司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月 (NHKテキスト)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784142231546

作品紹介・あらすじ

小説として描かれた、司馬遼太郎の「家康論」

織田信長、豊臣秀吉と並ぶ戦国時代の英傑であり、260年に及ぶ江戸時代の礎を築いた徳川家康に、作家・司馬遼太郎が真っ向から対峙して書き上げた小説『覇王の家』。この作品から、司馬の鋭い人物観察眼と歴史への洞察力によって浮かび上がる、知られざる家康の性格、またそれを育んだ風土や文化に根付いた気質や価値観などを読みといていく。
同時に、他の司馬作品とは異なる本書の特徴に注目しながら、司馬がいかに歴史や社会と切り結んだのか、その視点と方法に改めて光を当てていく。
現在、まさに家康の物語に取り組んでいる歴史小説家・安部龍太郎氏の解説で、『覇王の家』をより深く味わうガイドとなる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • NHK大河ドラマとのコラボなのかもしれませんが、以前読んだ「覇王の家」を番組で取り上げていましたので、番組を見た上で読んでみました。
    司馬遼太郎氏の歴史小説の作品は、幕末ものを中心に読んできましたが、徳川家康公関係の作品だと、映画化された「関ヶ原」、大坂の陣を描いた「城塞」、そして、若い頃を中心に描いた、この「覇王の家」です。
    司馬氏は、あまり家康公を好意的に描いていなかったのですが、生まれた三河地方の特色や人柄などから、家康公を描いており、よく知られた江戸幕府までの歴史ではない、違う形で描かれます。
    著者の安部氏は、徳川家康公の小説を出しており、本書では番組では紹介されなかったような詳細が描かれ、参考になります。また時間があるときに、「覇王の家」を読み返してみたいと思います。

    <目次>
    【はじめに】唯物史観、進歩史観に対抗する「人間史観」の物語
    第1回 「三河かたぎ」が生んだ能力
    第2回 「律義さ」が世を動かす
    第3回 人生最大の戦果はこうして生まれた
    第4回 後世の基盤をどう築いたか

  • 改めて番組を通して、覇王の家を振り返る。この作品あたりから司馬さんが小説から方向転換したのは、新たな発見。更に司馬作品に興味を抱きました。安部龍太郎氏の作品にも触れてみたい

  • 「覇王の家」
    より深く知る事が
    出来て良かった

  • 「司馬遼太郎『覇王の家』」安部龍太郎著、NHK出版、2023.08.01
    99p ¥600 C9493 (2023.09.08読了)(2023.07.27購入)

    【目次】
    【はじめに】唯物史観、進歩史観に対抗する「人間史観」の物語
    第1回 「三河かたぎ」が生んだ能力
    第2回 「律義さ」が世を動かす
    第3回 人生最大の戦果はこうして生まれた
    第4回 後世の基盤をどう築いたか

    ☆関連図書(既読)
    「どうする家康(一)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2022.12.10
    「どうする家康(二)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.03.20
    「どうする家康(三)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.07.25
    「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「梟の城」司馬遼太郎著、新潮文庫、1965.03.30
    「城塞(上)」司馬遼太郎著、新潮社、1971.12.20
    「城塞(中)」司馬遼太郎著、新潮社、1972.01.20
    「城塞(下)」司馬遼太郎著、新潮社、1972.02.20
    「家康(一)自立篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2016.12.20
    「家康(二)不惑篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2018.10.25
    「浅井長政の決断」笹沢左保著、角川文庫、1990.10.10
    (アマゾンより)
    小説として描かれた、司馬遼太郎の「家康論」
    織田信長、豊臣秀吉と並ぶ戦国時代の英傑であり、260年に及ぶ江戸時代の礎を築いた徳川家康に、作家・司馬遼太郎が真っ向から対峙して書き上げた小説『覇王の家』。この作品から、司馬の鋭い人物観察眼と歴史への洞察力によって浮かび上がる、知られざる家康の性格、またそれを育んだ風土や文化に根付いた気質や価値観などを読みといていく。
    同時に、他の司馬作品とは異なる本書の特徴に注目しながら、司馬がいかに歴史や社会と切り結んだのか、その視点と方法に改めて光を当てていく。
    現在、まさに家康の物語に取り組んでいる歴史小説家・安部龍太郎氏の解説で、『覇王の家』をより深く味わうガイドとなる一冊。

  • 相変わらずの分かりやすさ。
    どのテキストも発見がある

  • 自分は歴史好きなのにも関わらず、歴史小説をほぼ読まないし興味もない。理由は、歴史の史実が好きなのであって、脚色された物語に意味がないと感じていたからだ。
    しかし自分が歴史好きになったきっかけを思い出すと、戦国時代のロマン溢れる群像劇やストーリーであり、それらは言わずもがな司馬遼太郎を中心とする歴史小説家の影響を強く受けていることに気づいた。歴史小説は、歴史を学ぶきっかけを作る重要なピースであり、ブックオフに無駄にでかい専用スペースが作られるほど人気な理由が少しわかった気がする。

  • Eテレで

    1,三河かたぎが生んだ能力
    生まれから、三方ヶ原まで
    三河で生まれた性格能力 中世的 農業国的

    2,律儀さが世を動かす
    築山殿事件 己を責めて他人を責めるな
    富士遊覧 信長とのつながり 信長のビジョンに心酔
    伊賀越え

    3,人生最大の戦果はこうして生まれた
    小牧長久手の戦い 

    4,後世の基盤をどう築いたか
    三河かたぎの閉鎖性

  • 司馬遼太郎読んだことないなー 歴史小説あんまり読まない 第4回の構造主義からポストモダニズムへ?みたいなところは興味があったけど前提知識がないのと駆け足感があってよくわからなかった 機会があればそういうテーマの本を読もうかな

  •  安部龍太郎が考える、司馬遼太郎の家康解釈論である。
    内容が実に面白い。

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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