- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140804421
作品紹介・あらすじ
かたや『森の生活』のアメリカ自然文学の巨匠、かたや我が国明治の文豪、ともに自然と「個」の対峙の仕方について、深く考え悩み、その突破口を模索した。彼らが過ごした地を歩き、体験することで新たな視点が見えてくる。
感想・レビュー・書評
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ソローと漱石の森 稲本正 NHK
環境文学のまなざしとあるので「森」なのだろうか?
二人の生き様でもあるが
英国と日本の文化的違いを拾い集めた様でもある
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個人の内面や社会における個々の人間関係は「量子の雲」のように不確定だ、というところにナルホドと思った。
その外側を、古典力学の原理で分析・予測できるような、合理的・個人主義的な「主体」観念や共同体のルールが取り囲んでいるが、さらにその外側には、相対論と生態学をもとにした「宇宙個の論理」および「環境律」を構想するべきである…というのがこの本の主張かな。そのために、日本古来の「じねん(自然)」という概念が有効であろう、と。
ソローと漱石「について」の本というより、ソローや漱石との触れ合いを通して著者が至った哲学に、読者を導く本という感じ。
読んでいると、森にでかけたくなる。(自分は9割がたインドア系なのだけど。) -
飛騨の清見にあるオークヴィレッジ。木と共に生き、人と自然の“つながり”を大事に考える稲本さんの視点で知るソローと漱石の自然観。稲本さんの読み易い文体で一気に読めます。