- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140351819
作品紹介・あらすじ
上白石萌音、翻訳家デビュー。『赤毛のアン』を読み、訳し、言葉をみがく
萌音さんの朗読音声DL 付き!
朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で見事な英語力を披露した上白石萌音さん。子どもの頃から英語が大好きで、熱心に学び続けています。そんな萌音さんが愛する海外文学のひとつが、不朽の名作『赤毛のアン』。本書では人気翻訳家の河野万里子さんとのお手紙を通して、萌音さんが『赤毛のアン』の名シーンの数々を翻訳します。
河野さんによる萌音さんの翻訳へのアドバイスは、語学的なものにとどまらず、「日本語としていかに表現するか」を問いかけるもの。それに応えて萌音さんが紡ぐ、瑞々しい訳文が本書の見どころです。語学や翻訳のみならず、広く「ことば」に関心がある皆さんに手に取っていただきたい一冊。
【上白石萌音さんより発刊によせて】
翻訳家は、10代の頃憧れていたお仕事のひとつでした。まさかこんな形で、第一線でご活躍の河野万里子さんのもと勉強できるとは、そしてその経過を本にしていただけるとは!当時の自分に教えてあげたいです。先生との書簡を通して、英語のみならず、自分の日本語力とも向き合った記録です。是非お手に取ってみてください。
上白石萌音
【河野万里子さんより発刊によせて】
小説の翻訳は、外国語で書かれた物語の世界へ、ふだんの読書よりさらに深く入っていって、登場人物たちと、わくわく、ドキドキすることから始まります。これはそのおもしろさと、読みやすい訳を書くためのヒントやコツが、上白石萌音さんとの文通を通して、きっと伝わる1冊です!「英文和訳」から「翻訳」へ、萌音さんの言葉は少しずつ、確実に変わっていきます。訳すのは、『赤毛のアン』。アンが大好きな人、英語を楽しく勉強したい人も、ぜひ。
河野万里子
【目次】
第1回 訳者は役者に通ず
第2回 アンの“wonderful”
第3回 ヤクシャは監督にも通ず
第4回 翻訳を生かすも殺すも会話次第
第5回 話し言葉は現実と虚構の間(あわい)を
第6回 ギルバート、登場
第7回 語感を研ぎ澄ます
第8回 アンの部屋を満たしているのは…
第9回 ただ一つの言葉を選びとる
第10回 言葉は誘い合う
第11回 求心力と吸収力
第12回 感動の大きさを、そのままに
第13回 正解はないけれど
感想・レビュー・書評
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翻訳家の越前敏弥さんと河野万里子さんの対談イベントで本書が紹介されていたので読んだ。
越前さんのこの間出た本(『名作ミステリで学ぶ英文読解』)もそうだけど、ちょっとはわかる外国語で書かれた、好きな(または興味がある)本を、原語で、ダイジェストで、解説と訳例付きで読めるこの手の本、お手軽で良い。『赤毛のアン』は、いつかまた読み返したい、原書で読めたらなお良い、と思ってはいたものの、まあまあ長いので面倒くさくて実践していなかった。それが、飛ばし飛ばしのイージーモードではあるがなんとなく達成できてしまった。
もう、マリラが、泣けるのよ。そうそうこれを味わいたかった、再読としてはじゅうぶん、これ以上浸ったら本当に泣いちゃうから〜という感じで、まずは『アン』のおさらいができたことに満足。
翻訳の妙技を味わうという面でも、上白石萌音さんの試訳第一弾、河野万里子さんからのアドバイスを受けて再トライの第二弾、そして最後に河野プロによる試訳、と一つのパート(十行弱くらい)に対して三段階の訳文を読むことができて面白い。河野さんから萌音さんへのアドバイスは、実際に文芸翻訳の学習をしている人にとってはもう聞いたことがあるような話かもしれないが、ただ翻訳小説を読んで楽しんでいるだけの者にとっては、翻訳者がどうやって外国語の本を読み解いて日本語にしているのか、その手の内を見せてもらっているようなワクワク感がある。
河野さんと萌音さんとのやりとり、これがまた絵に描いたような品の良さ。探究心と、知性と、茶目っ気と、素直さと、想像力と、創造力と、女同士らしい褒め合戦感謝合戦も(笑)。こういったきれいさはタレント本的と言えばそうだが、だからって別に読み物として何も失っていないんだし、ね。素敵なお二人と一緒に読んでいるみたいな気分になれて楽しかった。 -
どういう本なのか事前情報を特に入手せずに図書館で借りて読んだところ、思ってたのと違った・・・というのは私の勝手な予想違いなのだけど。私の大好きな赤毛のアンについて色々と語り合ったり世界観が広がる本なのかなと思っていたら、翻訳の仕方の指導のやりとり(書簡)ということで。英語を使う仕事をしている私にはある意味興味深かった部分もあるが、翻訳家を目指していない、赤毛のアンの1ファンには、斜め読みになってしまった。
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翻訳に大切なこととともに、赤毛のアンの世界の素敵さ、上白石萌音さんのひたむきさもわかる、一冊でさまざまな良さがつまった本。日本語の良さや、言葉の奥深さがわかり、語学への興味もいっそう深まりました。
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2022京都外大図書館プロジェクト Library Explore Mission(L.E.M.)学生選書
京都外大図書館所蔵情報
資料ID:655723、請求記号:837.5||Kam -
女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000059262
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赤毛のアンの原書は自分には難しいが、上白石萌音さんの訳、先生の返信から再度修正した訳、先生の解説、試訳と読めるのでわかりやすく、また深くもさらっと読むこともできる。河野先生の読みの深さ、温かさ、上白石さんの感性の良さに、日本語での赤毛のアンの読み方もあらためて膨らませてもらった。上白石さんはこの訳の最後の方で子どもの役を演じていたとあって、多忙のなか翻訳の宿題にも真摯に向き合われたのだろうなと感心してしまった。
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ただ英文を和訳するのとは違う、翻訳の楽しさが分かる本でした。
学校の英語の勉強でも和訳はよくしますが、翻訳は繊細な表現が必要で、難しさと面白さをよく感じました。
上白石萌音さんの翻訳もだんだんこなれてきて、成長を感じられる本でした。
翻訳家の河野さんの試訳もあり、勉強になります。
巻末には、英文や日本語訳の朗読ダウンロードもあり、すごく良かったです。
(朗読・上白石萌音、Ananda Jacobs)
https://mainichi...
https://mainichikirei.jp/article/20220603dog00m100000000c.html
https://sirabee.com/2022/0...
https://sirabee.com/2022/07/24/20162902480/