龍馬伝 IV SEASON FINAL RYOMA THE HOPE
- 日本放送出版協会 (2010年10月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140055755
感想・レビュー・書評
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【感想】
馬関海戦
龍馬と後藤象二郎との清風亭会談
高杉晋作の死
船中八策
大政奉還
最終回の冒頭などなど・・・
ドラマでの大作っぷりから1%程度の感動やクオリティしか伝えれないのは、やはりライトノベルの弱点だな。
台詞やシチュエーションが違うってのもあるが、この程度なのは非常に残念・・・
しかし、そんなライトノベルでも最終回はやっぱりイイ。
(ちなみにドラマでは謎だった龍馬の暗殺者が、小説では京都見廻組と記されている。)
特にこの第4部では、活躍とは裏腹にこれまで仲間であった西郷や桂たちから煙たがられ孤立していく龍馬が描かれているのがツライな。
弥太郎との最後の絡みや、龍馬を確かめに来た中岡とのやり取りは、ドラマ同様に胸がアツくなった。
「世の人は 我を何とも 言わば言え。我がなす事は 我のみぞ知る」
この詩が本書の通り死の直前に書かれた物ではないとのことだが、私心を一切もたずに利他の心のみで日本を「洗濯」した龍馬は、本当にいつまでも僕のヒーローです。
【引用】
p89
「人は、どういて死んでしまうがじゃろうのぉ。天が、おまんの役目は終わったと思われちゅうきじゃろうか?」
「そうかもしれませんね。そやかて、人の死というものは終わりだけではないと思います。その人の役目を、志を受け継ぐ者にとっては、始まりどすさかい。」
p266
京都見廻組はその最たるものだ。
京の治安維持を目的に、京都守護職・松平容保の下に置かれたのが見廻組と新撰組だ。
両者の違いは、新撰組が浪人の集まりであるのに対し、見廻組はれっきとした幕府直参たちの集まりである。
慶喜が大政奉還したことにより、その立場が危うくなっている。
p274
この「◯◯◯」があるがために、龍馬に振り回されている。
そう思うにつけ、西郷の内心では、龍馬への怒りが沸々としていた。
p278
「けんどの、龍馬!
人がみんなあ自分のように新しい世の中を望んじゅうと思うたら大間違いじゃぞ。
口ではどう言うちょっても、いざ扉が開けば、戸惑い、怖じ気づく者は山のようにおるがじゃ!
おまんのやることが正しければ正しいほど、邪悪なものが人の心に芽生えることもあるがぜよ。
そのうち怒りの矛先はおまんに向くろう。
眩しすぎる日の光は、腹が立つゆうことを知っちゅうきにのぉ!」
「世の人は 我を何とも 言わば言え。我がなす事は 我のみぞ知る」
「わしはわしができることをやろうとしただけじゃ。
おまんもおまんが思うように、好きなように生ければえいがじゃ。」
「おまんは今、この金で世の中と繋がっちゅうがじゃぞ、弥太郎!
この金で日本一の会社を作って、日本人を幸せにせねばならんがじゃ。
それはわしには出来ん。この世で岩崎弥太郎だけが出来る大仕事ぜよ!」
「自分の言うたことを実現させや!
必ず日本一のカンパニーを作りや!
わしに成すべきことがあったように、それがおまんの成すべきことぜよ、弥太郎!」
p290
「みんなあで選ぶがじゃ、志がある者を選ぶがじゃ。
それを、この人らあが助けていけばえいがぜよ。
…わしを斬る前に、よう考えてくれや。」
「…おまんの名前がないぜよ。」
「わしは役人になるつもりらあ、これっぽっちもないき!
これを書き終えたら、わしの仕事は終わりぜよ。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017.12.24.読了
龍馬伝 最終巻
慶応2年、1866年 幕長戦争
から
慶応3年、近江屋で龍馬が襲われるまで。
岩崎弥太郎に語らせたこの方法は
なかなか良かったと思います。
久しぶりに龍馬の本を読みました。
とても龍馬を美化しているとは思いますが、
やっぱり龍馬は素晴らしい人だったなぁと。 -
熱くなった!今の日本があるのも、龍馬をはじめとしたこと方の存在があったから。出来ないと思われていたことを、やってしまったとき、人はすごく感動する。とても、ワクワクさせてくれる作品です。
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NHK大河ドラマ『龍馬伝』最終巻。亀山社中から海援隊と名前を変え、幕府と戦う長州を助け薩長同盟が成立、世は大政奉還へと動いて行く。薩長同盟から大政奉還までの歴史的内容は分かりやすく書いてあるが、本題の龍馬暗殺はあっさり。
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(2010.10.26読了)(2010.10.19借入)
NHK大河ドラマ「龍馬伝」のノベライズ版最終巻です。
ドラマの方もあと4回残すのみとなりました。龍馬暗殺まであと少しです。
後藤象二郎と岩崎弥太郎の掛け合いはずいぶん楽しく見ることができました。全体としても、ずいぶん楽しく見ることができました。なかなかの脚本だったと思います。
龍馬は、徳川幕府軍が長州を攻めた時、長州に加勢して、勝利に導いた。
幕府の弱体化が明白になった。薩摩と長州は、戦によって、幕府を壊滅させ、政権を奪おうと考えている。
龍馬は、戦をせずに徳川幕府から政権を奪う方法はないかと思案している。その方法が、大政奉還だった。天下の政を天皇に還し奉る、ということだ。元々徳川幕府は、天皇から征夷大将軍に任じられ、国政を任されていたので、それを天皇に返せばいい、ということになる。
ちょうど、土佐の山内容堂が、後藤象二郎に命じて、薩摩・長州と接触を図ろうとしていたので、土佐に大政奉還の建白をしてもらうことにした。
徳川慶喜が、大政奉還の建白を受けて、おいそれと、政権から退くとは思えなかったのだが、どう考えたのか、徳川慶喜は、大政奉還をおこなった。
政権を返上しても、天下を治めた経験のある者はいないから、また戻ってくると考えたのかも。
実際には、戦無しでは済ますことができず、鳥羽伏見の戦い、官軍による江戸まで、さらに奥州、蝦夷へと戦は続くことになる。
龍馬は、大政奉還後の政権のあり方も提案して、奔走していたけれど、京都見廻り組に襲われて、志半ばで、殺されてしまった。
今回の物語の原作は、「汗血千里駒」という、土佐の新聞に連載された小説らしいのですが、機会があれば読んでみたいものです。
●笑って暮らせる国(34頁)
日本人みんなあが笑って暮らせる国を作りたいがじゃき
出会ったばかりの頃、龍馬はそういって笑みを浮かべた。
●亀山社中(68頁)
(太郎)「わしらはこれから何をするがですろうか」
(龍馬)「運輸、射利(利益獲得)、開拓、投機。つまり、エゲレス語でゆうビジネスぜよ」
●奇兵隊(88頁)
「高杉さんが作った奇兵隊には身分の差らあなかったがじゃき。侍も百姓も商人も一緒になって、自分の国を守ろうとしちょった。奇兵隊を見て、わしは確信したがぜよ。これこそが新しい日本の形じゃと」
●いろは丸事件(105頁)
「おそらくこれは、日本で初めての蒸気船同士の事故ですろう。これから蒸気船はどんどん増えてくるき、同じような事故はまた起こるがです。その時は必ず最初の事故が引き合いに出されるがぜよ。土佐は紀州に泣き寝入りしたと。船の事故は、たとえ相手に非があろうが力のないものが引き下がる。そういう決まりになってしもうてもえいとお思いですろうか」
●大政奉還がならんかったら(148頁)
「大政奉還がならんかったときは、徳川と決戦するお覚悟を。戦になれば、当然土佐藩も挙兵していただきもす。」
●平らな世の中(155頁)
「わしが作りたい世の中は、上士も下士もない、平らな世の中ぜよ。誰かが誰かを支配する仕組みからは、必ず恨みや憎しみが生まれる。憎しみからはなんちゃ生まれん。わしは、みんなが笑うて暮らせる日本にしたいがじゃ。そのためには、戦で幕府を倒してはいかんがぜよ。」
●将軍も大名もなくす(229頁)
「大殿様。幕府も藩も、上士も下士も、もういらんがです。この国は生まれ変わらんといかん。それが大政奉還ながです!」
「幕府をこの世からなくし、将軍もなくし、大名もなくすというがか」
「はい。武士という身分ものうなりますろう」
●自分の食い扶持(255頁)
「大政奉還がなったら、帝をてっぺんに頂き、あとは上も下ものうなるがです。侍らあという百姓に食わしてもらいゆうだけの身分はもう要りません。役目を失うた二万人の人らあは、自分で仕事をしたらえい。百姓や職人や商人らあと同じように、自分の食い扶持は自分で稼ぐがじゃき」
●龍馬を愛した女性(296頁)
初恋の娘・加尾、心の奥深くで結ばれていた千葉道場の佐那、異国に船出したお元、寺田屋の女将・登勢、誰よりも理解し合えた姉・乙女、可愛がっていた姪の春猪、そして妻・りょう。龍馬が愛し、龍馬を愛した女性たちが、優しく龍馬を見守っている。
(2010年10月27日・記) -
大河からしばらく経って読みましたが、映像がよみがえります。福山さんの龍馬と香川さんの弥太郎のイメージがすごいです。
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あっとゆーまに読み切った
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高知、愛媛、徳島、長崎、近畿、四国などを舞台とした作品です。
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2010年NHK大河ドラマのノベライズ本。番組はあまり真面目に見てませんでしたが、総集編とかはチェックしました。図書館予約数は6(2011/01/08現在)です。