「明治」という国家(愛蔵版)

著者 :
  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140086681

作品紹介・あらすじ

「明治」は、清廉で透きとおった"公"感覚と道徳的緊張、モラルをもっていた。明治国家という人類普遍の遺産を語る、日本論であり、卓越した文明論である。海外取材の成果をもとに、"明治国家"を巨細に捉えなおす!

感想・レビュー・書評

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  • 明治国家。

    それは、その時代を生きた熱意と、それを支えた人間による独断的な国家だったか。

    明治国家のある種寛容な部分が、元老死後の昭和中期に欠陥として浮き出し、日本は一時滅ぶと考えるとなんとも言えない。

    司馬遼太郎は好きな作家であるし、これ以上の歴史作家はいないが、考えには賛否を示す必要がある。

    何度か読み返していこう。

  • 2020-10-18 499円

  • 物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
    東大OPACには登録されていません。

    貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください
    返却:物性研図書室へ返却してください

  • 明治国家の歴史は実はまだまだ学術的にアンタッチャブルな領域だが、英国の歴史学者が英国の文脈で日本の明治史を研究されている方が増えているので、そろそろ明治とは政治的、文化的な革命(しかも流血を伴わない名誉的な)だとする視点を受領してさらに明治国家の全体像を再定義して頂きたい。

  • 明治という国家は、世界史としても一つのメルクマールである。異様なので。という内容。
    憲法が面白い。欠陥があって、昭和につながる。
    人々も面白い。阿Qが基本で、武士と町人のみ誇りある人々だったとか。

  • 何度目かの再読。維新から明治新政府=近代国家成立と、安易に捉えがちだが、西郷の西南戦争ひとつを取っても内戦とは言え新政府は死力を尽くした上の薄氷勝利。廃刀令や版籍奉還・廃藩置県で武士階級を取っ払い、富国強兵の名の下、「中央集権国家」の樹立を目指し、近代国家の象徴とも言うべき「大日本帝国憲法発布」まで、維新から僅か22年。260年間の鎖国から目覚めて以降、にわかに外国語を学び会得した付け焼刃のコミュニケーションで他国の政治・経済・憲法・法律を学び、憲法という国家運営の支柱を創出した。僕はこの一連の行為に日本人として強い誇りを持つ。ゆえに改革を謳う政治家とついつい比較してしまう。時代変われど改革の対象者からの抵抗・軋轢は激しい。それに立ち向かうリーダーと推進派に一点の曇りの無い大義があれば、支持層も増えるんだろうけど。大義が安倍政権打倒では…。

  • ちょんまげから20年で憲法、今では考えられないスピード!

  • 「明治国家」の設立した過程や登場する人物を説明したエッセイ。歴史が全く分からない人にとっても、著者の視点、見解を通して明治時代周辺の歴史を概観することができる素晴らしい本。

    この時代、そしてこの時代に生きていた数々の国家を主導する人々のスピリッツを今の日本人に学んでもらいたい、という司馬さんの想いが本書全体に渡って感じ取れる。

  • (1990.01.04読了)(拝借)

  • ぐいぐい引き込まれました。司馬遼太郎さんの本を読むのはこれが初めてです。明治に関わる本をたくさん書いておられるのは知っていましたが、この明治という時代、彼は「国家」と表していますが、その造詣の深さにただ驚くばかりです。

    この本を読む前に、勝海舟、西郷隆盛、坂本龍馬の伝記を読みましたが、他の人物についても知りたくなりました。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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