- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140886977
作品紹介・あらすじ
ヒミコは二人いた? 東遷は何度もあった? 気鋭の作家が古代史の謎に切り込む!
「歴史的なあの事件」は本当に教科書どおりに起こったのか? いや、私はこう考える――。歴史を題材にした小説作品に定評のある著者・周防柳が、松本清張、井上靖、邦光史郎、黒岩重吾、永井路子ら往年の大作家から、澤田瞳子、坂東眞砂子、さらには諸星大二郎、安彦良和ら漫画家まで、彼らが自作で展開した諸説を紹介しながら、自らも事件の背景や人物像を考察していく、学校では絶対に教えない、スリリングな古代史入門書。
第一章 邪馬台国は二つあったか――大和と筑紫の女王卑弥呼
第二章 神武は何度東遷したか――記紀神話と初期大和政権
第三章 応神天皇はどこから来たか――河内王朝と朝鮮半島
第四章 大王アメタリシヒコとは何者か――馬子と推古と厩戸皇子
第五章 天智と天武は兄弟か――対立から見た白村江、壬申の乱
第六章 カリスマ持統の狙いは何か――不比等と女帝たちの世紀
古代史小説ライブラリー(神話世界~八世紀奈良時代)
感想・レビュー・書評
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この本で言う「古代史」の範囲は、何らかの文書に記録が残っているところから始まり、奈良時代の終わりまで。
年代順にテーマを決めた章ごとに、時代のあらましと、どんな記録があって(簡単に)、どういった見方がされているか、または論争があるかの説明。
具体的に作品を取り上げ、歴史的事件や人物をどう見て、どの学説を採用しているか、またはその作家なりのどんなオリジナル視点を入れているかなどを解説する。
そして、その時代について、周防さんがどの見方を押しているか、どう考えているかを記してまとめている。
と言う、スッキリしてとてもわかりやすい作り。
個人的には、欽明天皇くらいになって、「やっと知ってる人来たーーー!」と言う感じで、ほっと安心する。
人となりを知っているのではない。
「日出処の天子」で系図に載っていた覚えがあるから。
私にとっては印象的な作品で、蘇我馬子と聞いたらあの顔しか思い浮かばないのである。
その、欽明天皇以前は、全く知らないわけではないが、名前がややこしくて覚えられない。
しかも、あったのかどうか分からない歴史なわけで。
第一章丸ごと「邪馬台国」に割いているが、卑弥呼、どうしてあんなに流行ったのかしらね〜?!(笑)
あったかどうか分からない歴史だけあって、作品の傾向は、ファンタジーだったりSFっぽかったりする。自分も、昔読んだ。
都合のいい解釈も小説ならいいが、「皇国史観」みたいな利用の仕方はちょっとね。
紹介されている小説は42作(で合ってる?)だが、巻末の『古代史小説ライブラリー』がすごい。
所々にいいタイミングで挿入されている系図も親切。
懐かしい作品もたくさん紹介されていた。
気になった人物は「漢皇子(あやのみこ)」かな?
『白村江』と『穢土荘厳』は読まなくちゃ、と思った。
第一章 邪馬台国は二つあったかーーー大和と筑紫の女王卑弥呼
第二章 神武は何度東遷したかーーー記紀神話と初期大和政権
第三章 応神天皇はどこから来たかーーー河内王朝と朝鮮半島
第四章 大王アメタリシヒコとは何者かーーー馬子と推古と厩戸皇子
第五章 天智と天武は兄弟かーーー対立から見た白村江、壬申の乱
第六章 カリスマ持統の狙いは何かーーー不比等と女帝たちの世紀詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書店でふと見かけて、ブックガイドとしての側面を期待してゲットしたもの。なんせ著者のことも未知だったし。不明な部分の多い神話の時代から奈良時代あたりまでを、小説の読解を通じて想像してみよう、っていう内容。読みたくなった小説はあまり見つからなかったけど、この時代に対する興味は沸きました。