総理にされた男

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140056707

感想・レビュー・書評

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  • 総理に似た劇団員の男が病気に倒れた総理の代理をさせられることに・・・

    どう決着つけるのかと思いつつ読んでいましたが、あまりに荒唐無稽かな?といった感想になりました。

    小説なのでありだと思いますし、身代わりを役者目線で乗り切っていくところとか、おもしろく読めたのですが、突っ込みどころ満載な気がしました。

  • この世には自分と同じ顔をした人間が3人いるという。
    売れない舞台役者・加納慎策のそっくりさんは、
    あろうことか、内閣総理大臣・真垣統一郎だった。
    慎策は顔そっくりを利用し、
    総理のモノマネなどをしてほそぼそと役者活動をしていた。

    すでにまーちさんとhi2515さんがレポを書かれているので、
    あらすじはもう書かなくても良いと思っているが、
    かいつまんで言うと、
    ある日、黒塗りの車に拉致された慎策は、
    顔の変形する病気にかかって
    意識不明の総理大臣の替え玉になれと
    内閣官房長官・樽見から命じられる。
    総理が完治するまでの辛抱と、思っていたのに、
    突然、寝た切りの総理の心臓がとまり、
    極秘のうちに、
    慎策は本当に総理の椅子に座ることになってしまった。
    東日本大震災のあとの復興支援予算が
    本来使われるべきところに使われていないことへ怒りを覚え、
    自分流の政治を推し進めるようになり、
    アルジェリアでのテロでは、思いもかけない決断をくだし、
    慎策の正体を知る樽見を驚かせる。

    一般市民であり、政治に疎かった本来の慎策だが、
    国の政治へのアツい想いは
    本物の総理に近いものになっていくようだった。

    恐いのは、総理の秘密を守ろうとする周りの国家権力だ。
    慎策の正体を守るため、裏の国家権力が動いたのだ。
    慎策の秘密を知る親友の風間は栄転という名目で、
    遠い外国へ勤務地を変えさせられ、
    突然行方不明になった慎策の捜索を
    慎策の恋人珠緒から依頼されていた刑事は、
    やはり栄転という名前で、八丈島勤務を命ぜられる。
    聞こえのいい、「島流し」である。

    政界の裏のことや政治のことなど
    わかりやすく書かれていて楽しめたが、
    政治家への不信感はどこまでも付きまとう。
    腹黒い政治家に染まらない替え玉総理の潔さが、
    すっきりとした読後感を生む作品だった。

  • ありえないと思いつも面白く読み進んだ。
    政治家事情国会事情が本格的に説明されていたが、庶民感覚を忘れない理想の総理大臣を演じていたところが爽快。
    でも素人が簡単に総理大臣を演じられるのはあまりにもあまりよね、の読後感。

  • なんというポテンシャル‼︎
    ただのモノマネ芸人的な人が海千山千の政治家に
    やだ、この子凄い‼︎と思わせ
    挙句参謀も官房長官もいないのにそのまま総理しちゃう‼︎
    相当の基礎学力と地頭なきゃむりよ。胆力と。
    裏方や端役しか出来ないやつって絶対的に
    そういうの足りてないのがほとんどなのに、
    まぢすげえ。という馬鹿らしさ満点。
    私も総理になれちゃうんじゃない\(^o^)/

  • 総理の替え玉となった売れない役者の物語。

    「月光のスティグマ」を読んでいたので、重複する登場人物名が出てきて引き込まれました。
    ある意味、「月光のスティグマ」のB面的作品だと思いますが、内容的にはこちらの方がA面です。
    作者の政治心情が結構前面に出てきて是非を問われそうですが、政治社会の複雑さが簡潔に説明されていて現代政治入門編としてもわかりやすいと思います。
    それにしても一つのアイデア(入れ替わりやテロ対応など)でいくつもの作品を別々の視点、物語として描く作者の才能はさすがです。
    続編もありかな。

  • 岐阜の出身の作家さんでしたぁ。
    面白かった‼︎

    タイトルと、装丁に。
    も、ひとつ、工夫があればなぁ。
    って、残念…

    倒れた官房長官にかけられた言葉
    〜あなたの無欲が…わたしに、欲を、かかせた〜

    えー、えー‼︎
    小説ですよ、フィクションですよ。
    でも、慎策に会いたいね。

  • 現状の政治の弱点が解りやすく描かれる。国民との距離を縮めるには、やはり言動と行動ですネ。ありえない設定だけど、言葉一つ一つ強いメッセージ性が伝わってくる。痛快という表現がピッタリ♪。

  • そこそこ面白かったけれど
    引き際はいつだろう?どうやって引くんだろう
    と思っていたら…
    え~ それは無理ないか?
    と思ってしまいました。

  • 中山作品は最後に絶対どんでん返しを入れてくるので待ち構えていたが、なんとも爽やかな終わり方でよかった。月光のスティグマ既読だと、一部展開が読めてしまうところあり。ちゃんと選挙に行こうという気持ちにさせられる。これを読み終わった後、史上最強の内閣シリーズ読み返したくなった。

  • こういうのも、いいですね。
    やっぱりグロい場面も出ては来るけど、耐えられるくらいだ…。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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