蝋人形館の殺人 (ハヤカワ・ミステリ 166)

  • 早川書房
3.50
  • (0)
  • (3)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 17
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150001667

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  長いこと勘違いをしていた。イギリスを舞台にした作品の多いカーが『蝋人形館の殺人』と題する作品を書くのだから、この「蝋人形館」はロンドンにあるマダム・タッソーの蝋人形館だと思っていた。よく考えれば、アンリ・バンコランものなのだから違うのは自明なのに・・・思い込みとは恐ろしい。
     蝋人形館を舞台にした怪奇趣味が色濃く出ているが、ルシャール夫人のエピソードを物語にもう少し強く織り込んでも良かったのではないか。勿体ない。しかしバンコランの怒涛の推理の論理構築は、さすがカー、面目躍如である。そして、前半の静から後半の動へと展開していくことで一気に終盤へ雪崩込む。不可能興味はないが、この展開がそれを補って余りある面白さを提供している。

  • アンリ・バンコランシリーズです。
    怪奇趣味、グロテスク興味、オカルティズムが色濃い作品です。
    蝋人形館で起こる見世物のような殺人はカーのあの雰囲気が濃厚です。
    蝋人形の殺人場面と実際の殺人場面との描写の不気味さ、死体の描写はカーの執筆も気合いが入っているように感じます。
    確かに死体発見場面は素晴らしく良かったです。
    雰囲気を味わいたい人にはお勧めです。

  • バンコランの冷酷さ度数は低め。
    ただしラスト近辺に少々それらしさを
    におわすような表現はちらほらと出てくる。

    きっと読んでいても
    犯行の全容なんかは間違いなく
    浮かんでなんかこないでしょう。
    ただしキーというか怪しい人物は一人おり、
    その人が絡んでいるのは事実であります。

    犯人はカーらしい選び方。
    なのでワンパターンに感じることでしょう。
    いまいち決め手というか、舞台は面白いのだけれども
    犯行の経緯といいそそることのあまりない作品です。

  • アンリ・バンコラン・シリーズ

    オーギュスタン蝋人形館に入る姿を目撃されたあとセーヌ川に死体となって浮かんでいたオデット。オデットのの婚約者ショーモン大尉とオーギュストを調査中に発見された半人半獣サテュロスの蝋人形に抱かれたオデットの友人クロディーヌの遺体。引きちぎられた鎖の秘密。オデットのもう一人の友人ジーナ・プレヴォーの秘密。蝋人形館から秘密の通路を通って入る秘密クラブの正体。強請り屋エティエンヌ・ギャラン。秘密クラブに潜入したジェフ・マール。ギャランとジーナが語るオデットの死の秘密と秘密クラブを食い物にするギャランの計画。秘密クラブの新しいオーナーの正体。マリー・オーギュストが語る蝋人形のマーラーに刺さったナイフの秘密。蝋人形館で殺害されたギャラン。バンコランが語った真相と真犯人との賭け。

     2002年2月25日再読

全4件中 1 - 4件を表示

J.ディクスンカーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×