犬は勘定に入れません 下―あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎 (ハヤカワ文庫 SF ウ 12-7)
- 早川書房 (2009年4月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150117085
感想・レビュー・書評
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上/下巻 気になってはいたけれど、タイトルと表紙を見る限りどうも踏み切れずに本屋さんに行く度に手に取っては戻し、手に取っては戻しを繰り返し結局買ってみた作品。あまり期待してなかったけど結構面白かった。タイムトラベルもののSFだがそれだけではなくミステリーの要素もあり歴史も絡んでてんやわんやな感じ。
今どこに誰がいて、何をしなきゃいけなくて、など時間軸と場所と行動の絡みが面白い。もう猫一匹で大騒ぎです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルに惹かれて手に取りました。
序盤=参った。読むのしんどい・・・。→長らく積読
中盤=ちょっと面白くなってきたかも
後半=一気読み
という感じでした。
SFなのかミステリなのか。
タイムパラドクスの解釈が面白かったです。 -
上巻に引き続きタイムトラベルしまくりの下巻である。主人公達の思惑通りにはことが進まずにあわや歴史は変わってしまうのか?と思いきやそんなことは無くきっちり丸く収まり“主教の鳥株”は見つかる。結局時間の流れは変化を嫌い、自ら修正しようともするわけである。作中で述べられている通りの職業の人物が犯人か?と思いきや実は意外な人物が犯人でしたというパターンでミステリとしても秀逸。タイムトラベルSFであり、歴史小説であり、ミステリであり、恋愛小説であり、コメディであり、あらゆる要素を含んだエンタメ大作である。登場人物(犬1匹と猫1匹含む)も皆愛着の持てるコミカルな造形で魅力的である。上巻前半の読みにくい部分(主人公がタイムトラベルのしすぎで意識が朦朧としているのが原因)を突破すればその先はただただ楽しんで読むだけである。ぜひともあらゆる人々に薦めたい作品だ。
本作にみられるようなタイムトラベルものは世の中に数多く存在し、どれも工夫に富んだものである。同じ時間軸でタイムトラベルするものもあれば多世界を移動するものもある。純粋にSFとしての作品もあれば、ミステリやその他のジャンルと融合したものもある。人間は今のところ時間の流れに逆らうことはできず現実を見つめ現在を生き未来に進むしかない。自分の過去にたいして全く後悔していない人間などおそらく皆無だろうし、誰しも「あの時こうすればよかった」と思うことがあるはずだ。ゆえにタイムトラベルものは書かれ続けるだろう。少なくとも皆、時空間移動に対して興味をもっているはずだ。国民的アニメであるドラえもんでもタイムマシンは人気の秘密道具であり続けている。
ところで実際にはタイムトラベルは実現可能かというと科学者達(キップソンら)は少なくとも我々が生きている時代には実現不可能だと述べている。結局夢物語でしかないのかと思いきやつい先日ニュートリノが光速を超えたとの報告があった。もしこれが事実ならばアインシュタインの予測をくつがえし、極端な話、タイムトラベルが可能になるかもしれない。もちろんそんなことはやっぱり難しいのだろうがしかしそんなエキサイティングな時代に我々は生きていることに感謝したい。SF作家はタイムトラベルものを書き続けてほしいし、物理学者には時空学を研究し続けてほしい。そして願わくば時間旅行が可能になる日を拝みたいものである。 -
タイムトラベルものにパラドックスはつきものだが、それがこの物語では必要不可欠で一番の魅力。なんだかバタバタと不親切極まりないスタートで無事に読み終えれるか不安であったが上巻途中から目が離せなくなって、下巻に至っては一気読み。イングランドの歴史や文学をもっと知ってたらもっと楽しめたんだろうな。
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名作ドゥームズデイ・ブックの続編(?)。
今回はドタバタ劇に終始しており、その分読み終わっての感動等はないが、予定調和の世界で安心感があり、読んでいてとくにかく楽しい。 -
大変面白かった。ホント、シリルがかわいい。
作中の無数の引用元を読むのも含めて再読したい作品。 -
文庫化されました!
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前述のとおり。
文庫本なので上下二冊の分冊になっています。
が、二冊とも購入したほうがハードカバー一冊よりも安いはず。 -
本文後の「解説」は岸本佐知子様!さすが鋭いところ(そして変なところ)をついておられます。私も「せき」ってなんだかわからなかったです。でも読み飛ばしていました。