進化心理学を学びたいあなたへ: パイオニアからのメッセージ

制作 : 王 暁田  蘇 彦捷 
  • 東京大学出版会
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784130133111

作品紹介・あらすじ

なぜ進化という考え方がそれほど魅惑的なのか,脳から認知・発達,社会・文化,組織・経営に至るまで,どれほど幅広く有効に応用できるか――「進化」に憑りつかれ,誤解と闘いながら険しい道を切り拓いてきた心理学者たちから,これから進化心理学を志す読者への熱いメッセージ.

感想・レビュー・書評

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  • 各研究者(パイオニア)の紹介があり,その人からのメッセージ—その人の研究経歴や動機を通じた進化心理学的アプローチの紹介—が書かれている.

    内容はとても刺激的で,これから進化心理学を学びたい!と思わせてくれるような内容である.
    しかしながら,本書を読むのは「進化心理学入門」などと謳った本を読むのとさほど変わらない気がする.

    36名の研究者は,みなさん進化心理学界の中では重鎮であり,著名であるのだろうが,紹介されても,写真もなければ,覚えられない(印象に残らない).
    また,進化心理学の初学者に向けて書いていながら,ある程度の進化心理学周辺分野に対する予備知識を必要とする.予備知識とは,素人ではなく,心理学概論に理解があり,ある程度の進化心理学への外観(偏見)がある人,初学者らしい知識量があることを指している.

  • 4276円購入2018-06-12

  • 【書誌情報】
    原題:“Thus Spake Evolutionary Psychologists” 進化心理学家如是説(2011)
    編者:王 暁田 |蘇 彦捷
    監訳:平石界 |長谷川寿一 |的場知之
    定価:4,400円+税
    出版年月日:2018/02/25
    ISBN:9784130133111
    版型:A5 400ページ

     なぜ進化という考え方がそれほど魅惑的なのか,脳から認知・発達,社会・文化,組織・経営に至るまで,どれほど幅広く有効に応用できるか――「進化」に憑りつかれ,誤解と闘いながら険しい道を切り拓いてきた心理学者たちから,これから進化心理学を志す読者への熱いメッセージ.
    http://www.utp.or.jp/smp/book/b324626.html

    【主要目次】
    監訳者まえがき(2018年1月 監訳者を代表して 平石界) [i-iii]
    目次 [v-vii]
    序文(2011年夏 燕園にて 王暁田・蘇彦捷) [001-005]


    第1章 そもそもなぜ進化なのか――進化心理学の基本問題 007
     1.1 進化心理学という科学革命に参加して[デヴィッド・M・バス]
     1.2 進化は心の仮説生成器[マーティン・デイリー&マーゴ・ウィルソン]
     1.3 進化心理学の来し方と行く末[ロビン・I・ダンバー]
     1.4 心という塗り絵にひそむ動機と合理性[ダグラス・ケンリック]
     1.5 心を生む1100グラム――脳という物質 [ヴィクター・S・ジョンストン]
     1.6 反発あってこその進化心理学[ロバート・クルツバーン]

    第2章 心と社会を進化から考える 
     2.1 ヒトは社会の中で進化した[ユージーン・バーンスタイン]
     2.2 家族関係の進化心理学――出生順と立場争い[フランク・J・サロウェイ]
     2.3 配偶者選びは商品選びと似ている?[ノーマン・P・リー[李天正]]
     2.4 自己欺瞞、見栄、そして父子関係[チャン・レイ[張雷]]
     2.5 あなたの家族は誰?――血縁関係がわかるわけ[デボラ・リーバーマン]
     2.6 集団間の偏見は自然の摂理[カルロス・ナヴァレット]

    第3章 認知と発達を進化から考える 
     3.1 120万人と人口の0.1%――書き方で数の印象が変わるのはなぜ?[ゲイリー・ブレイズ]
     3.2 交換と安全――人はどこまで論理的か?[ローレンス・フィディック]
     3.3 ヒトは何を覚えてきたのか――記憶の進化心理学[スタンレー・クライン]
     3.4 ヒトの成長を進化からとらえる[ブルース・J・エリス]
     3.5 思春期の到来と自己欺瞞[ミシェル・K・サービー] 

    第4章 意思決定と組織運営を進化から考える 
     4.1 ヒューリスティクス――不確実な世界を生き抜く意思決定の方法[ゲルト・ギーゲレンツァー]
     4.2 進化心理学へのシンプルな道[ピーター・トッド]
     4.3 究極の選択を迫られたとき[王暁田]
     4.4 男と女が無理する理由[サラ・E・ヒル]
     4.5 医者の不養生――産業組織心理学者がルールを守らないわけ[ステファン・M・コラレリ]
     4.6 仕事と性差[キングスレー・R・ブラウン]
     4.7 ビジネスとマネジメントに進化心理学を導入する[ナイジェル・ニコルソン]

    第5章 文化と知性を進化から考える 
     5.1 文化抜きにはヒトの進化は語れない[ピーター・J・リチャーソン]
     5.2 制度という環境の中でヒトは生きる[山岸俊男]
     5.3 ヒトを特別なチンパンジーたらしめるもの[長谷川寿一]
     5.4 話すことと書くこと[デヴィッド・C・ギアリー]
     5.5 脳が自らを研究するとき――氏と育ちの二分法を超えて[クラーク・バレット]

    第6章 未来の進化心理学者たちへ 
     6.1 苦労の末学んだ12の教訓[ダニエル・M・T・フェスラー]
     6.2 生態学者が進化心理学者になるまで――新しい分野への挑戦[ボビー・S・ロウ]
     6.3 消費するヒト[ガッド・サード]
     6.4 レポートが論文になるまで――進化心理学は科学たりうるか?[ティモシー・カテラー]
     6.5 進化に興味をもつ人たちへの4つのアドバイス[ジェフリー・ミラー]

    参考文献 [353-385]
    執筆者・訳者一覧 [386-387]

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著者プロフィール

慶應義塾大学文学部准教授

「2019年 『正解は一つじゃない 子育てする動物たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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