北朝鮮は何を考えているのか 金体制の論理を読み解く

著者 :
  • NHK出版
3.40
  • (0)
  • (3)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816011

作品紹介・あらすじ

ミサイル発射、核実験、拉致問題、休戦協定の白紙化宣言…、国際社会を挑発しつづける北朝鮮の真意とは何か?冷戦およびその解体プロセスが生んだ朝鮮半島の複雑な状況や、分断国家という特異性など、北朝鮮が背負った歴史を紐解きながら、不可解な行動の背後にある北朝鮮独自の「論理」を読み解いていく。さらに、北朝鮮の政治体制の考察や国際情勢の分析を通して、北朝鮮にまつわる諸問題を解決するための方途を探る。第一人者の筆による、現代北朝鮮を知るための決定版の入門書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 基本書の良書。国際関係を主としつつ、中ソから自主性を堅持するという主体思想の意義等、内政もカバーしている。書名どおり、北朝鮮を単に「不可解なならず者国家」として片付けるのではなく、なぜそういう言動に出るのかを考察しようとするもの。
    筆者は、
    1)韓国との体制競争を依然放棄していない、
    2)西側につき米を頂点とするイメージ(実際はそれほど単純ではないが)で捉えている、
    3)体制維持のために核・ミサイルが必要不可欠と考えている、
    4)国際ルールに反した自らの行動を独自の解釈で正当化している、
    ことを北朝鮮の思考として結論付けている。

  • 2013年に出版された同書は、金正恩時代の北朝鮮を視野にいれつつ、北朝鮮と日本、北朝鮮と世界の関係に焦点をあて、その絡まった糸について丁寧に説明している。

    入門書として書かれているため、前半部分は少し退屈ではあるが、私が「知っている事実」に関しても、鋭い分析が加えられ、ハッとさせられる。

    タイトルの「北朝鮮は何を考えているのか」という問いに対する著者の整理は次の通り。

    1.依然として体制の優劣をめぐる韓国との競争を放棄していない
    2.西側諸国について、アメリカを頂点とするイメージで捉えている
    3.自らの体制を維持するために、核、ミサイルが必要不可欠
    4.国際ルールに反した自らの行動を独特の解釈で正当化すること

    こういった北朝鮮独自の論理を、北朝鮮の立場でいったん理解することが、今後の対北朝鮮政策を考えるうえで非常に重要なポイントである。

  • 北朝鮮がならずもの国家なのは西洋の基準。
    東欧の社会主義崩壊とソ連の体制崩壊は朝鮮半島の安全保障バランスを大きく狂わせた。
    主体思想は北朝鮮自身が自分たちの国家を守るために必要だった思想。これによってソ連と中国の一派を金日成は一掃した。
    北朝鮮にとってはソ連の存在は必要不可欠だった。北朝鮮と中国の関係を強化する際にもソ連の存在は必要だった。
    ロシアは安全保障の体制が完成してから、その中に入るのではなく、自らが新しい安全保障環境をつくるプロセスに関わることによって東アジアでのプレステージを高めたいという思惑を持っていた。

全3件中 1 - 3件を表示

平岩俊司の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×