NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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  • NHK出版
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140815892

作品紹介・あらすじ

科学が進歩し、キリスト教的世界観が崩れ始めた十七世紀、「理性賛美」の声が高まった。そのような風潮のなかで、フランスの哲学者・数学者のパスカルは、自然科学とともに宗教と信仰の研究に打ち込む。「人間は一本の葦にすぎない。自然の中でも最も弱いものの一つである。しかし、それは考える葦なのだ」。人間の理性に基づく現代文明の脆さが露わになったいま、「考える」とは何かを探る。

感想・レビュー・書評

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  • 特別企画「上皇上皇后様御夫妻ブルーレイ65巻セット婚記念!陛下の愛読書を読んでみようのコーナー!(何かが違う)」

    はい、そういったわけでね
    先日4月10日に65回目の結婚記念日を迎えられた両陛下にちなんで、両陛下が毎日音読しているという愛読書、17世紀のフランスの哲学者パスカルの『パンセ』を読んでみよう!と、思ったんですが『パンセ』そのものはちょっと難しそうだったので『100分de名著』に逃げましたw

    うん、なんとなく理解できたような気もしなくもないんで逃げて正解だったかなw
    『パンセ』と言えば、有名な「人間は考える葦である」ですよね

    この一節がある章の全文はこんな感じ
    「人間は一本の葦にすぎない。自然の中でも最も弱いものの一つである。しかし、それは考える葦なのだ。人間を押し潰すためには、全宇宙が武装する必要はない。蒸気や一滴の水でさえ人間を殺すに足りる。しかし、たとえ宇宙が人間を押し潰したとしても、人間は自分を殺す宇宙よりも気高いと言える。なぜならば、人間は自分が死ぬことを、また宇宙のほうが自分よりも優位だということを知っているからだ。宇宙はこうしたことを何も知らない。
    だから、わたしたちの尊厳は、すべてこれ、考えることの中に存する。わたしたちはその考えるというところから立ち上がらなければならないのであり、わたしたちが満たす術を知らない空間や時間から立ち上がるのではないのだ。ゆえに、よく考えるよう努力しよう。ここに道徳の原理があるのだ。」

    人間てすげーんだぜ!だって「考える」ことができるんだからね
    だから、一生懸命「考えて」明るい未来を引き寄せようぜ!ってことだと思う(思うてw)

    はい、そして結婚65周年は正しくはブルースターサファイア婚です
    ブルーでスターでサファイアって『リボンの騎士』か!

    • 1Q84O1さん
      宣誓!
      私、1Qはブルースターサファイア婚を目指します!
      宣誓!
      私、1Qはブルースターサファイア婚を目指します!
      2024/04/28
    • ひまわりめろんさん
      じゃあわいはブルータスオマエモカ婚を目指します!
      じゃあわいはブルータスオマエモカ婚を目指します!
      2024/04/28
    • 1Q84O1さん
      それは離婚を意味するということでよろしいでしょうか…
      それは離婚を意味するということでよろしいでしょうか…
      2024/04/28
  • ブレーズ・パスカルは17世紀のフランスの数学者であり、哲学者です。パスカルの定理や、パスカルの原理といった自然科学分野でも大きな足跡を残すと同時に、「人間は考える葦である」といった有名な言葉でも知られています。

    仏文学者の鹿島茂は、パスカルの哲学者としての思想のエッセンスをわかりやすく抽出しています。人間の考えるという行為が人間の尊厳の中心にある、と主張するパスカルの思考の背景を、彼のキリスト教への信仰から辿っています。

    他にも、パスカルの言葉が随所に散りばめられています。

    「人間のあらゆる不幸はたった一つのことから来ているという事実を発見してしまった。人は部屋の中にじっとしたままではいられない、ということだ」

    37年の生涯を駆け抜けたパスカルを突き動かしていた思いが凝縮されている言葉のように感じました。

  • 就職で悩むA君、激務に追われるB子さん、定年退職したEさんなど架空の人物のお悩みにパスカルの言葉を通して答えていくスタイルでとてもおもしろく、パスカルの「パンセ」の言葉が今の私たちに伝わってきます。

    子供の教育について、というある親からの質問へのパンセの言葉が、本当にしっくりくる回答でなるほど!

    「パスカルの理論では、人は忙しい忙しいとぼやきながら、なにごとかに熱中しているときには、人生の虚しさについて考える暇がないので、けっこう幸せでいられる。」
    なるほど、その通りだわ。

  • 鹿島先生のわかりやすい文体による解説本で非常に好奇心が湧く内容となっており原書を読みたくなった。
    特に子供に受験勉強を強いた方が良いかという設問に対して、人間は暇になると人生の虚しさを感じるので、忙しい方が幸せでいられる→よって受験勉強を強いらないより強いた方が良いという説は自分の中で想定してなかったので腹落ちできた(もちろん反対意見もあるとは思うが)。
    政治家に鬱がいないのは忙しくて自分のことを考えられないからという話も興味深い。自分もプライベートで色々あり人生辛い辛いという状況であるが、人生1度きりしか無いのであえて自分から忙しい状況を作り出すことで、前に進んでいきたいと思う。そのように思えただけでも読んで良かったと思える。


  • このシリーズの中での、最高傑作だと思います。とにかく今の自分に腹落ちしました。養老先生の考えの根底にあるものと感じました!感謝、感激!

  • 人は必ず死ぬ
    存在と死を考える
    死ぬことが不孝、そのことを考えないように多忙の方がいい
    死ぬまでに〇〇をしたい、知らずになくなりたい
    いろんな価値観がある
    決めるのは本人  
    でもそれを叶えられるように周囲を整えられているのか

  • パスカルが『パンセ』を書いた目的、内容、普遍性が手堅くまとまっている。学生時代に拾い読みしかしていなかったが、改めてパンセを紐解く気持ちになった。

  • 人間は考える葦である、このワードしか知らなかったが、パスカルという人間が合理的思考を持ちながらも、デカルトのように、ロジック一辺倒ではないことに共感した。内容のエッセンスは理解したつもりだが、何度も読むごとにみかたあが変わる本なのだと思う。

  • 言っていることはわかるが、一抹の胡散臭さが漂う。そのわけが何となくわかる。

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著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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