日本美術の底力: 「縄文×弥生」で解き明かす (NHK出版新書 619)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140886199

作品紹介・あらすじ

縄文・弥生から現代まで――これが「ジャパン・オリジナル」の想像力だ!

過剰で派手な「縄文」と簡潔で優雅な「弥生」という2つの軸で、古代から現代までの日本美術を軽やかに読み解く! なぜ独創的な絵師が美術史から締め出されたか? 雪舟、等伯、若冲らは何がすごいのか? 日本的想像力の源流とは? 国宝、重文を含む名品の数々をオールカラーで掲載した、著者の初新書!

序 章 日本美術の逆襲
第一章 なぜ独創的な絵師が締め出されたか
第二章 「ジャパン・オリジナル」の源流を探る
第三章 「縄文」から日本美術を見る
第四章 「弥生」から日本美術を見る
第五章 いかに日本美術は進化してきたか
終 章 日本美術の底力とは何か

感想・レビュー・書評

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  • 雪舟 等 楊、 狩野永徳、円山応挙、 葛飾北斎 といったビッグ

    Location: 136

    曽我蕭白、 長 沢 芦 雪、 鈴木 其 一、 狩野 一 信、

    Location: 139

    円山

    Location: 152

    動と静、過剰と淡白、 饒舌 と 寡黙、あるいは飾りの美と余白の美。これらはそれぞれ「縄文」と「弥生」という日本の二大類型になぞらえることができ

    Location: 178

    雪舟の絵は凄いと思います。凄いけれど、ちょっとヘン。ヘンだからこそ凄いし、面白いのです。  どこがヘンかというと、実際の景色を描いているようで、実は抽象に片足を突っ込んでいるところでしょうか。教科書にも載っている国宝「秋冬山水図」の冬景を観ると、それがよくわかり

    Location: 1112

    一九七五年にはエリザベス女王が龍安寺を公式訪問して石庭を絶賛し、折からのZENブームとあいまって大きな注目を集めるようになりまし

  • 長谷川等伯の松林図屏風に代表されるような、洗練されたたたずまいの「弥生」の美術が長年評価されてきたが、近年、曾我蕭白の群仙図屏風のようなどぎつい「縄文」の美術が再評価され、注目されてきている。

    日本の美術史が持つ「縄文」と「弥生」のふたつの流れを、とりわけ「縄文」の系譜に繋がる作家を取り上げながらわかりやすく紹介している一冊だ。

    雪舟や長谷川等伯など弥生の代表のように思われている作家たちにも実際には縄文の一面があったり、実際の作品を豊富な図版で紹介しながらされる説明は美術の素人にもしっくりくる。
    新しい美術の見方、楽しみ方を知ることができた。

  • 知らないコトがいっぱいあった。
    とても勉強になった。
    でもそれ以上に、この仕分けが斬新!
    これから何を観ても、
    「これ縄文やな」「こっちは弥生系やな」
    と仕分けしそうです。

  • 縄文と弥生のハイブリットが日本美術の特徴

    縄文 大陸との交流がない「ジャパン・オリジナル」
    戦前は古墳時代より前は神話の時代
    「みづゑ」の岡本太郎の縄文土器論 1952年

    岩佐又兵衛「洛中洛外図屏風」「山中常盤物語絵巻」
    伊東若冲 「群鶏図」超絶リアルだが現実離れ
    葛飾為一 「富花入れ岳三十六景」「諸国瀧廻り」
          60代後半から70代半ばの北斎の用いた号
    石川雲蝶 「道元禅師猛虎調伏の図」
          やりすぎのスーパーデコラティブ 
    佐藤玄々 「天女(まごころ)像」美しい奇形
         のべ10万人の匠 三越日本橋本館中央ホール

    端正で優美な弥生的な美の系譜 「削る」美

    平安以前の「白描画」均質な墨線
    水墨画 最先端の墨のグラデーション
     雪舟 「破墨山水図」宋国留学の長文 半抽象画 
     能阿弥「花鳥図屏風」
     長谷川等伯「松林図屏風」16c末

    千利休 「待庵」たいあん 16c末
       二畳、躙口、竹の花入れ、黒楽茶碗 銘・ムキ栗
     
    龍安寺 石庭
     人気になったのは
     国鉄「ディスカバー・ジャパン」キャンペーン以降
     鈴木大拙 ZEN

    狩野探幽「雪中梅竹鳥図」1634年 江戸狩野派≒ゼネコン
    久隅守景「納涼図屏風」17c

     

  • この手の美術の解説本は好きくない(、と思っていた。)
    結局、美術展のコマーシャルであり、美術展が大入りするとアート人気に便乗して本を出し、美術展でにわかファンになった人に向けてそれっぽいこと言って囲い込み、美術展に人を呼んでいるだけで、そもそもアートは、本で能書きを読むより、百聞一見、美術展に足を運びこの目で見て、作品に正面からあい対したときの感動!を考えると、本でグダグダ語るのは野暮だろう(、と思っていた。)


    コロナ禍で、美術館に行けないときとか、こういうの最高ですね。

  • グイグイ読ませる。エネルギー溢れる乱暴力と端正で魂を沈める清明さの両方が日本美術の水脈であった。新しい作家、作品に触れられて嬉しい。

  • <目次>
    序章   日本美術の逆襲
    第1章  なぜ独創的な絵師が締め出されたか
    第2章  「ジャパン・オリジナル」の源流を探る
    第3章  「縄文」から日本美術を見る
    第4章  「弥生」から日本美術を見る
    第5章  いかに日本美術は進化してきたか
    第6章  日本美術の底力とは何か

    <内容>
    曽我蕭白や伊藤若冲、長沢蘆雪を見出してきた辻惟雄の弟子、山下裕二の本。もうちょっとビジュアルがほしかったが、新書としては十分か?絵金や石川雲蝶、安本亀八などが紹介されるのもうれしいし、現代の山口晃、会田誠らの紹介もすごいし、田中一村、狩野一信、甲斐庄楠音など、まだまだ知らない画家のスゴイ作品を紹介されると、日本美術はやはりスゴイ!と思う。

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著者プロフィール

美術史家、明治学院大学文学部芸術学科教授。1958年、広島県生まれ。東京大学大学院修了。室町時代の水墨画の研究を起点に、縄文から現代まで幅広く日本美術を研究している。著書に『日本美術の底力 「縄文×弥生」で解き明かす』(NHK出版)、『未来の国宝・MY国宝』(小学館)、『日本美術の二〇世紀』(晶文社)、共著に『驚くべき日本美術』(集英社インターナショナル)、『日本美術応援団』(筑摩書房)ほか多数。

「2022年 『伊藤若冲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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