- Amazon.co.jp ・本 (519ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150114183
作品紹介・あらすじ
人類は初めてエイリアンと遭遇した。四光年あまり彼方のアルファケンタウリに住むトソク族が地球に飛来したのである。ファーストコンタクトは順調に進むが、思いもよらぬ事件が起きた。トソク族の滞在する施設で、地球人の惨殺死体が発見されたのだ。片脚を切断し、胴体を切り裂き、死体の一部を持ち去るという残虐な手口だった。しかも、逮捕された容疑者はエイリアン…世界が注目するなか、前代未聞の裁判が始まる。
感想・レビュー・書評
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ソウヤーはミステリと融合したSF作品が多く『ゴールデンフリース』が有名だが、この『イリーガル・エイリアン』はファーストコンタクトものであり法廷ミステリでもあるという世にもめずらしい作品。
アルファケンタウリ星系から訪れた7人のエイリアン。順調に親善が進んでいるかと思われた矢先、もっとも親しくしていたはずの博士が惨殺死体となって発見される。地球上の道具ではありえない鋭利な切り口やアリバイがなかったことで、エイリアンのひとりをロス市警が逮捕。第一級殺人罪で起訴されてしまう。
裁判が進むにつれエイリアンの解剖生理、宗教・哲学、地球訪問の真の目的などが明らかになり、最後は予想もしない怒涛の展開。純粋にミステリ作品としても秀逸。『三体』の元ネタなんじゃないかと思われるところがいくつもあり、『三体』ファンなら一度は読んでおくべき。しかしなぜこの傑作が絶版になっているのか理解に苦しむ。 -
宇宙人を一括りにせず、地球人が多様な民族・宗教から成り立っていることの延長としてとらえてあり興味深かった
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池澤春菜さん推薦 なにこれレベル2
被害者は地球人、容疑者はエイリアン!
って…これ裁判はどうします?
カラアゲちゃんの運命はいかに…
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古書購入
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初めてのソウヤー。人気があるのも納得できるおもしろさだった。確かにSF入門書として、結構いいかも。
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人類ははじめて地球外生命体と遭遇する。彼らはアルファ・ケンタウリに住むというトソク族。トソク族はある日、突如として地球に飛来し、人類との交流を開始したのである。交流は順調に進んでいると思われたのも束の間、交流を進めていた中心的人物が惨殺される!容疑者はなんとトソク族!さて、ここで地球外生命体を被告とする前代未聞の裁判がはじまる!
地球外生命体は法律で罰せられるのかという単純な疑問はさておき(たしか作中でも言及されていなかった…はず)、プロットがとってもおもしろそうなソウヤーらしい作品です。加えて、個人的にソウヤー作品で「合わない」と思っている登場人物の情緒的側面が本書では希薄なため、とてもスムーズに読み進めることができました。オチも綺麗にまとまっていましたし、良作かと。 -
確かにエイリアンが主人公ですが、これがSFでしょうか。前1/5がファーストコンタクト、後ろの少しがエピローグ的な物語、それ以外は全てジョン・グリシャムばりの法廷論争です。やっぱり法廷物に入れるべきか?(苦笑)。それはさておき、面白い。
冷静になって考えると矛盾の多いストーリーなのですが、著者・ソウヤーのストーリーテリングの上手さでしょう、一気に読ませてもらえます。