郊外の探偵たち (HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS No. 1)
- 早川書房 (2023年8月2日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150019945
作品紹介・あらすじ
ニュージャージー州郊外の町でインド人の青年が殺された。元FBIの優秀なプロファイラーで第5子を妊娠中のアンドレアは、ジャーナリストのケニーと共に調査を開始する。やがて2人は、50年前に地元で骨が発見された事件にたどり着き、過去と現在の事件に関連があるのではないかと疑いはじめて……。破天荒な2人の探偵が郊外の町で暴れまくる!
感想・レビュー・書評
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おもろい! 五人目妊娠中の元FBIのパワフルママと、落ち目の新聞記者が事件に挑む #郊外の探偵たち
■あらすじ
かつてFBIに勤務していたプロファイラーだったアンドレアは、今は四人の子どもたちを育てるママであり、五人目を妊娠している。彼女は、住んでいる郊外のガソリンスタンドで、殺人現場に出くわしてしまのだった。
一方、以前はピューリッツァー賞もとったことのある新聞記者ケニーは、問題を起こしたことをきっかけにすっかり影が薄くなる存在になっていた。二人はともに郊外で起こった殺人事件と街の闇を探り始める。
■きっと読みたくなるレビュー
やっぱアメリカのミステリーは楽しませるサービス精神が満点ですね。楽しい読書体験をさせてもらいました。
全編通してそうなんですが、場面の切り方とセリフ回しが秀逸。海外ドラマをそのまま観ているようで、あっという間に読み進められちゃいます。
特に最序盤のアンドレアの登場シーンなんかは最高に面白い。殺人現場という緊張した場面で発生する強烈なハプニング、しかもアンドレアのキャラもしっかりと説明される。作中も惹きつけられるシーンがいっぱいなんです。緊張と緩和がホントにお上手で、ラストなんて爆笑しちゃいました。
本作の一番の読みどころは、やっぱりアンドレアとケニーのお二人。見た目はパワフルママさんなのに、正義感の強さ、利発な頭脳、行動力が半端ねぇ。鬼カッコイイのよ。記者のケニーもヤな性格だけど憎めない奴で、ついつい応援しちゃう。ナイスコンビですね。
その他の登場人物も、まあ魅力的ですよ。いるいる!こういう奴!って、すぐにイメージできちゃう。特に推したいのはママ友たち。彼女たちこそ日々戦争ですよね。でもどんな男どもよりもイキイキと事にあたる姿は、超たくましかったです。
また本作は男女の人間関係も計算高いんです。過去の出会いから現在にかけ、人の縁や運命の悪戯ってやつが垣間見える。この辺りもアメリカのお話らしくて大好きでした。
物語と謎解き自体は、着実に丁寧に進んでいきます。ガソリンスタンドの殺人事件から、過去に街で起こった事件が見え始め、受け入れがたい事実が明らかになっていく。まさしくアメリカの歴史と課題、事件の背景に憤りを感じざるを得ませんでした。
■ぜっさん推しポイント
理想的な夫婦関係とは、どういったものでしょうか。本作ではアンドレアと夫のジェフの二人のシーンが、たびたび描かれていきます。
どちらも子供たちが大切で、家族を愛している。でも日々の生活に対してやるせない気持ちや鬱憤で今にも爆発しそう。そしてお互いに譲れないプライド。どちらの気持ちも痛いほどわかるっ
夫婦ともに満たされた人生を歩むには、手を取り合いながら理想と現実に折り合いをつけていく必要があるんでしょうが、これが難しいんですよね…
本作は続編も書かれているとのことなので、二人の夫婦関係にも注目していきたいと思いました。面白かった!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第5子を妊娠中のアンドレアはニュージャージー州郊外に住む専業主婦で、かつてはFBIの優秀なプロファイラーだった。殺人事件の現場に偶然出くわしそこで末っ子がお漏らしをしてしまったことをきっかけに、彼女は落ち目のジャーナリストのケニーと調査を開始する。50年前に地元で発見された骨と今回の事件との関連に気づいた彼女は、隠された町の秘密に迫る。やがて明らかになったのは人種差別をめぐる暗い過去だった。「いまはイケてない」探偵コンビが郊外の町で犯人を追い詰めるオフビートな痛快ミステリ。
とんでもないオープニングで、つかみはOK。主役二人以外の登場人物がなかなかいい。実は重たいテーマを軽快に読ませます。 -
主人公は4人の子持ちで妊娠後期の主婦。とは言え元FBIのプロファイラーとして過去に華々しい業績を残す。バディを組むのは落ち目の新聞記者。ある殺人事件を調べるうちに過去の大量殺戮にたどり着く、と言う設定。
子供達の日常や妊婦ゆえの緩慢な動きなどがあまりにリアル過ぎたのとコメディ的な展開に没頭出来なかった。が
キャリア半ばで郊外に住む主婦を強いられた女性の悲鳴が聞こえた様でそこは良かった。 -
キャラはまあまあなのだが、そんなんで殺すの?というか興趣が足りぬというか…
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まあまあ。
登場人物の肌の色って作者が書かない限り読者には分からないんだよね。 -
ダメだこれは