心地よい眺め (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1736)
- 早川書房 (2003年8月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150017361
作品紹介・あらすじ
テディは、愛情とは無縁のまま育った。愛のない結婚をした両親は、望まずに誕生したわが子にはまったく関心を払わず、彼は放置されたまま一人勝手に大人への道を歩んできたのだ。そんな生い立ちをもち、どこか普通でない青年に成長していたテディは、両親の死をきっかけにそれまで内面に秘めていた歪んだ狂気を、徐々に発揮しはじめる。そんな彼が出会った美しい娘フランシーンもまた、子供の頃に異常な経験をし、心に大きな傷を負っていた。二人の出会いは、新たな悲劇の開幕を告げるベルだったのか…ブラックな結末が待つ、傑作サスペンス。
感想・レビュー・書評
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イギリスの作家ルース・レンデルの長篇ミステリ作品『心地よい眺め(原題:A Sight for Sore Eyes)』を読みました。
ここのところ、イギリスの作家の作品が続いていますね… 『ロウフィールド館の惨劇』、『無慈悲な鴉』に続き、ルース・レンデルの作品です。
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愛のない両親のもとに生まれ、愛情を注がれることなく育ったテディは、自らも愛や慈悲の心のもっていない。母親殺害の現場に居合わせてしまったフランシーンは、一時は言葉も喋れず、今は継母の過剰なまでの保護のもとにあった。
心に大きな傷をもつ二人が出会った時、新たな悲劇の幕が開く――現代最高のサスペンス登場。
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1998年(平成10年)に刊行された作品、、、
小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしく、心ときめく装丁のハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版で読みました。
テディは、愛情とは無縁のまま育った… 愛のない結婚をした両親は、望まずに誕生したわが子にはまったく関心を払わず、彼は放置されたまま一人勝手に大人への道を歩んできたのだ、、、
そんな生い立ちをもち、どこか普通でない青年に成長していたテディは、両親の死をきっかけにそれまで内面に秘めていた歪んだ狂気を、徐々に発揮しはじめる… そんな彼が出会った美しい娘フランシーンもまた、子供の頃に異常な経験をし、心に大きな傷を負っていた。
二人の出会いは、新たな悲劇の開幕を告げるベルだったのか… ブラックな結末が待つ、傑作サスペンス。
8歳のときに自宅で母親を殺されたショックで9か月間言葉を失った経験のある美しい娘フランシーンと、ひとりベビーサークルの中で両親に顧みられることなく育ったハンサムな青年テディ… 子どもの頃の暗く歪んだ経験や異常な家庭環境により心に傷(トラウマ)を抱えた二人の運命が交差、、、
出会い、恋心を抱くものの、二人の幸せは続かない… それをしちゃダメだよ!もっとこうしなきゃ!と思っても、倒れ始めたドミノ倒しのように、悲劇に向かって突き進む展開を止めることができないんですよね。
歪んだ人物の造形が秀逸ですねー 好感が持てない人物、気持ちがシンクロできない人物ばかりなのですが… でも、ページを捲る手を止められない、、、
面白いと同時に、とても苦しくて、辛くて、哀しくて、そして怖い物語でした… ダイヤの指輪や珠玉の家オルカディア・コテージが印象的な役割を果たしていましたね。
ルース・レンデルの作品をもっと読みたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
344.初.元ビニカバ、帯付。
2010.12.20.鈴鹿BF
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