- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140817025
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:467.25||N
資料ID:95160964
次のノーベル賞候補と目される、ゲノム編集技術のメカニズムと最新成果を、国内外の研究者への取材を基に明らかにしています。複雑な生命現象に、進化を続ける科学技術が対峙する瞬間を目撃したジャーナリストによるレポートです。薬学生の必読書かも知れません。
(生化学研究室 大塚正人先生推薦) -
遺伝情報を改変できるというゲノム編集についてのルポ。
番組は見ていないが、NHKでの取材を書籍化したもの。
冒頭の山中教授のインタビューで、過去25年間で最も画期的な技術というコメントがあった。その最先端の技術から賛否両論に渡る議論まで、NHKの番組を基にしていることもあり素人にも分かり易く解説されており、理解が進んだ。
例えば、ゲノム編集と遺伝子組み換えの違いが丁寧に説明されている。しかし頭では違いが理解できても、感情的には共感できない。創薬などではゲノム編集に大いに期待したい反面、本書で取り上げられる筋肉ムキムキの真鯛なんて考え込んでしまう。
最先端の技術を科学者任せにしないためにも、このような報道はとても大切だ。 -
NHK取材班がゲノム編集の革命「クリスパー・キャス9」という技術についてクローズアップ現代で放送された。本書はそれを書籍化したものとなる。
iPS細胞の山中教授が序文に書くように、この技術は「簡単である」「成功率が高い」「多様な生物に適用できる」という特長を持つことで、遺伝子工学の世界を大きく変えたと言ってよい。これまでの遺伝子組み換え技術は当てずっぽうに変更したものを戻して確認するというような偶然に頼った技術であったのが、より高確率で狙った遺伝子を編集することができるようになった。すでにクリスパー・キャス9の編集ツールのカタログまで出ていて、安い値段でオンラインで発注することもできるようになっている。あまりにも簡単にできるので、早々に生命倫理面含めた議論の整理が必要であるとも言われている。
いずれヒトの生殖細胞にも適用するという議論が起きるに違いない。遺伝的疾病の治療のためならよいのか、など倫理面で課題が起きることも想像できる。この研究では中国がかなり先行しているという話もある。倫理面と企業の研究開発力の問題でもあるのかもしれない。 -
ゲノム編集は特定遺伝子を正確に壊す技術で,数百年かかる生物の変化を数年で起こすことができるといいます。神の領域にも近いこの技術は,今どこまで進んでいるのでしょうか。そしてそこから開かれる新しい世界は,果たして人間に何をもたらすのでしょうか。
-
図書館で借りた本。ゲノム編集とは遺伝子組み換えとは違い狙ったDNAを切り取りして編集する事。遺伝子操作をしているには違いない。狙った場所が分かるのはクリスパー・キャス9と言う技術。クリスパー・キャス9はノーベル賞受賞は間違いないと言われている技術。2016年に日本でゲノム編集の学会も開催され、農業畜産植物海洋食物医学などの研究者が参加。遺伝病やHIVやガン等の治療効果にも期待できそうなゲノム編集ではあるが、研究者や企業の倫理面も必要。ゲノム編集作業は簡単で通販で一式購入できるようになっているそうだ。ある意味怖い。個人的には寿命や天命に逆らってまで生命伸ばしても意味は無いと思っているし、ゲノム編集した米や魚や肉や野菜は食べたいと思えない。
-
2016年度系推薦図書 4系(環境・生命工学系)
【配架場所】 図・3F開架
【請求記号】 462.2||NH
【OPACへのリンク】
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/177643 -
請求記号 467.3/N 71
-
この本を読むまではゲノム編集とは何だろうと思いましたが、なるほど品種改良や遺伝子組み換え、ゲノム編集の違いがよくわかりました。
食品やエネルギー問題医療などゲノム編集の持っている可能性は非常に高い。
食品に関しては、遺伝子組み換えとゲノム編集の違いが非常に興味深かった。
簡単に言えば遺伝子組み換えは足し算の発想でゲノム編集は、引き算の発想で、根本的な仕組みが違います。
科学の進歩にはどうしても倫理的な問題が出てきますがゲノム編集の可能性に関しては非常に期待を込めたいです。 -
植物の細胞壁が最新技術のゲノム編集を物理的に阻んでいるなんて、自然界って深い。
その一方で、ゲノム編集ツールをNPO法人がネット通販するなんて、技術革新の相互作用ってスゴイ。
一旦「ヒトゲノム編集国際会議」で臨床応用は禁止。 遺伝子治療の臨床研究側からもストップがかかってるとな。と言っても、基礎研究を続けて技術的に発展すれば、いずれ致死的な遺伝的変異に対して有効になるのは時間の問題だろうし。倫理観一つを盾に、目の前の救える命をスルーできるとは思えないけどね。
なんだかんだ言っても、消費者感情を慮って「角の無い牛」の写真NG、なんて辺りが現在の現実。