A型の女 (ハヤカワ・ミステリ 1308)

  • 早川書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150013080

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの作家マイクル・Z・リューインの長篇ミステリ作品『A型の女(原題:Ask the Right Question)』を読みました。
    ここのところアメリカの作家の作品が続いています… マイクル・Z・リューインの作品は、2年半くらい前に読んだ『夜勤刑事』以来ですね。

    -----story-------------
    〔アルバート・サムスン・シリーズ〕
    お願い、わたしの生物学上の父を探してほしいの――大富豪クリスタル家の一人娘エロイーズの依頼を引き受けたサムスンは、こころならずも名家の巨富をめぐる醜悪な争いに巻き込まれてゆく……暴力を憎む心優しき知性派探偵アルバート・サムスン。
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    1971年(昭和46年)に刊行された、アルバート・サムスン・シリーズの第1作です、、、

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。

    お願い、わたしの生物学上の父を探して─閑散としたオフィスに突然飛び込んできた少女にアルバート・サムスンは面食らった… 大富豪クリスタル家の一人娘エロイーズが、血液型から自分は実の子ではないことが判明したと涙ながらに訴えるのだ、、、

    さっそくクリスタル家の系譜を探り始めたサムスンは、こころならずも名家の巨富をめぐる醜悪な争いに巻き込まれてゆく……。

    小市民的な探偵アルバート・サムスンと依頼人の少女エロイーズ・クリスタルのキャラクターが魅力的で物語に惹き込まれたましたね、、、

    特にアルバート・サムスンは、酒も煙草もやらず、拳銃も持たないというハードボイルド作品なのにハードボイルドっぽくな知性派探偵で、不法侵入も厭わない大胆さがあるかと思えば、不法侵入の現場に忘れ物をして危機を感じると体が震えたりと臆病な面があって身近に感じさせるところがあると思えば、探偵としての矜持は意固地の思えるほど強いところもあって、とても印象的でした… 宮部みゆきも本シリーズが好きらしく、杉村三郎シリーズは、アルバート・サムスン・シリーズからイメージされているらしいですね。

    物語の方は、生物学上の父を探してほしいというエロイーズの依頼から、調査が進むに連れて意外な方向へ… 地味な出生に関する調査だった事件は、エロイーズの祖父が残した遺書の「健康な嫡子が生まれた場合のみ有効とする」という莫大な富が絡んだ相続を巡る事件に発展、、、

    終盤からクライマックスにかけての畳みかけるような怒涛の展開は、ホントに面白かった… 機会があれば、アルバート・サムスン・シリーズの他の作品も読んでみたいですね。

  • 私立探偵アルバート・サムスン。第1作目。
    軟弱なハードボイルドで、現代的。
    ask the right question.
    久しぶりのハードボイルドでおもしろかった。
    大きな展開はないと油断していたら、びっくり。

  • 図書館で。
    暴力と銃と流血も嫌いな珍しいタイプの探偵さん。アメリカは結構マッチョ系ヒーローが多いと思ったけど古きよきアメリカだと紳士探偵が居たんだなあ…

    今ならDNA鑑定とか色々とありますがこの当時は人工授精も珍しいくらいだったんだな…。素朴な疑問ですがヒロインは父親を疑ってましたが母親は無条件に信じていた辺り、フラーは良いお母さんではあったのかなあ。そうなるとあの激情はなんだったんだろう、という気にもなりますが。まあ簡単に言うとお祖父ちゃんが悪かったんだろうなあ…

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