- Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140817766
感想・レビュー・書評
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冷戦後の有人飛行への情熱を持ち続けているのは米国の億万長者達…ってなんだか世知辛い気もするが、コレが21世紀リアル。倫理的な問題はさておき、議会を動かして税金を使うより、彼らが小切手を切る方がまあ〜話は早いわな。
一方で、全く別のアプローチもあり。小さけりゃ移動も楽でしょってんで、切手大の「ナノシップ」を宇宙へ…ってのが「ブレイクスルー・スターショット」。晩年のホーキング博士がロシアの富豪と組んでたらしい。
こういう本を読むといつも、SF作家達の影響の大きさにビックリするが、更に学者達も負けていない。
凡人にできることは結実の上前をハネるための長生きくらいか…
とまあ、これだけ人類の未来への青写真を煽っといて、「穴居人の原理」をぶちかまされ。あーもう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトル通りなんですが、人類がいかにして地球を出て、他の惑星に到達し、そこでどのように生き残るのか、という話をわかりやすくまとめた本。ロケット工学、テラフォーミング、人体改造、天文学、AI、量子論、超ひも理論といった20世紀の技術工学から最先端の理論物理学まで、かなり広域な科学と技術の話を数式やややこしいデータをいっさい使わずにだれにでもわかるように1冊につめこんでいます。
ぼくの好きなマンガの1つに「銃夢 Last Order」(さいきんハリウッドでヒットした「アリータ:バトルエンジェル」の原作)がありまして。その作品世界は1999年に地球に巨大隕石が衝突し、いったん人類が滅亡しかけます。生き残ったわずかな人類の中から強力なリーダーシップで文明を再興し、ひたすら宇宙進出を目指すアーサーという独裁者が登場します。彼は治安や福祉といった社会の安定を犠牲にしてでも宇宙エレベータの建設を最優先し、反対派も強硬に弾圧したことで命を狙われます。「なぜそこまでして宇宙を目指すのか? まずは地球を発展させてからでいいのでは?」という問いかけに対してアーサーが「宇宙に行くのは夢や憧れじゃない、人類のサバイバルにとって必要なんだ!」って熱弁を振るう超カッコいいシーンがあり、「人類、宇宙に住む」でもそういう話がされています。ぼくも宇宙進出は民主主義よりも大事だと思います。われわれは宇宙に行かなきゃいけないんです。
なんか仕事に役立つ知識が得られるかと言われるとわかんないけど、時間のある時でもお読みいただければ、このつぎに夜空を見上げた時にいままでとちがった見方ができるんではないかと。そういうのってステキやん……。