八代将軍吉宗 中

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140052013

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  • (1995.05.08読了)(1995.04.26購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    兄たちの相次ぐ死により二十二歳の頼方は、紀州五十五万五千石の国主徳川吉宗となった。一方、将軍家では、五代綱吉の後を受けた六代・七代将軍がともに短命、財政破綻の危機に陥る幕府はますます混迷の度を深める。紀州か、それとも尾張か、次期将軍の座を賭けた息詰まる抗争の果て、吉宗はついに八代将軍となる。幕府の、そして日本の命運は彼の手に委ねられた。NHK大河ドラマの出版化。

    ☆関連図書(既読)
    「八代将軍 徳川吉宗・男の一生」泉秀樹著、三笠書房、1994.07.10
    「八代将軍 吉宗(上)」ジェームス三木著、日本放送出版協会、1994.12.15

  • 将軍になるには多くの条件を乗り越える必要があったのだが、一応は陰謀はしていない前提で書き進められています

  • かつてNHKで放送された大河ドラマの原作として知られる。大河ドラマ自体は見ることを建前としていないが、本作は折々、視聴した記憶がある。
     
     中巻は吉宗将軍職を襲職する過程と、世に「享保改革」とされる幕政改革の諸施策の展開を示す。

     徳川政権にとって「中興の祖」たる位置づけが、吉宗にはあるかと思う。吉宗が幕閣を担うについて「幸運」「転がりこんだ」より、用意周到のうえに御三家の筆頭たる尾張をおさえて、紀伊が「奪取」したとする点が示される(「裏工作」 111p)。

     吉宗には幕政改革を通じ、政権の「悲壮なゴールキーパー」(309p)たるの評価。各地に根を張っていた独立大名を「封じて建てた」徳川の政権は、基盤とする農村と政権根拠地たる大都市・江戸をささえる商業との間で矛盾をかかえることになるのかも。
     「諸色高直米価廉直」(もろもろの消費物資は値上がり、しかし米価格は低落)に、幕府の金庫は底をつく。

     権力者像。自身が思いえがく姿と庶民の評価の違いに反問しながらも、しかし「尾張&紀伊」戦争という就任時の経過に発する対立の芽を発芽させつつ、「中巻」は結ばれるということ、か。

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