ブラック・ハンター (ハヤカワ・ミステリ 1959)

  • 早川書房
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本棚登録 : 77
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019594

作品紹介・あらすじ

ドイツの富豪の跡継ぎが惨殺された。捜査にあたるのは過去の事件で心身に傷を負い、復帰したばかりのニエマンス警部。彼は新たな相棒とともにドイツに飛び、真相を追うが……。『クリムゾン・リバー』のニエマンス警部再登場! フランスの鬼才によるミステリ

感想・レビュー・書評

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  • この人の本はその風景が想像できるので非常に面白い。登場人物も警察の人間なのに普通っぽい感じの女性が出てきたりして描写もいい。あとは起こる事件が比較的猟奇的な内容なので私好み。

  • 1998年、『クリムゾン・リバー』の続編。未読。主人公は引き続き二エマンス警視。年齢は重ねて、老いを実感し、クリムゾンリバー最後の被害で心に傷も負っている。

    あらすじ
     フランスとドイツの境。ドイツの富豪跡継ぎが殺害される。ドイツは警察と合同捜査。新たな相棒は、教え子で、クロアチア人の父に殺されかけたりなどの過去を持つ、女性刑事イヴァーナ。富豪一族は狩猟を異常に好み、広大な森を持っていた。さらに森を管理するため、ならず者を雇っていたり、歴史的に黒い人物とのつながりも持っていた。

     狩猟とか、森とか、お屋敷とか映像化したら面白そう。映画『クリムゾンリバー』が面白かったので読んだ。今作の二エマンスは事件の後遺症でボロボロな上に、事件の真相が予想もつかないものだったせいもあって、刑事の勘もイマイチだった。それをラストでは、教え子とドイツ刑事が結構批判しているところも面白かった。この作者の作品って、ぱっと見、刺激が強すぎるように見えるけど、ラストきちっと終わらせるところがすごいと思う。

  • 一気読みの面白さ。ナチ絡みが軽め。映像にいい軽さ。

  • 強烈な話。面白かった。ニエマンスがちょっと憐れになって寂しい。

  •  ドイツの大富豪で会社経営者が狩猟休暇中に惨殺された。広大な領地の黒い森で狩猟者が獲物に儀式をする様に内臓を取り去り頭部を切り離し性器も切り取った。
     犯人は、動物と同じ様に人間を狩ったのだった。

     フランス警察のニエマンスと相棒のイヴァーナはドイツへ捜査に向かう。

     殺害されたユルゲンの妹で共同経営者のラオラも巨大な犬に咬み殺されそうになった。
    その犬は殺人鬼ならぬ殺人犬でナチス時代に訓練された犬だった。資産100億ドルのを巡っての一族の骨肉の争いが動機なのか?

     また、一方でユルゲンとラオラの叔父フランツは兄妹の父親である兄に狩場で謝って撃たれ車椅子人生となった事に対する恨みを息子ユルゲンに向けたのか?

     ニエマンスとイヴァーナが複数の男達に襲われた。殺人犬を訓練しユダヤ人虐殺を行なっていた傭兵軍"ブラック・ハンター"だ。同じ晩にユルゲンとラオラの従兄弟がユルゲンと同じ手口で狩られた。ブラック・ハンターは一族が森を最高の狩猟場として使える様に雇った人間達だ。 

     大富豪一族に起きている不可解な死者は過去にも起きていて、一族内の間引き殺人なのか、昔は避妊する行為が一般的では無く子沢山で一家全員の食べ物に困窮した際に''口減らし''で長男以外の子供を売っていた事実が有る。本作の大富豪一族は経済的な理由では無く血統や領主としての才覚を見極める事が重要だったのかも。

     作者は、主人公がジャン・レノの映画化された''クリムゾン・リバー''を23年前に上梓して居り本作は待望のシーズン二作目です。飽きさせない展開と主人公ニエマンスの粗暴で正義感溢れる様はジャン・レノとオーバーラップし脳内で映像化する様に読み進められ面白い。

  • 翻訳がよくどんどん読み進めた。イヴァーナの存在と活躍が興味深かった,

  • おぞましいし禍々しい割には読みやすい。おちるとこにはおちる。

  • アクション描写が今ひとつ。

  • クリムゾン・リバーの続編。ドイツを舞台にしている。ニエマンス警視の再登場。スピード感と、心の闇を探る捜査が深みをもたらしているが終始、ジャン・レノの顔がチラついた。私は「死者の国」の方が好き。

  • スウェーデン人のバランダー、グレーンスときて、フランス人ニエマンスもアラウンド還暦の姿で再登場。
    知力、体力ともにバリバリの頃を思い出して切なくなるが、いずれも作者が齢を重ねていく上当然なことなのだなぁ。読者の方もまた。(引き寄せか?)

    フレンチミステリの屈折具合は馴染みのもので、それが合わない方には気持ち悪いかとは思うが、私はむしろ好きなので楽しめた。
    フレンチミステリがドロドロなのはフランス人だからかと思ったら、今回はドイツ人の大富豪一族が。アルザス地方ならではの複雑さも良い。

    アラ還刑事は体を労わりつつ、節制に努め、体力つけないといけないから大変だわ。

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