- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150116361
感想・レビュー・書評
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静かに侵略されていく街の話。
じわじわ怖くなってくる…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
“それ”は、何の変哲も無い一瞬に
家族に、友人に、隣人に成り代わり、
静かに街に広がっていった。
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恩田陸さんの『月の裏側』の中で登場人物が読んでいたので、一度読んでみたかったSF小説。
描かれているのは、侵食と抵抗。
「その中には真実が混ざっている」
って一文で止めを刺していく辺り意地が悪いというか、
とことんエンターテイメントというか。
でも終わり方的に、あんまり不安感を残していかないのは、『火星戦争』なんかに通じるものがありそうな気がします(標本が少ないのでなんとも言えませんが)。
一人の男が、ある切実な体験を備忘録のような警鐘のような形で書きとめ発表している、という形式ではじまるこの本は、最後までそのスタンスが貫かれているだけなのですが。
冒頭から中間部に渡っての少しずつ追いつめられていく恐ろしさに震えました。 -
昔見た映画がずっと頭に残っていたので、原作を読もうと探した本。なによりも読みやすかった。話のテンポもなかなか良い。異星人の侵略が地方都市から行われているという設定も個人的に好きだった。宇宙人の元になるものが畑でいっぱい生えているという設定も想像したら面白い反面それが人間に擬態するのだと思うと不気味であると感じた。よくわからない部分もあるが、それもSFだと思えば大して苦にはならなかった。
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SFというよりは、サスペンス・ホラー。
主人公が医者なので、医学的・解剖学的な部分に現実味が出てくるのが良いかも。
かといってウンチクだらけの内容ではなく、ちゃんと主人公達の心理描写や会話がいきいきとしているのは作者の力量なのだろう。
リメイクなどが多くあるのは、今となっては古典的ではあるけれど、ストーリーや展開がしっかりしているからだと思う。
オチの後の結びが、「そんなに簡単に済むのだろうか?」と思ってしまった。
けれどもソレはそれ、最後に向かうまでのプロセスで楽しめる作品だから、ヨシとしましょう。 -
79051.51
荒筋のわかっている有名なSFを実際読んでみると考えていたイメージと随分違うものだ。 -
久しぶりに古き良きSFを読んだって感じ。こういう地方都市だけで事件が起きてだんだん蔓延していって…という展開、古くさいかもしれないけどやっぱり面白い。『月の裏側』もこのパターンだ。恐らく影響を受けてるんだろう。もしかしたら解説に何か書いてたかも。でも結末は違うパターンだけど。この違うパターンというのが逆の見方をすれば侵略する側の悲しさも物語っているわけで。
たまにはこういう古典的作品もいい。 -
しぶとい主人公と割とあっさりした敵方。けどそれがいい。
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アメリカ西海岸沿いの小都市サンタ・マイラで、奇妙な現象が蔓延しつつあった。夫が妻を妻でないといい、子が親を、友人が友人を偽物だと思いはじめる。はじめ心理学者は、時おり発生するマス・ヒステリー現象と考えていた。だがある日、開業医のマイルズは友人の家で奇怪な物体を見せられた。それは人間そっくりに変貌しつつある謎の生命体――宇宙からの侵略者の姿だったのだ! 奇才フィニイが放つ侵略テーマSFの名作。
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密かに染めつくされていくなか、他人が信じられなくなることは恐ろしい。
抗うことが一つの道。あっけないといえばそれまで。