- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140885406
作品紹介・あらすじ
私たちの指や血管は、円柱の形をしている。いやいや、ナマコやミミズ、ゾウの鼻やネコの胴体だって-。なぜ自然界にはかくも円柱形が溢れているのだろうか?生きものが総じてやわらかいのはどうしてだろうか?物理的時間とは異なる、生きものの「円い」時間とは?私たちが五感で捉えることのできる実感を手掛かりに、生きものの本質へと大胆に迫る、本川生物学の真骨頂!
感想・レビュー・書評
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生物の構造は円柱が多いという点に着目した生物学
小学5年生の教科書にも載っているそうだ
高校の生物でやった内容を知っていればスラスラ読める
第1章 生きものは円柱形
第2章 生きものは水みずしい
第3章 生きものはやわらかい
第4章 生きものの建築法
第5章 動物は動く
第6章 サイズと動き
第7章 時間のデザイン
生物が球形を基本にするのは、生物の主成分が水であり
表面張力の関係からというのは容易に想像できる
では、なぜ円柱なのか?と問われると、もうちょっと違った角度からのアイデアが必要になる
小さければ小さいなりに、大きければ大きくなるための構造が必要であり
必要に応じて柔軟性、堅牢性、拡張性など様々な利点があって円柱刑になっているのがわかる
生物のデザインとは何と合理的なのか、と改めて驚かされる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【2019年度「教職員から本学学生に推薦する図書」による紹介】
風間 俊治 先生の推薦図書です。
<推薦理由>
これからの工学は、理学をはじめ、益々、異分野との融合が進みそうです。
いわゆる、バイオミメティクスもそのひとつ。ゾウやネズミの時間軸と同じく、皆さんも、将に目から鱗が落ちる思いになるでしょう。
図書館の所蔵状況はこちらから確認できます!
http://mcatalog.lib.muroran-it.ac.jp/webopac/TW00359058 -
同著者による「ゾウの時間、ネズミの時間」と重複している部分もあるが、生物の構造を人工物と比較して合理性を見て行ったり、代謝時間や1日あたりの代謝エネルギーで生き物が感じる時間は相対的なものとなる見方は非常に面白い。 ドーキンス博士の利己的な遺伝子への批判をはじめ、生き物に対するより温かい感情や、独特な世界観が語られている
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五年生の教科書にでてくるお話し
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生き残るために、新たな機能が必要となる
その機能を発揮する機関をいれるスペースが必要となり、
大きくなる。
そうすると、物理法則に逆らうべく、小さい時とは異なる仕組みが必要となる。
小さい時は、表面積が相対的に大きく、距離も小さいので
繊毛でうごき、拡散でエネルギー伝達する
大きくなると体積が相対的に大きくなり、距離も大きくなるために、筋肉や循環器系が必要になる
また、時間も体調に比例する
これも、きっと、小さいほど、食われやすいから
早く次にバトンタッチが必要。
ほんとうは、大きいものがあとからきたろうから、
逆で、大きいほど、成長に時間がかかるから、
ゆっくり生きる、となるのだろうか。
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生き物の時間が最後の章に
生き物はみずみずしく丸く柔らかい
人工物は固く四角い
時間は体重に比例
大きな物ほど時間がゆっくりと流れる
一生に使うエネルギーは一定
現代人は多くのエネルギーを使う
時間は早く流れる -
バクテリアの推進力は「バクテリアべん毛」をぐるぐると回転させて進むというのが面白い。しかも生物では唯一の存在らしい。
時間の概念も興味深くとらえられた。