続・用心棒 (ハヤカワ・ミステリ 1966)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019662

作品紹介・あらすじ

ニューヨークの暗黒街で一目置かれる存在となった異色の用心棒、ジョー。彼のもとに裏社会の顔役たちから新たな依頼が舞い込んだ。テロ計画の原資になっているという薬物の供給元を潰すことは出来るのか? 大反響を呼んだ『用心棒』に続く、シリーズ第二作。

感想・レビュー・書評

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  • ジョー・ブロディ・シリーズ第二作
    一作目のテロリストの妻ヘザーと中東のテロリストが組んで資金調達のためにNYで大量のヘロインを売るという。代金は金じゃなくてダイヤで。
    そのテロリスト達をやっつけるために取引に応じる態で、まずはダイヤを調達。そして取引。そこからテロリスト達の居場所をつかんで危機に遭うにも拘らず最後は勝つという定番のストーリー。
    まあ良い感じで読めたかな。

    Amazonより-------------
    ニューヨークの暗黒街で一目置かれる存在となった異色の用心棒、ジョー。彼のもとに裏社会の顔役たちから新たな依頼が舞い込んだ。テロ計画の原資になっているという薬物の供給元を潰すことは出来るのか? 大反響を呼んだ『用心棒』に続く、シリーズ第二作。

  •  『用心棒』というだけで怪しげな邦題のジョー・ブロディ・シリーズ第二作。『続・用心棒』とは、何だか昔の時代劇映画みたいだ。マカロニ・ウェスタンの『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』が「続」とか「新」とか、まるで別の作品なのに、タイトルで売れっ子俳優クリント・イーストウッドの二番煎じ三番煎じを狙ったという当時の映画界事情が思い浮かぶ。

     いかがわしさ満載のこの作品は、あの毒々しい当時の映画看板を思い出させ、何だか汗臭く、昭和っぽく、やたらと懐かしい。ぼくは仕方なく、C・イーストウッドのイメージでジョーを思い描くことにしています。

     著者デイヴィッド・ゴードンが、前作『用心棒』で、従来の純文学にあわよくばと片足かけていた作風からエンタメ路線に一気に完全方向転換し、非常に庶民的、かつアクション重視のピカレスク路線をかっ飛ばし始めたのには、心底驚愕させられたものだ。そこのところを作家は、さらに確信と自信に磨きをかけ、好きなだけ愉しみ、楽しませてくれる、この続編を書いてくれたわけである。邦題はお約束の通り『続・用心棒』である。いいね。

     描写には多分にしつこさやねちっこさが残るけれど、そういう個性まで捨てよとは言うまい。ジョークやブラックを文章の裏側から抽出しつつ、圧倒的スピード感すら感じさせるジョン・ウー監督まがいの最初のド派手アクションは、ただのイントロに過ぎず、その後、ゴッドファーザーを凌駕する各種暗黒街の総会みたいなノリで、彼ら親分たちに雇われるに至って、ジョー・ブロディはますます怪しげな存在になってゆく。

     ただし、この作品、シリーズ主人公をさておいての個性的キャラクターのオンパレードが特徴でもあり、各人種・各異常性格、各人各様の裏切りや欲望等々、サブストーリーの分厚さと豊富さが、作者の語りに拍車をかける。まるで木戸銭を払って紛れ込む縁日の見世物小屋のような極彩色のオフビート・ギャング・ストーリーなのだ。タランティーノくらいしかこれを映画化することはできないかもしれない。

     ジョーの親しいイタリア系マフィアの親分・ジオ。彼の個人的趣味や、その後の葛藤が、不気味で可笑しすぎるのだが、それぞれに絡み合うキャラクターの間の裏切りや企みを各ページに載せたまま、重戦車級のヘロイン&ダイヤモンド強奪兼取引現場へとストーリーが雪崩れ込む。舞台のニューヨークは、作者の育ったそうな怪しき町クイーンズ。人種のるつぼ。貧困と混沌の野外ステージ。

     イントロとメインでの二つのビッグ・アクションの後、キャラクターたちは、それぞれの運命の岐路を迎えてゆく。いわば魔界の残務整理。それがまたきつい。過酷で容赦なく、血と欲望にまみれている。

     個人的には多くのキャラの中でも、割とまともな二人の若手がぼくは好きである。アクロバティックなドライビングテクニックを駆使するキャッシュと、IT関連とりまとめ役でハッカーでもあるジョシュアだ。

     さて皆さんはどのキャラのファンでしょうか? それほど個性のかき分けが凄いのだが、何せ登場人物が多すぎて頭の整理が大変、とも言えるごった煮料理でもありました。それにしてもなんという作品であろうか?

  • 前作に続いて読んだが主人公以外の登場人物も個性的で面白い。ストーリーの中に主人公と女性がすれ違うという日本のすれ違いドラマのような雰囲気もなかなか愉快。

  • ニューヨークの暗黒街で一目置かれる存在となった異色の用心棒、ジョー。彼のもとに裏社会の顔役たちから新たな依頼が舞い込んだ。テロ計画の原資になっているという薬物の供給元を潰すことは出来るのか? 大反響を呼んだ『用心棒』に続く、シリーズ第二作。

    椿三十郎ではなく、続・用心棒というのはどうでもいい話。オフビートなテイストの、それでいてハードなアクションが今回も展開。良作でした。

  • 作品を無条件に楽しめる作家の一人です。仲間が皆一応無事で良かった。新しいキャラも登場して、また次の事件を楽しみに待ちたいと思います。

  • 前作でニューヨークの犯罪組織のボスたちの依頼によりテロを未然に防いだジョー。今回はテロ組織の麻薬密売による資金調達を阻止する任務を依頼される。腕利きの仲間と共に複雑な作戦を遂行し、悪党や警察の手をすりぬけるアクションが痛快だ。印象に残るのは、生まれながらの犯罪者たちが彼らなりの掟の中で生きる為に保持している覚悟。痛快な中にも時に冷酷な場面もあり、一気に読んでしまった。

  • 一作目が面白かったので二作目も読んでみた。前作で結果的にテロリストの野望を打ち砕いたため闇の世界の保安官に任命された主人公…というところで既に本作もかなり荒唐無稽な設定な訳だが本作では中東のテロリストが合衆国にヘロインを持ち込もうとしておりニューヨークの主だった犯罪組織が主人公にその対応を一任する、という話。そのために主人公は 1) 取引に必要となったダイヤモンドを調達する 2) 取引を行いヘロインを入手する 3) その上でテロリスト組織からダイヤを奪回しテロリストに打撃を与える という一連の難題に挑まざるを得なくなる…という前作にも増しての荒唐無稽さというかほぼコミックの世界。あとがきで指摘があったけど確かにルパン三世というよりウェストレイクのドートマンダーシリーズに少し似ていてとても無理と思われる犯罪計画にいろんな才能を持ったメンバー達が取り組んでなんとか成功させるのだけど…みたいな展開だがこちらの方が少し真面目な感じではあるかな。主人公もそうだけどそのまんま漫画にできそうな登場人物達の造形も相変わらず上手い。荒唐無稽なのもここまで振り切っていると面白くて次作も楽しみ。

  • 躍動感があふれる描写は健在であり生の映画を観ているようで楽しいけれど、ストーリーもありがちな映画のように展開しているせいで、一作目よりかはインパクトが弱かったかな、という印象。

  •  元陸軍特殊部隊のジョーは、友人でイタリア系マフィアのジオが経営するクラブの用心棒だ。今回は、ニューヨークに持ち込まれる400万ドル相当のヘロインをアルカイダのテロリスト売人と取引人を装い奪い取り、更に代金であるダイヤモンドも手に入れ、ニューヨークマフィアやギャング達のマーケットを守るのが仕事だ。

     まずは、代金のダイヤモンドを強奪する仕事に掛かる。金庫破りのエレーナ、ハッカーのジュノ、リーアム、ジョシュアの5人で見事にダイヤモンドを強奪した。

     いよいよ、ヘロインとの交換とダイヤモンドを奪い返す時が迫って来た。が、ジョーとエレーナに夫を殺された未亡人がこの取引を利用して復讐を画策していた。

     一作目同様、テンポ良く飽きさせない。またマフィアの用心棒というダークなヒーローは正義感と愛に溢れた頼れる男です。ただ毎回ラストで分配される取り分のお金、少なくない? 命掛けて傷だらけで1万ドルとか…
    その謙虚さも素敵です。

  • 続けるほどでは…

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