- Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150115999
作品紹介・あらすじ
はるか下には緑の地球、そして上には星々の輝く大宇宙…赤道上空22000マイルの軌道上に浮かぶ宇宙ステーションで働く人々の哀歓を、豊かな科学知識をもとに軽やかに謳いあげた表題作をはじめ、最新のコンピューターを使って、90億もある神の名をすべて書きつくそうというラマ僧の目的は…「90億の神の御名」、ヒューゴー賞短篇部門受賞に輝く「星」など、巨匠クラークが本格SFの真髄を伝える、珠玉の14中短篇を収録。
感想・レビュー・書評
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1947年から1957年に書かれた短編集。
荒廃して住めなくなった地球を捨て住める星に移住する、その最後の日を幼い子供の目で描く「諸行無常」。300年地球からの連絡のない移民星「サラッサ」に地球からの宇宙船が不時着するが、それはさらに遠い恒星への途中だった。打ち捨てられたままの移民星を描く「遥かなる地球の歌」がよかった。
1958発表
1984.6.15発行 1991.7.31第7刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1947年~1957年の初期作品を納めた短編集。「九〇億の神の御名」「密航者」「天の向こう側」「暗黒の壁」「機密漏洩」「その次の朝はなかった」「月に賭ける」「宣伝キャンペーン」「この世のすべての時間」「宇宙のカサノヴァ」「星」「太陽の中から」「諸行無常」「遥かなる地球の歌」の14篇を収録。
古さを感じさせないところが凄い! -
天の向こう側 (ハヤカワ文庫SF)
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クラークの短編集
なんと1957年の短編集。アイデア一本勝負のSFだ。
最後の数行でオチをつけるという感じの短編集だが、それがあまり決まっていないものが多い。当時は先鞭だったのだろうが、今となっては「どこかで見た感じ」と感じる。
洋モノ星新一ってな感じの本作だが、長編の元になる「遥かなる地球の歌」はまさにクラーク節だし、宇宙の風景はモノクロの紙面がフルカラーに見えるすばらしさは天下一品。
月面から地球を見る。夜明けとともに山の頂上が明るく輝き、次いで昼と夜の境界線がじわじわと山の斜面を登っていく。こんな表現はクラークならではだな。
作品は以下の通り。
九〇億の神の御名
密航者
天の向こう側
暗黒の壁
機密漏洩
その次の朝はなかった
月に賭ける
宣伝カンパニア
この世のすべての時間
宇宙のカサノヴァ
星
太陽の中から
諸行無常
遥かなる地球の歌 -
意外なオチがある話が混ざっているので、クラークはこういうのも書くのかと思うと、アイデアそのものは他人のものでした。
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1984年にハヤカワ文庫から出版されたものの新装版。