともに観た「オセロ」などを演出。かつてこの劇団のスターは自分だけだったが、河合由季という女優を得た。
    【真美/まみ】いちばん若手の編集者。
    【宮前みつ子】ミステリ界の姫。
    【話題】《この国では、どんな時でも、自然の話題から入るのが無難である。》愛の歌p.96

  • 出版された本と同じように、トリコロール。
    前回と同じく、1話だけ人が死んでいて、残りは日常ミステリー。
    ついに別会社の人にも『覆面作家』の正体が!!w

    今回は当然謎も興味の対象ですが、ちらっと見えたり
    堂々と進んでいる恋愛模様も気になります。
    お兄さんと…本人の…どう発展していくのか楽しみですw
    まぁお兄さんの方がさっさと発展しそうではありますが。

    ちらっと見えてきた過去。
    しかし、気にはなりますが、調べて…というのは
    ルール違反のような気がしなくもないです。

  • 円紫さんシリーズの方が好みですが、こちらは千秋さんが可愛らしくて好きです。表紙で帽子をきりりと被るお嬢様が素敵です。

  • 2003年9月21日読了

  • きっかけは、春のお菓子。梅雨入り時のスナップ写真。そして新年のシェークスピア…。三つの季節の、三つの事件に潜む謎!? 天国的な美貌で、大邸宅に住む二十歳の御令嬢、千秋さんの推理が冴える!

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。大学時代はミステリ・クラブに所属。母校埼玉県立春日部高校で国語を教えるかたわら、89年、「覆面作家」として『空飛ぶ馬』でデビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞。著作に『ニッポン硬貨の謎』(本格ミステリ大賞評論・研究部門受賞)『鷺と雪』(直木三十五賞受賞)などがある。読書家として知られ、評論やエッセイ、アンソロジーなど幅広い分野で活躍を続けている。2016年日本ミステリー文学大賞受賞。

「2021年 『盤上の敵 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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