死が招く―ツイスト博士シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1732 ツイスト博士シリーズ)

  • 早川書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150017323

感想・レビュー・書評

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  • 「第四の扉」に続く、ツイスト博士シリーズ二作目は、密室状態に加え、猟奇性の高さと、被害者のミステリ小説の内容そっくりの状況(死体が煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み銃を握りしめていた)が合わさり、御膳立ては万全といったところで、期待も高まったのだが、今作は途中で真犯人が推測できるような物語の構成であることと、密室のネタが私にはやや専門的に思われて、前作のような掛け値なしの喜びは得られなかったのが残念でした。

    ただ、それでも様々な要素(被害者の双子の弟、過去の事件、謎の隣人、等々)が見事に合わさる展開は、やはり素晴らしいものがあり、私はあまり読まないのですが、ジョン・ディクスン・カーのオマージュ的要素が高いことと、本書の解説が二階堂黎人さんなのも(昔、二階堂蘭子シリーズはよく読みました)、その面白さを証明しているのでは、と思いました。

    以下、ネタバレ含みますのでご注意を。










    私が気になった専門的な密室のネタというのが、扉の錠前の事でして、これが専門的なのか、そうでないのかは正直分からないのですが、気になったので、ここに一応書いてみます。

    ちなみに関わっているのは、『ラッチボルト』や『デッドボルト』なのですが、ネットで調べても私には理解できず・・・それとも私の脳が年老いただけか(T_T)

  • えっえっと驚いた一冊。他の感想を見ると皆さま色々気付かれた方が多くて驚いた。私は鈍いのかな(苦笑)が、しっかりミステリとしても読み物としても面白かった。

  • 犯罪学者アラン・ツイスト博士シリーズ第2作です。
    内側から錠がかかった密室状態の書斎でミステリ作家が煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み銃を握りしめて死んでいるのを発見されます。
    傍らの料理は湯気が立っているのに遺体は死後24時間以上が経過していて、しかも、この現場は作家が構想中の小説の設定とそっくり同じというワクワクするような状況です。
    登場人物達も曰くありげな人物ばかりで雰囲気も最高です。
    さすがはフランスのカーと言われるだけあります。

  • 謎解きらしい作品です。
    他の作品も読みたくなりますよ!

  • フランスの作家ポール・アルテの長篇ミステリ作品『死が招く―ツイスト博士シリーズ(原題:La Mort vous invite)』を読みました。
    『第四の扉』に続き、ポール・アルテの作品です。

    -----story-------------
    〈ツイスト博士シリーズ〉
    内側から錠がかかった密室状態の書斎で、ミステリ作家が煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み銃を握りしめて死んでいた。
    傍らの料理は湯気が立っているのに、何故か遺体は死後二十四時間以上が経過していた!しかも、この現場の状況は、作家が構想中の小説『死が招く』の設定とそっくり同じだった…。

    エキセントリックな作家、追い詰められた夫人、奇術師、薄気味悪い娘、双子の兄弟、屍衣を纏った謎の老人―曰くありげな人物たちが織り成す奇怪な殺人ドラマ。
    犯罪学者アラン・ツイスト博士が快刀乱麻を断つ本格探偵小説!シリーズ第二作。
    解説/二階堂黎人
    -----------------------

    1988年(昭和63年)に刊行されたツイスト博士シリーズの第2作です、、、

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。

    ロンドン警視庁の刑事サイモン・カニンガムは、その夜、恋人ヴァレリー・ヴィカーズの父親で推理作家のハロルド・ヴィカーズから夕食会に招かれる… 招待のことは他言無用と念を押された彼は、恋人との約束をキャンセルして指定の時間に屋敷を訪ねるが、夫人は何も知らされていなかった、、、

    しかし、新聞記者のフレッド・スプリンガーも同じ招待状をもって現れる… 夫人のデインによるとハロルドは仕事部屋に籠もっているという。

    不審を抱いたカニンガムらがドアを破ると、夕食の支度が整ったテーブルでハロルドが鍋に顔と両手を突っ込み死んでいた… 傍らの料理は湯気が立っているのに、何故か遺体は死後24時間以上が経過していた、、、

    さらにこの異様な密室状況は、ハロルドが構想中の新作『死が招く』の設定そのままだった… 曰くありげな容疑者たちが織り成す奇怪な殺人ドラマを犯罪学者アラン・ツイスト博士が解き明かす! 人気ツイスト博士シリーズ第2弾。

    相変わらずですが… イギリスを舞台にして、密室殺人や怪奇趣味、不可能犯罪といった要素がギュッと詰め込まれた作品で、本格推理小説への、そして、ジョン・ディクスン・カーへの敬意が感じられる作風でした、、、

    しかも、本作では、最初の密室殺人事件の現場がムッチャ印象的… 煮えたぎる鍋に顔と両手を突っ込み死んでおり、傍らにある料理は湯気が立っているのに、何故か遺体は死後24時間以上が経過しており、この現場の状況は、作家が構想中の小説『死が招く』の設定とそっくり同じ ときてますからねー ミステリ好きには魅力的な謎が示されます、、、

    その他にも、密室にはできたての料理だけでなく水の入ったコップや残された手袋等の気になるアイテムも出てくるし… 行方不明の双子の弟、兄弟入れ替わりの可能性、犯罪に造詣の深い奇術師、甦る死体、複数のサブプロットの有機的結合 等々、マニア向けの趣向が満載でしたね。

    雰囲気づくりが巧いですよねー もちろん、雰囲気だけでなく密室トリックや意外な犯人が判明する展開も愉しめました、、、

    機会があれば、ツイスト博士シリーズの他の作品も読んでみたいですね。

  • キレがいい

  • シリーズ2作目
    あっという間に読んでしまった
    トリックというか、犯人が弄した策の一部が微妙(不要というかやり過ぎというか)で、「トリックは単純なほど効果は大きい」という主張が生きてこないなと思ったけと、面白かった。

  •  シリーズ2作目。
     今回は最初からツイスト博士が出て来ますね。
     前作よりも、すっきりとしていて読みやすくなっています。まぁ、ね。

     ハーストさんのキャラが、ちょっと大人気ないというか……それが最初しんどかった。

  • 殺人現場が凄惨な感じで、非常に興味をひかれた。
    どういうトリック???とかなりドキドキ。

    でも、途中で謎も解けちゃったし、
    犯人もわかっちゃいました。
    なので、かなりがっかり。

    他の作品に比べて、読み終わった後に
    そこまで「読んで良かった!」とは思えなかったので
    星は2つです。

  • 2008/09/16読了

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著者プロフィール

ポール・アルテ:
フランスの推理作家。ジョン・ディクスン・カーに傾倒し、密室殺人などの不可能犯罪をテーマに、名探偵が活躍するクラシカルな本格ミステリを精力的に発表している。日本でも、2002年に邦訳された『第四の扉』以来、作品が3作連続で「本格ミステリ・ベスト10」の1位を獲得するなど高い評価を得る。

「2023年 『吸血鬼の仮面』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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