内臓が生みだす心 (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 183
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140019481

作品紹介・あらすじ

心肺同時移植を受けた患者は、すっかりドナーの性格に入れ替わってしまうという。これは、心が内臓に宿ることを示唆している。「腹がたつ」「心臓が縮む」等の感情表現も同様である。高等生命体は腸にはじまり、腸管がエサや生殖の場を求めて体を動かすところに心の源がある。その腸と腸から分化した心臓や生殖器官、顔に心が宿り表われる、と著者は考える。人工臓器の開発で世界的に著名な名医が、脊椎動物の進化を独自に解明し、心や精神の起源を探る注目作。

感想・レビュー・書評

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  • 人間の進化のプロセスを見ていくと実は一番重要なのは腸であることがわかる。

    腸については最近はとても見直されていて脳<腸であるという意見もあるがあながち間違っていない。

    腸=肚という考え方から見ていくと日本では腸の重要性は昔から無意識に知っていたのかもしれないですね。

    とても勉強になりました。

  • 図書館でタイトル借り。NHKブックスだしもう少しまともな本なのかと思ったら、こりゃトンデモ本の部類・・・

    まぁ人間にとって、腸を冷やさず口呼吸せず、骨休めを充分することが大切なのは確かだと思いますが。

    途中で読了。

  • ちょっと読み進めるのが難しい。ラマルク進化論を前提として進められているので、一般的な進化論の知識しかない自分では読み解けなかった。

    細胞が「記憶する」ことはあるのだろうとは思うが、それとラマルクの関係がよくわからない。

  • 書名から、脳以外の臓器が心を持ちうる可能性を検証しているものと期待して読みましたが・・・

    いつのまにかに「人の祖先はネコザメであり、さらに遡ればホヤである」と独自の進化論を主張し、

    「口呼吸は万病の元なので、鼻呼吸で睡眠を多く取りましょう」と、著者の健康法を勧めだします。

    (^^;)

  • まあ、読み物として読むなら楽しい。が科学とスピリチュアル系にとどまる。三木成夫のが断然刺激的である。何かこう、、、解剖学とかそういう方面はすごくシッカリしてはいるが、哲学系がダメである。新聞の広告に載っていたので。

  • 常識からあまりに離れているうえに文章力が弱い、というか、書籍という品質には達していないので非常に惜しい本なのだけれど、中にちりばめられているideaは一読の価値がある。刺激を受けたいならこの本はそれを与えてくれる。そこは保障します。

  • 「記憶する心臓」に続けて本書を読みました。学術的なところで頭に入っていかないところはたくさんあるし、心、意識、精神などの言葉の違いもきちんとわかっていない私ですけど、心は脳ではなくて身体(内臓や筋肉)にある、というところは直感的に納得できました。
    生き物は心臓や肺や胃腸(ハラ)や手や足や目や耳や・・・、それから皮膚、そういう身体全体でいろんなことを受け止めたり、感じたりしているんだと思う。
    空気を読むとか読まない、という言い方があるし、皮膚感覚という言葉もあるけど、ほんとうに微妙なところはお肌とかそこに生えている産毛なんかで感じるものなのかもしれない。
    それから、エネルギーを質量のあるエネルギーと質量のないエネルギーがあって、両方とも同じくらいに私たちに影響を与えている、というところも直感的に納得できました。
    (自分あるいは現時点での機械が)見えないから、聞こえないから、測れないから存在しないというわけではないと私も思う。見えたり聞こえたりしないけど、存在しているものがある、と考えたほうが無理なく納得できることがたくさんあると思っています。

  • 内臓が心を生み出すですのか。
    NHK出版ですか。
    驚いた!

  • 非常に興味深かった。系統発生学から精神や心というのは内臓に宿るのではないかという説。正確には、脳や腕や足などは系統発生の歴史からすると内臓から進化したものであるので、すべての機能は腸由来であるという説。すべてが内臓から発達したゆえに、脳が腸に従属的で腸の要求を実現するように動くのは当然であるし、目や耳などの体の不調もその由来である内臓を治さないといけない(著者は臨床医でもあり、実績もあげている)。生命の基盤は内臓にあるというのが著者の主張。
    また、著者の本来の主張からは若干余計な雑談でもあるが、文化的側面も述べられている。勾玉とはすべての生き物に共通する胎児の形であって生命力の由来であるからお守りとなった由来や、新渡戸稲造『武士の道ー日本のこころ 日本思想の解明』を取り上げ、心や魂が腹部に宿ることは旧約聖書時代から述べらていること、切腹による武人の身の施し方は精神性を伴う誇り高い作法であったことの賞賛など、日本の文化は元来腹に思想が宿るということに気が付いていたとの指摘もしている。

  • 心肺同時移植を受けたアメリカの患者で、すっかりドナーの性格に入れ替わってしまったり、まったく見ず知らずのすでに亡くなったドナーが夢に現れたり・・・

    人の心とはいったい体のどこにあるのか?


    三木成夫の系統発生学を受け継ぐ形で「質量転化の法則」から「エネルギー保存の法則」に視点を転移し、「重力による進化」から心のありかを探る。心は頭ではなく腹に宿る質量のないエネルギー物質であるという興味深いテーマを展開している。題材、視点ともにはっとするような素晴らしいものがあり、いっぱい刺激もらった。

    だが・・

    極めて残念なことに文章的に2つの点で説得力を損なっている。

    ・この著者の文章のあちこちに著者のコンプレックスとその反動の手柄自慢的な記述が目立ちすぎる。オレオレ!それもオレオレ!あれもオレオレみたいな。

    ・推論の提示や問題提起が強引だったり、断定的な箇所が多く、走り過ぎている感が否めない

    せっかく視点や題材は興味深いのに自慢や安易な断定が多いような感じがしてしまいなんだか読んでて疲れてしまった。
    編集が編集の仕事してないのでは???と僕は思ってしまった。

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著者プロフィール

西原研究所所長、元東大講師、日本人工臓器学界賞受賞
著書:『究極の免疫力』(講談社インターナショナル)『内臓が生みだす心』(NHKブックス)

「2006年 『歯はヒトの魂である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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