世界史のリテラシー ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか: バビロニア捕囚 (教養・文化シリーズ)

著者 :
  • NHK出版
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本棚登録 : 201
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144073076

作品紹介・あらすじ

バビロニアに強制移住された半世紀――彼らはそこで「神」と「聖書」を生み出した世界の今を解くカギは、すべて歴史の中にある――。誰もが一度は耳にしたことがある「歴史的事件」と、誰もが疑問を抱く一つの「問い」を軸に、各国史の第一人者が過去と現在をつないで未来を見通す新シリーズの第4弾! 世界中で長い期間にわたって迫害されたユダヤ人。なぜ彼らは迫害されたのか? そして彼らはいつから存在し、なぜ世界の各地に散らばって生活していたのか? さらには迫害のなかで、どのようにして自分たちのアイデンティティを保つことができたのか? 紀元前の中東で半世紀以上にわたって拘束された「バビロニア捕囚」をキーワードに、知っているようで実は知らない「ユダヤ人」の成り立ちを見る。

感想・レビュー・書評

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  • イスラエル問題のルーツを解き明かす――『世界史のリテラシー ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか ~バビロニア捕囚』で歴史から「今」を見通す。 | 株式会社NHK出版のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000801.000018219.html

    「ユダヤ人」のルーツとは何か 「バビロニア捕囚」から読み解く 『ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか ~バビロニア捕囚』 | BOOKウォッチ(2023/11/12)
    https://books.j-cast.com/topics/2023/11/12022261.html

    【書評】 『ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか』 長谷川修一 - キリスト新聞社ホームページ(2024.03.01)
    https://www.kirishin.com/book/65291/

    イスラエル問題のルーツを辿る。ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか【世界史のリテラシー:長谷川修一】 | NHK出版デジタルマガジン(2023/11/10)
    https://mag.nhk-book.co.jp/article/40529

    研究者詳細 - 長谷川 修一
    https://univdb.rikkyo.ac.jp/view?l=ja&u=100001072

    世界史のリテラシー ユダヤ人は、いつユダヤ人になったのか バビロニア捕囚 | NHK出版
    https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064073072023.html

  • 古代の事が書かれているので
    正直言って
    ひとつひとつの事象を
    理解したとは言いがたい

    ふんわりと
    流れを感じる程度の理解で読了

    改めて歴史の重層を感じた

  •  ユダヤ人はなぜ世界中で迫害されるようになったのか、そのことが知りたかった。それは、どのようにユダヤ人になったのか、ということと深く関係している・・と思ったからである。


     しかし、本書は「ユダヤ人は、いつユダヤ人になったか」という書名の通りの本であった。バビロニア捕囚がヘブライ語聖書を編み出し、一神教のユダヤ教、キリスト教、イスラム教を作り出していった。今に続く歴史、物語である。

     世界中どこにいても聖典としてのヘブライ語聖書の内容に従って生きる、そのことが支配的になったキリスト教徒の目には異質に映り、そして次第に迫害されるようになっていく、その行き着いた先がホロコーストであったと、本書は書く。本書の主題ではなかった。

  • ・今日、ユダヤ教徒の結婚式に出席すると、新郎(最近は新郎新婦双方のところもあるようです)が右足でガラスのコップを踏みつけて壊すという慣習を目にします(割れたコップの破片が飛び散らないようにアルミホイルなどで巻いた状態のものを踏みつけます)。この慣習の起源はよくわかっていないようですが、一説によればこれは(バビロニアとローマによる二度の)エルサレム神殿の崩壊を、たとえ結婚式という喜びのただなかにいるときであっても忘れないためのものだそうです。この説の真偽はどうあれ、少なくともバビロニア捕囚という出来事が今日までユダヤ教徒のなかで重要な出来事として記憶されていること、そして記憶し続けようとされていることは明らかです。

  • かなり細かくユダヤ人やユダヤ教について書かれている。例えば、○○王や○○朝、その年代など。それらが至るところに書かれていて、何が何か良く分からなくなった。
    読むにあたり、そういった名前や時代に拘らなければ良かった。

  • ヘブライ語聖書(旧約聖書)がどう成立していったのか、なぜそれが必要だったのかというところがたいへんわかりやすく、おもしろい。
    十戒の「主の名をみだりに唱えてはならない」というのを馬鹿正直に守りすぎてやがて正確な発音が失われたっていう話もおもしろい。(ヤハウェという読みは言語学的な推測だそうで)

  • バビロン捕囚をきっかけに、ユダヤ人、ユダヤ教の出発点と苦難の歴史をとても平易な言葉で大まかにまとめた分かりやすい”教科書”。ディアスポラと、その後のアイデンティティ保持の努力が迫害の要因になっていく過程を説明。民族として、一つの宗教の信徒として、一定の土地に住む者として、というさまざまな括りの中にある「ユダヤ」という枠組み、善悪是非は別として、戦後ようやく「国家」としての土地を確保した現代のイスラエルが、その場所を死守すべく強硬姿勢をとる心情と背景の理解が進む。

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著者プロフィール

1971年生まれ。立教大学文学部教授。筑波大学大学院博士課程単位取得退学。テル・アヴィヴ大学(イスラエル)大学院ユダヤ史学科博士課程修了。専門はオリエント史、旧約学、西アジア考古学。 主著に『聖書考古学』『旧約聖書の謎』(中公新書)、『ヴィジュアルBOOK 旧約聖書の世界と時代』(日本キリスト教団出版局)、『歴史学者と読む高校世界史』(共編著、勁草書房)、『謎解き 聖書物語』(筑摩書房)など。

「2020年 『旧約聖書 〈戦い〉の書物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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