ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』 2018年9月 (100分 de 名著)
- NHK出版 (2018年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230907
感想・レビュー・書評
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「ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』」和田忠彦著、NHK出版、2018.09.01
123p ¥566 C9497 (2018.09.28読了)(2018.08.27購入)
Eテレのテキストです。
『薔薇の名前』は、いつか読んでみたいとは思っていたので、近いうちに読んでみようと思います。映画は、テレビで放映されたときに見たように思います。
物語の時代は、1327年11月末。場所は、北イタリアのベネディクト会修道院。
ダンテの『神曲』が書かれたのが、1321年。ボッカチオの『デカメロン』が1351年に書かれているので、このころの時代ということになります。『デカメロン』は、縮約版で読んだのですが、『神曲』は、積読です。
図書館に収蔵されている本をめぐっての事件が主題のようです。グーテンベルグが、聖書を活版印刷で印刷したのが、1455年ということですので、物語の時代の本は、ほとんど写本ということになるだろうと思います。
本の題名の『薔薇の名前』は、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のセリフ
『バラはどんな名前で呼ぼうともよい香りがする、どんな名前で呼んでもバラはバラ』
から思いついた、とのことです。
作中に出てくる本は、アリストテレスの『詩学』、「新約聖書」の『ヨハネの黙示録』などです。
【目次】
【はじめに】いざ、知の迷宮へ
第1回 修道士は名探偵?
第2回 知の迷宮への旅
第3回 「異端」はつくられる
第4回 謎は解かれるのか
☆関連図書(既読)
「ウンベルト・エーコの文体練習」ウンベルト・エーコ著、新潮文庫、2000.09.01
「デカメロン物語」ボッカチオ著・野上素一訳、現代教養文庫、1969.07.30
(2018年9月30日・記)
内容紹介(amazon)
「知の迷宮」に挑む!
14世紀、北イタリアの修道院で連続殺人事件が起こる。これは「ヨハネの黙示録」に示された世界の終末の光景なのか──。世界30か国以上で翻訳され、映画化も果たすなど、多くの人々の心をとらえてやまない『薔薇の名前』。世界的記号学者ウンベルト・エーコはなぜこの「小説」を書いたのか? 20世紀を代表する知性がつくり出した「知の迷宮」の謎に迫る。 -
毎週、番組の放送をまず視聴して、その後テキストの該当箇所を読むという楽しみ方をしたのですが、番組内では触れられなかった(たぶん、放送時間的に全部は盛り込めなかったんだろうなぁと…)話がテキスト版の方にはちょいちょい入っているので、今回のこのテキストは買って良かったテキストですね。
この作品の多元的な楽しみ方、アンチミステリとしての位置づけ、エーコの諧謔精神など、作品を読んでたときには意識しなかった視点を得ることができて、もう一回読み直したくなります。