タフの方舟 2天の果実 (ハヤカワ文庫SF)

  • 早川書房
4.10
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150115166

作品紹介・あらすじ

あるレストランで、暴漢に襲われた宇宙商人ハヴィランド・タフ。その襲撃者の星では、モーセを名乗る宗教的煽動家が"十戒"を模した環境戦争を仕掛けているという。その共謀者との疑惑を晴らすべく、宗教家と対決するタフを描く「わが名はモーセ」、トリー・ミューンがポートマスターを務める、慢性的な人口問題を抱えた惑星ス=ウスラムに環境エンジニアリングを試みる「タフ再臨」他、全四篇を収録する連作集・完結篇。

感想・レビュー・書評

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  • 太古の環境エンジニアリング技術を満載した宇宙船『方舟』を手に入れた商人ハヴィランド・タフの物語。短編集の2巻目
    印象深いエピソードは人口問題を抱えた星「ス=ウスラム」の第4話と第7話。 
    増え続ける人口を抑えるにはあの方法しかないと思うんだが、トリー・ミューンの反応が不可解。 
    あそこまで拒絶反応を示す理由が私にはわからなんだ・・・ 。 
    2巻目でもハヴィランド・タフはやはり、GOTのヴァリスでした。

  • 猫好きの悪徳?宇宙商人 タフの連作集。

  • 慇懃無礼というしかないタフの言動。各国、もとい各星の個性的な面々。タフは感じ悪いチートだが、しかし好奇心とバランス感覚があるので、全編通して狂言回し(よりは圧倒的な存在感だが)らしく各章の主人公たちを支える。続きは出ていないようだ。

    この手のSFできちんと描かれる各種宇宙人の様態は、常に漫画「COBRA」の絵でイメージされてしまう。最近だと「果ての星通信」も。

  • 前作に引き続き猫好きの方からお借りして読んだ。前作から時系列に話が進んでいるが、より主人公のタフが皮肉っぽくなってきた。登場人物の一人が言ってるが、だんだんタフ自身が自らを神のごとく考えているかのような言葉だしふるまいなのだ。だがそれは、彼が環境エンジニアとして相手にする人々があまりに愚かだからだ。「魔獣売ります」の依頼人たちは自分たちの名誉と楽しみのために動物たちを殺し合わせ、その戦いに勝つためにタフを頼ろうとする。「タフ再臨」「天の果実」では限られた資源しかないのに無節操に人口を増やし続けている人々が、食糧危機を解決しようとタフの胚腫船を奪おうとする。滅亡の危機に立ってもなお愚かさを直視しない者を救おうとするなら、タフのように冷酷に果断な処置をとる事が必要だ。ひょうひょうとしているタフが、人類への重大な決断を一人で背負おうとする姿に慄然とする。”神”という存在は恐ろしく孤独なものなんだなって思う。

  • 初期に書かれた短編でのタフは商人=悪どいやつの印象を受けたけど、だんだんとキャラに深みが出て来て面白かった!

  • 読み易いし毒も利いていて味のある連作集
    表紙   7点末弥 純   酒井 昭伸訳
    展開   7点1986年著作
    文章   7点
    内容 689点
    合計 710点

  • 最後に非常に重いネタが来たけど、それもよかった。
    痛快なタフの旅行譚。斜め上の解決策で問題をばっさばっさと斬る。

  • 4/6 読了。
    猫が大好きで、人間は猫ほど好きじゃない、慇懃無礼な宇宙商人タフが、数千年前に失われたはずのクローニング技術の粋を搭載した<方舟>号によって、神にも等しい力を手にする。
    「守護者」が好き。

  • 完結編の2巻です。

    えーと、第5話と第6話は、昔に書かれた話ということで、やっぱり、最新作にくらべると、ドキドキは足りない気がします。
    それでも、第1話にくらべれば、おもしろいですけどね。
    というか、ちゃんと話のおわりにオチがあって、わたし的には、好きなタイプのお話です。

    悪徳商人みたいな、惹句がどっかにあって、1巻読んだときは、

    「どこが~」

    という感じだったのですが、このあたりの作品を読むと、かなりその理由がわかりますねぇ。

    で、トリー・ミューンの出てくる話です。
    これは、別格におもしろいです。
    まあ、このおもしろさは、ストーリーのおもしろさというよりも、トリー・ミューンのキャラクターのおもしろさという気がしますが。

    でも、やっぱり、このシリーズの中では、だんとつにおもしろいと思います。

    さて、以下、ネタばれありです。
    http://asobo.littlestar.jp/rin/2005/08/26/%E9%81%B8%E6%8A%9E%E3%81%9B%E3%82%88%E3%81%A8%E3%80%81%E7%A5%9E%E3%81%8C%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%81%86/

  • 2巻目にして完結編。作者がその気になれば続編あるかもらしい。前巻からの懸念だったス・ウスラムの人口問題、まあこうなるよなぁという想定の範囲内だったけど、タフとトリー・ミューンの議論はよくいる無責任な人間にぜひ聞かせたい内容だった。でもまあ、なんでもそうだけど、聞かせたい相手ってものは基本、聞く耳持たぬものなのよねー

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