生きものは円柱形 (NHK出版新書 540)

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  • NHK出版
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885406

作品紹介・あらすじ

私たちの指や血管は、円柱の形をしている。いやいや、ナマコやミミズ、ゾウの鼻やネコの胴体だって-。なぜ自然界にはかくも円柱形が溢れているのだろうか?生きものが総じてやわらかいのはどうしてだろうか?物理的時間とは異なる、生きものの「円い」時間とは?私たちが五感で捉えることのできる実感を手掛かりに、生きものの本質へと大胆に迫る、本川生物学の真骨頂!

感想・レビュー・書評

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  • 生物の構造は円柱が多いという点に着目した生物学

    小学5年生の教科書にも載っているそうだ

    高校の生物でやった内容を知っていればスラスラ読める

    第1章 生きものは円柱形
    第2章 生きものは水みずしい
    第3章 生きものはやわらかい
    第4章 生きものの建築法
    第5章 動物は動く
    第6章 サイズと動き
    第7章 時間のデザイン


    生物が球形を基本にするのは、生物の主成分が水であり
    表面張力の関係からというのは容易に想像できる
    では、なぜ円柱なのか?と問われると、もうちょっと違った角度からのアイデアが必要になる

    小さければ小さいなりに、大きければ大きくなるための構造が必要であり
    必要に応じて柔軟性、堅牢性、拡張性など様々な利点があって円柱刑になっているのがわかる

    生物のデザインとは何と合理的なのか、と改めて驚かされる

  • 2018/1/29 Amazonより届く。
    2019/4/1〜4/4

    形にこだわった本川先生の本。非常に面白いなぁ。高校生くらいでこれを読んだら、生物学をやりたくなっただろう。最後の時間の話は「象の時間、ネズミの時間」と同じだ、と思ったら、20年前の本の再販なんだ。ちっとも古臭くなくて、それにもビックリ。

  • ふむ

  • 【2019年度「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
    風間 俊治 先生の推薦図書です。

    <推薦理由>
    これからの工学は、理学をはじめ、益々、異分野との融合が進みそうです。
    いわゆる、バイオミメティクスもそのひとつ。ゾウやネズミの時間軸と同じく、皆さんも、将に目から鱗が落ちる思いになるでしょう。

    図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
    http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00359058

  • 同著者による「ゾウの時間、ネズミの時間」と重複している部分もあるが、生物の構造を人工物と比較して合理性を見て行ったり、代謝時間や1日あたりの代謝エネルギーで生き物が感じる時間は相対的なものとなる見方は非常に面白い。 ドーキンス博士の利己的な遺伝子への批判をはじめ、生き物に対するより温かい感情や、独特な世界観が語られている

  • 五年生の教科書にでてくるお話し

  • 生き残るために、新たな機能が必要となる
    その機能を発揮する機関をいれるスペースが必要となり、
    大きくなる。
    そうすると、物理法則に逆らうべく、小さい時とは異なる仕組みが必要となる。

    小さい時は、表面積が相対的に大きく、距離も小さいので
    繊毛でうごき、拡散でエネルギー伝達する
    大きくなると体積が相対的に大きくなり、距離も大きくなるために、筋肉や循環器系が必要になる

    また、時間も体調に比例する
    これも、きっと、小さいほど、食われやすいから
    早く次にバトンタッチが必要。
    ほんとうは、大きいものがあとからきたろうから、
    逆で、大きいほど、成長に時間がかかるから、
    ゆっくり生きる、となるのだろうか。

  • 生き物の時間が最後の章に
    生き物はみずみずしく丸く柔らかい
    人工物は固く四角い
    時間は体重に比例
    大きな物ほど時間がゆっくりと流れる
    一生に使うエネルギーは一定
    現代人は多くのエネルギーを使う
    時間は早く流れる

  • バクテリアの推進力は「バクテリアべん毛」をぐるぐると回転させて進むというのが面白い。しかも生物では唯一の存在らしい。

    時間の概念も興味深くとらえられた。

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著者プロフィール

生物学者、東京工業大学名誉教授。

「2019年 『生きものとは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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