- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140810347
作品紹介・あらすじ
女性は言語能力にすぐれ、男性は空間把握能力にすぐれている-男性と女性の脳の違いについて、一般にこう考えられてきた。しかし本書が展開するのは、「共感」と「システム化」という、まったく新しいアイディアである。女性型の脳は他者の気持ちをわがことのように感じ、男性型の脳はシステムを理解し構築するようにつくられているのではないか。「心の理論」を発展させ、身近な事例を豊富に示した最新科学の成果。
感想・レビュー・書評
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メチャクチャ面白い。そして分かりやすく,最新の知見。
「共感」と「システム化」という思考様式に関する進化論的・脳科学的アプローチ。
もともと著者は自閉症の研究者で有名だけども,自閉症の研究の延長上にたどり着いたのが,この「共感」と「システム化」なんだろうと思う。
とても勉強になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これまでも女性脳と男性脳を比べる本はいくつか読んだ事があり、行動から脳のタイプを読み解くあたりは、よくある感じだなと少し退屈に感じていた。しかし、中盤からは女性脳と男性脳の分かれ道はいつ起こるのか、何が原因と考えられているのか?や、左右の手の大きさの違いがそれを判断する指標になったり、脳の型を共感化、システム化と呼んでに分ける事により、タイプの違う脳の考え方、得手・不得手な部分が非常に理解しやすくなった。最後に共感化、システム化の指数を測れるテストもあり、自分の脳がどちら寄りの脳なのかも知る事ができておもしろかった。
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女性の脳は「共感」にすぐれ、男性の脳は「システム化」に優れている。胎児期のわずかなホルモンの違いから、右脳・左脳の成長比率が生まれ、このような差異が生まれてくる。もちろん、これは平均値であって、個人全体に当てはめるわけにはいかない。しかし、自閉症(とくにアスペルガー障害)を「極端な男性脳」と考えれば、いろんなことに説明がつく。
というので、だいたいこの本の内容になると思う。主張は明確で、わかりやすい。全体の傾向を個人にあてはめないように、という注意がこれでもかというほど出ていて、慎重かつ誠実な著者だなぁと思う。
ただ、少々くどくどしく、読み物としての密度感・高揚感はウスいなぁ。『「こころ」の本質とは何か』(滝川一廣/ちくま新書)のほうが内容は濃かったような。この本で「共感」「システム化」と言っていることが「認識の発達」「関係の発達」と呼ばれている違いはあるが、主張するところはだいたい一致するし。まぁ、こういう考え方が今は主流になっているのかな?
科学者が書いたまっとうな「男脳・女脳の違い」を読みたい人には価値がある、ということで。 -
男脳と女脳の科学的なお話。
やっぱり、後半の自閉症&アスペルガーの部分がとてもよかった。
文章も雰囲気も、誠実な感じがしてよいです。
巻末に、興味深いテストが4つ付いてます。あくまで参考程度にとですが。
目だけで気持ちを言い表す4択、さっぱりわからん。
もちろん?平均以下でした…。
共感指数は、平均値よりは低かったものの、かろうじて平均範囲内、
システム指数は平均以下。これは予想通り。
AQは36点でしたわよ。
これも順調ですな。 -
社会の影響ではなく、生物学的に平均的な男性はシステム化(インプットとアウトプットの関係を見きわめる)しやすく、平均的な女性は共感(相手と同じ感情になる、相手の感情を正確に推測する)しやすい傾向にある。
IQの低くない自閉症は極端な男性脳として理解することができる
本書では女性の攻撃性のなさを共感力の高さが原因だとしていますが、共感力は攻撃性と関係が小さいと『反共感論』という本に書いてありました。 -
2005年に出版されたとは。
もっと早く出会いたかった。 -
確かに男性と女性では、能力的に向き不向きの仕事ってあると思います。
でも女性だからとか男性だからこれをしなさいというのは、決めつけですからよくないですよ。
男性の中にも、女性の中にもそれぞれの能力に少しずつ差があります。
個人個人の能力に合わせて適材適所で仕事をすることが一番幸せな方法です。
http://ameblo.jp/nancli/entry-11726751195.html -
この本は、勝間和代氏のメルマガでの推薦本でした。まず第一の感想は「読み易い!」です。この手の科学的実験や、理屈で説明されるハードカバーの分厚い本には相応しくない読みやすさでした。
①「共感にすぐれた女性脳」と「システム化にすぐれた男性脳」について、子供の行動による性差を多くの人が親しみ易い観察で語られ、②生物学的な視点で解析し、③その両者(「共感にすぐれた女性脳」と「システム化にすぐれた男性脳」)が極端に振れた場合の例(男性脳の場合は、自閉症など)についてはこれが主題ではないかと思われるくらいの量で語られている。
そして全体をとおして感じたことは、著者は「男女の性差」による偏見や差別に基づく誤解に慎重である点。それだけ、デリケートなテーマでもあるのだろう。そのうえで、男性と女性の心の働き方の本質的な違いがどの様なものなのかが広く知られる様になり、ひとりひとりの違いが受け入れられ、誰もが尊重されるようになることを願っているのが読みとれる。
*巻末の付録の共感力をみるテストですが、予想以上に悪かった、妻は断然私より高得点まさしくタイトルどおりの結果に終わりました。2013.09.23