- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885116
作品紹介・あらすじ
二〇一六年三月、人工知能の囲碁プログラム「アルファ碁」が世界ランクの棋士を破った。羽生善治は、その勝利の要因を、「人工知能が、人間と同じ"引き算"の思考を始めた」とする。もはや人間は人工知能に勝てないのか。しかし、そもそも勝たなくてはいけないのか-。天才棋士が人工知能と真正面から向き合い、その核心に迫る、"人工知能本"の決定版。
感想・レビュー・書評
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天才棋士が、人工知能研究者との対話などを通じて、人工知能とは、ひいては知性とは何かを探究する。
将棋も人工知能も詳しくないが、それでも非常に分かりやすく、人工知能のイメージがわいた。
正直、読む前は、人工知能のことを知るなら人工知能の専門家か、少なくとも記者やライターが取材して書いた本がよいのでは?と思っていたが、実際に読んでみると、天才棋士とAIという組み合わせがとてもよかった。というか羽生さんの探究心がすごい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今となっては古い内容なのだと思うけど。この分野の初心者としては、専門家諸氏の書いた本より棋士という門外漢の方が書いたもののほうが面白いかと思って読んでみた。
羽生さんは独特の文体をお持ちですね。
羽生さんは棋士としての 「美意識」ということをいわれる。
それは「定石」とはまた違って、プロとしてたくさんの棋譜をみてはぐくんできたものであるらしい。
「美意識」は時間と恐怖心からつくられているとかいろんなことを言われる。私は将棋はできないのでそれがどんなものかはちょっとわからない。
また、同じ棋士でも、たとえば藤井聡太さんとかは違うアプローチをしてらっしゃるかもしれないなと思う。
人工知能は、本当に考えているのか?
単に、計算しているだけなのに。
アルゴリズムは、考えているといえるのか?
「誤差逆伝播法」ー引き算の世界。
モンテカルロ法というものを使っているらしい。
人工知能には 「恐怖心がない」
人間の棋士の盲点をつくことができる。
が、それが弱点にもつながるのかもしれない。
将棋の手順は
「直観」ー「読み」ー「大局観」
平面の2次元の認識と空間認識が違う。
将棋は 平面であるが故に 人工知能が取り扱える。
小説は「共感」が求められるものには、
心が欠かせないので、難しくなる。
(もうAIで小説は書かれているかもしれない)
「接待」将棋は 難しい。
人間の心に沿って、手ごころ加える→「教育」の本質
PEPPERには 感情地図がある。
機械に感情はいらないのでは、という専門家もいる。
「オラクル型」 データを大量に扱う
「ジニー型」何をすべきかが提示される。
「ソブリン型」自律的な行動をする。
☆「失敗からの復活」こそが人間の人間たる所以。
むしろ機械のほうが、感情がないから、心が傷つくことがなく、プログラム通り何度もトライすることができるかもしれない。
傷つく、恐怖心といった人間の「弱さ」がポジティブポイントなのかもしれない。 -
背ラベル:007.13-ハ
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人工知能のすごい話はよく聞くので、人工知能ができないこと、をたくさん集めたこの本はとても興味深かった。ハンカチがたためないとか。かわいすぎる。
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時間の概念は、人工知能にはない。
あの匂いを嗅いで思い出すエピソードとか、音楽の一部フレーズを聞いた時に思うこと、五感の要素も人工知能にはない。
人間にあるものは、そのさまざまな五感で感じ、結びついた記憶と時間の蓄積。
人工知能が優れたいることは、記録である。場所日付を正確に「記録」することができる。
美意識を人工知能がもつ日がくるのも、時間の問題なのかもしれない。
これから失われるもの、変化していくものを見極めて生きたい -
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685202 -
羽生善治さんのわかりやすい語り口で人工知能という最先端の問題について触れることができた。自分の生活にも直結してくるであろう人工知能をどう使うべきなのか、今後考えていくきっかけになった。
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将棋の羽生さんが人工知能の本を書いてる、という興味から本書を手にとった。4年前の本なので、内容には古いところがあるかもしれないけれど、IT知識なしの自分には人工知能とはなんぞやがわかりやすい文章でよどみなく書かれていた。